機織(はたお)り機
機織りといったら、「ツルの恩返し」の昔話を思い出す人も多いと思います。
機織り機は、縦糸を渡し、それに横糸を通して織物をつくる機械のことで幅80センチ、長さは150センチあります。
江尾の、鈴木初江さんのお宅から、機織り機を寄贈していただきました。
ご主人将司さんのおばあさんが、「ジュウニオサ」と呼んでいたもので、100年くらい前、建具屋さんにつくってもらったものだそうです。
「織るだけじゃあ、あまんじゃくでもできる」と、初江さんは笑います。織るのは、簡単だという意味だそうで、40年前までは、この機織り機を使って初江さんも反物を織っていました。「一反織るのに、大体2日から3日。ヘダイで丈(たけ)をこしらえて、オサへ通して、この方が手間取ったねえ。木綿の糸は売りに来たから、黒と白の糸だけで、2本筋や3本筋のしま模様を織ってね。子じゅうとが農家へ嫁いだから、これで、野良着をこしらえて持たしてやったさ。子供が生まれてからは、忙しくて織ってないね」
この機織り機には、小さなくぼみがあります。昔、夜なべ仕事でろうそくを立てておばあさんが織っていたころ、ろうそくの炎で焼いてしまった跡だということです。
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( 写真説明 ) 鈴木初江さん(江尾)