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【広報ふじ平成元年】今でもごみは文化のバロメーター?

 生活の基本となる衣食住はもちろん、多様化する趣味やレジャーなど、人が活動するところ必ずごみが出てきます。
 ごみ処理にかかる経費は、第一清掃工事の電気を賄う発電、温水プール等への熱源供給など有効利用はあるものの、99%はごみとともに消えてしまい、ごみは少なければ少ないほどよいといえます。
 今回は、ふえ続けるごみについてお知らせします。


ごみの総量グーンと増加

 市内のごみの総量は、昭和53年度から63年度までの11年間で、42%増加しました。中でも最近の3年間は、特に高い延び率を示し(図1)、このままでは、ごみ処理経費もどんどんふえてしまいます。
 市は昨年度、7万4,960トンのごみを13億9,000万円の経費で処理しました。これを市民一人当たりに換算すると340キログラム、6,270円になります。
 ごみ量が急にふえた原因としては、さまざまな使い捨て用品の普及や経済活動の活発化などが考えられ、可燃ごみの増加が特に目立ちます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) (図1) ごみの総量の変化


可燃ごみが増加の主役

 ごみの総量の約85%が可燃ごみです。
 昭和61年9月から第一清掃工場の新焼却炉が稼動を始めましたが、このころから可燃ごみの増加が始まり(図2)、このままふえ続けると予定より早く焼却能力の限界に達してしまいます。
 対応策として、炉の焼却能力を高めるなど工夫をしていますが、いずれにしてもごみの量の増加を抑えることが、焼却炉の寿命を延ばす最も効果的な対応といえます。
 工場では、2か月に1回ごみ質の分析をしていますが、その割合は台所のごみが約40%と最も多く、次いで紙・布で、水分の平均は約50%、つまり半分は水です。
 ごみの減量のポイントは、この辺にありそうです。


アルミが溶けて炉を壊す

 ごみ質の分析をすると、缶、金属、陶磁器などの不燃物が2〜5%必ず混入しています。
 焼却炉内の温度は摂氏90度あり、660度で溶けるアルミニウムは炉の底に垂れ、塊になります。炉は、2か月に1度運転を停止し点検しますが、毎回50キログラムぐらいのアルミニウムの塊を除去します。今のところ事なきを得ていますが、多量に混入した場合には、燃焼・冷却の役割りをする空気取り入れ口をふさぎ、炉が壊れる可能性があります。
 ちなみに、アルミニウム製のビール缶1個の重さは20グラムあり、2,500個混入すれば50キログラムになります。富士市の世帯数は約6,400ですから、一世帯あたり月にわずか0.4グラムのアルミニウムを混入しただけで、2か月に50キログラムになるわけです。
 まさに 「ちりも積れば山となる」ということです。


石油化学製品は可燃ごみ 

 分別収集で、埋立てごみに区分されていたビニール、プラスチック類などの石油化学製品を、昨年の4月から可燃物として収集しています。これは、水切りが悪く燃えにくいごみにまぜて燃やすと、安定して燃えることが繰り返しの実験でわかったからです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) (図2)可燃ごみの量の変化
- 写真あり -
( 写真説明 ) 第一清掃工場
( 写真説明 ) 炉の底にたまったアルミニウム


台所の生ごみは畑の肥料に
田中巳智江さん(松岡)
- 写真あり -

 6年ほど前、婦人会のあっせんで、底のないふたつきのポリバケツを買いました。それ以来、畑の隅に掘った穴にポリバケツを埋め、台所の生ごみはその中で腐らせ肥料にしています。
 少し深い穴を掘れば、3人家族で1か月はもちます。
 処理にお金のかかるごみを、少しでも減らすためにも、畑を持っている人にはぜひお勧めしたいですね。


水を切ってごみの減量
石川きみ子さん(依田原)
- 写真あり -

 古いストッキングを4つに切り片方を縛って、生ごみの水切りに使っています。
 以前は紙製の市販品を使っていましたが、ストッキングがよいとの話を聞き実際に試したところ、米ぬかがとれるほど目が細かく、しかも強いので、ぎゅうぎゅう絞っても破れません。
 流しの隅に置くくず入れにもかぶせて使えると思いますので、ぜひお試しください。


埋立てごみは減少中

 大型の楽器や家具、金属部分が8割以下の家電製品、瀬戸物、刃物などが埋立てごみの仲間です。
 その量は、昭和61年度に5,500トンありましたが、62年度から実験的に石油化学製品を焼却し、翌年度から可燃ごみとしたため約5分の1に減少しました。
 その結果、埋立地が長期間使用できるという利点が生まれました。


資源ごみ打売上高が1億4,000万円に

 皆さんの御協力を得て昭和56年から始めた瓶・缶などの資源ごみの回収も、今年で9年目を迎えていますが、売上高が総額で1億4,000円を超えました。(図3、金額の合計)
 売却代金は、年2回町内に還元されますが、瓶、缶類は出したコンテナ数、また金属類は世帯数で金額を計算します。
 回収量は年々延びていますが、瓶、缶、金属ともに売却単価が低下しているため、売上高も低下してきています。しかし低下したといっても63年度は、1,400万円ありました。(図3)
 単価が下がった原因は、円高や異物の混入による単価の値引きなどによるものです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) (図3) 資源ごみの量と代金の変化


不法投棄はしないでね

 一般家庭のごみは引っ越しごみでも、第一清掃工場で無料処理、また建築廃材などの産業廃棄物は、富士産業廃棄物処理事業協同組合で有料で処理してもらえます。
 市は、市民からの通報などにより、月1・2回の不法投棄パトロールを実施していますが、昨年度は山間部や河川、海岸などで86件の不法投棄を発見しました。内18件は投棄者が判明し、自分で徹去してもらいましたが、ほかは業者委託で処理しました。その経費は27トンで127万円、1トン当り4万7,000円もかかりました。


ごみの中からリサイクル

 ごみとして出される家電製品、自転車などの耐久消費財の中には、修理すればまだまだ使えるものがまじっています。
 第一清掃工場の職員は、修理可能な品物を再生しています。再生したリサイクル品は、心身障害者小規模授産施設「ふれあいバンク」に提供していますが、これまでに8回のリサイクル展を開催し、約1,000点が皆さんのもとに帰りました。


 ごみが多いほど文化的な生活という意味で「ごみは文化のバロメーター」という言葉が使われていましたが、これからは、ごみが少ないほど文化的な生活をしているという意味で使いたいものですね。
 ごみについての問い合わせは環境衛生課へ  内線 2431

- 写真あり -
( 写真説明 ) 桑崎松ガ尾の埋立地
( 写真説明 ) 不法投棄の現場
( 写真説明 ) 電気技師もいます
( 写真説明 ) 自転車は2・3台で1台の再生
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