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【広報ふじ平成14年】二十世紀 写真のなかの富士2 東海道の町なみ

 東海道に宿駅制がしかれて、ことしで401年目。東海道の歴史に新しい1ページを加える年です。市立博物館では開館20周年を記念し、市民の皆さんから古い時代の写真を募集し、「20世紀 写真のなかの富士2 東海道の町なみ」展を開催します。その中から現在の写真とともに4点を紹介し、その場所にまつわるお話を伺いました。
 家族や友達と、懐かしいあのころ、あの場所を見つけてみませんか。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 戦後間もないころの吉原小学校
( 写真説明 ) 現在の吉原小学校


左富士
静岡県文化財保存協会副会長
奈木 盛雄(なぎ もりお)さん(国久保3)
◆人生の変遷に、左富士の思い出
- 写真あり -
 私の生まれは沼津市の原で、大正15年に今泉にある親戚(しんせき)の家へ行くため、父と鈴川駅(現在の吉原駅)から馬車鉄道に乗って左富士を通り新橋でおりたのが、私と左富士の最初の出会いでした。昭和10年に依田原にあった会社に勤めたので、鈴川駅から毎日徒歩で左富士を通って通勤することになりました。夜11時ごろに歩いて帰るときには、人影もなくフクロウがホウホウと鳴いていてとても寂しかったですね。
 戦後、吉原市役所に勤めました。仕事でユニセフ駐日代表団の外国人に「安藤広重の東海道五十三次の左富士が見たい」と言われて案内したら、絵と今残る一本の松の枝ぶりが違うと言われて困りましたよ(笑)。でもとても喜んで、力強く握手をしてくれました。その手の痛みをよく覚えています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 明治時代の左富士


吉原本町
吉原2丁目にお住まいの神尾世利子(かみお よりこ)さん
あのころの活気を再び
- 写真あり -
 昭和35五年に、清水市からここに嫁いできました。当時は、アーケードもなく、軒の低いお店が連なっていましたが、「吉原の街に来れば、何でもそろう」と、いつもたくさんの人でにぎわっていました。ガラス戸をはめ、冬はお客さんに暖まってもらうように火鉢の火をおこしました。仕事も忙しく子育てもしながらの毎日でしたが、家族が健康で仲がよいことが私の支えでした。
 今、商店街もあのころの活気を取り戻そうと頑張っています。後継者も育ちつつあるので、また再び商店街が活気づくことが今の私の夢であり、願いですね。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昭和30年代の吉原本町通り
- 図表あり -
( 図表説明 ) イラストは富士市出身の漫画家・望月あきらさんによるものです


富士緑道
本市場にお住まいの野村 廣次(ひろじ)さん
◆懐かしい遮断機の音
- 写真あり -
 今の富士緑道は、昔、身延線が通っていたところです。写真は、その当時の身延線本市場停留所です。電車が来ると遮断機をおろす「踏切番」がいて、手でレバーを回して遮断機をおろしていました。
 昭和30年代に入って自動車が普及し、遮断機がおりるときのチリンチリンという音がすると、身延線本市場停留所の踏切からひどい交通渋滞になるようになりました。また、身延線の線路は急カーブで、スピードも出せませんでした。身延線の西回りへの変更により、昭和44年9月27日に本市場停留所が廃止。その最終電車の切符を、記念にと夜10時ごろ買いに行きましたよ。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昭和40年ごろの身延線本市場停留所の踏切


富士本町
富士本町にお住まいの佐野 峯雄(みねお)さん
◆あのナシは、おいしかった
- 写真あり -
 昭和の初め、私の子どものころ、本町通りの周りはナシの畑や水田ばかりでした。夏になるとナシを運ぶ牛車や馬車が、朝5時ごろからゴトゴトと通りを行き交っていました。
 母が「ごはんだよー」と呼ぶまで、毎日友達と外で遊んでいました。私の家の裏には川が流れていていました。平垣八幡町あたりで梨を川に投げ入れ、プカプカと浮いているナシに沿って歩いてきて家の裏でナシを拾って食べると、ちょうど冷えていて、それはおいしかったですよ。物はない時代でしたが、川も道もきれいでごみ一つ落ちていませんでした。川に素足で入っても、けがをすることもありませんでした。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昭和28年の富士本町通り


20世紀 写真のなかの富士2 東海道の町なみ
とき 平成14年1月5日(土曜日)〜3月3日(日曜日)9時〜16時30分
ところ 市立博物館
休館日 毎週月曜日、1月15日(火曜日)・16日(水曜日)、2月12日(火曜日)・13日(水曜日)
入館料 大人100円 小・中学生50円(未就学児は無料)
*望月あきらさんと仲間による「あの頃の吉原」や「松永家・三条家ゆかりの短冊」、「大名の香炉」などの特別展示も併設します。

20世紀の歴史を未来へ
市立博物館指導主事  内田 昌宏
- 写真あり -
 市民の皆さんが参加する展示を目的に「東海道の町なみ」展を企画したところ、多くの皆さんが写真や資料の提供・作成に協力してくれました。
 ビデオなどとは違って、写真一枚が持つ情報量は限りがあります。でも、動かない写真の奥にある情景は、忘れていたものを思い出させてくれ、それがまた新鮮な発見にもなります。
 これから続いていく時の流れの中で、今もまた新たな歴史の1ページとなります。ぜひ来館いただき、皆さんの記憶の中の歴史を発掘し、古い時代の風景と対話しながら新たな時代へとつなげていっていただきたいですね。

問い合せ 市立博物館 電話 21-3380
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