メニエール氏病という病気を知っていますか?メニエールという人が報告してからこの名前がついています。これは、耳の奥の脳に近いところにある内耳の変化によって起こる病気です。内耳は、音や言葉を脳に伝える働きとは別に、体のバランスを保つ(よろけずに歩けたり、目を閉じて立っていられる)大事な役目があります。ではここに、どんな変化が起こるのでしょうか?どうも耳の中のリンパ液が多くなった状態と考えられています。このような変化を起こす年齢は30〜50歳、男性でも女性でも働き盛りの責任の重くなる年代で、いろいろなストレスが引き金になるようです。この病気は、遊園地にある回転する乗り物に乗ったときのような、周りがぐるぐる回る目まいや吐き気、耳鳴り、難聴などが主な症状です。耳の病気で脳に異状(脳出血、脳腫瘍など)を伴っていなければ、手足のしびれ、言葉がしゃべれない、物が2つに見える、激しい頭痛、意識がなくなるなどということはありません。これが大事なことです。つまり生命にかかわることはないということです。
しかし、現代は車を運転する機会が多いので、運転中にめまいが起きたら困ります。規則正しい生活、睡眠を十分とり、ストレスとうまくつき合ってください。メニエール氏病だけでなく、めまいを起こす病気になったら、本人も周囲の方々もあわてずに、まず安静にして医師の診察を受けましょう。 〈富士市医師会〉