女性にとって、妊娠、分娩という人生の中で最も大切な成熟期が終りに近づくと、卵巣の働きを中心にホルモン分泌の活動は次第に減少してきます。いままで毎月、月経があり、性周期が規則正しく行われていたものが、排卵が止まり、月経は極めて不規則となり、やがて閉経といって月経は止まり老年期に入ります。
この成熟期から老年期へと移行する時期を更年期といい、年齢的には個人差はありますが、大体45歳から55歳くらいが最も多いようです。この時期になりますと、主に自律神経系の失調によると考えられる肉体的、精神的ないろいろな障害がでてきます。これを更年期障害といいます。この症状は人によって差はありますが、ほとんどの女性に見られます。更年期障害の症状は、実にいろいろありますが、これらを性器外の症状と、性器自体の症状の2つに分けることができます。性器外の症状としては、のぼせ、頭痛、めまい、耳鳴り、精神不安定など。性器自体としては、月経の異常、不正出血、膣炎、そして性器の萎縮などがあります。性器以外の症状は放置しておいてもさしつかえありませんが、中には悪性の病気で、更年期障害に似た症状を示す場合もあります。
更年期は数年にわたることですので、少しでも、快適な日常生活が過ごせるよう、病状を自覚した場合は、産婦人科医で受診しましょう。 〈富士市医師会〉
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