【広報ふじ昭和61年】「グリーンふじ21」計画決まる
21世紀を生きる市民のために 自然とみどりを!
人間の生活に欠くことのできない自然やみどりを中心にしたまちづくりの長期計画、「グリーンふじ21」計画ができました。
この計画は、第3次富士市総合計画「ふじ21世紀プラン」とあわせ、具体的な施策の設定については、昭和70年を目標にしていますが、自然保護や緑化推進を中心にした新しい環境創造を総合的な視点で考えるものであるため、21世紀をめざして策定しました。
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計画のねらいと位置づけ
グリーンふじ21計画は、
1、自然環境の保全
2、都市環境の整備と緑化推進
3、自然保護、緑化意識の啓発と市民参加。
を大きな3つの柱にしています。
計画の設定に当たって、自然環境の保全については、富士・愛鷹山麓の良好な自然環境の保全を核とし、富士市域自然調査研究会等専門の調査機関の調査結果や提言をもとにしながら、今ある富士市域全体の自然に目を向け、適正な保護、保全策を講じ、あわせて自然景観にも配慮し、自然の利活用を図っていきます。
都市環境の整備と緑化推進については、富士市の潜在自然植生調査に基づき、富士市本来の樹種を都市緑化の基本として、緑の機能を十分に組み込んだ都市環境の整備を考え、都市の美観にも配慮しながら緑のまちづくりをめざします。
そして、これらの計画の具現化に当たって、個性ある地域環境をつくり出す地域緑化や美化活動の担い手としての市民のみなさんの参加(市民運動)のあり方を明らかにし、企業の参加についてもお願いしていくことにしています。
自然環境の保全
富士・愛鷹山麓、富士川、須津川渓谷そして浮島ヶ原などの自然環境は市民生活を守り、経済基盤としての役割を果たすだけでなく、それぞれの自然が富士市の貴重な文化的な遺産でもあるといえます。
そこで「自然と人間との共存」を基本におき、“守る”“つくる”“活用する”という3つの視点から自然環境を保全していきます。
◆守る自然
富士・愛鷹山麓地域は、自然植生が少なく、標高650メートルから1,500メートルに点在するブナ林や平野部に断片的に残る照葉樹林はその価値を再認識し、適正に保全していかなければなりません。
また、須津川上流に生息するハコネサンショウウオの保護や、浮島ヶ原の湿原植生の保全、さらに、なつかしい里山の原風景であり四季を演出してくれる二次林(クヌギ、コナラ林)の保全も積極的に進めます。
◆つくる自然
富士市の森林全体の80パーセントがヒノキの植林で、人間と森林の経済的なかかわりが強いものですが、この広大な人工林を単なる材木の生産の場であるという見地からだけでなく、その公益機能や美しい景観を市民共有の貴重な財産であるという見地から守り育てていくとともに、自然植生の復元、学校教育林の拡充を図っていきます。
◆活用する自然
自然と接し、その中で楽しみながら自然の生態系や意義を認識し、愛護精神や正しい自然観を醸成するため、それぞれの自然の特徴を生かした野外レクリエーションの場として整備し、活用を図っていきます。
そこで、丸火自然公園については、自然教育、レクリエーションセンターとしての機能を十分に果たすため、公園面積の拡大、丸火自然館の整備充実、自然観察指導員の配置などを図っていきます。
また、富士川河口については、県下有数の水鳥の飛来地であるので、野鳥を中心とする自然観察コースを整備するとともに、特別鳥獣保護区の指定について関係機関へ働きかけていきます。
さらに、須津川渓谷についても自然観察コースやハイキングコースを整備し、四季を通じて美しい溪流の自然に親しめる場所として活用を図っていきます。
都市環境の整備と緑化推進
快適で潤いのある市民生活を営める都市づくりをめざし、みどり、公園、河川、海浜を含めた総合的な都市環境の竪備を行います。
◆都市緑化
都市のみどりは健全で快適な市民生活の基本的な要素であり、魅力ある都市景観の創出に欠くことのできないものです。富士市の場合、市街地のみどりは量、質ともに、まだまだ十分とはいえません。そこで、次のような施策によりまちの中の“みどり”の量と質の充実を図ります。
・街路の緑化
街路樹(高木)は自然生長仕立てを基本に、伸び伸びと育て、道路の緑のボリュームアップを図ります。
・地域の緑化
地域空間を舞台に、地域ぐるみの緑化活動を進めます。
・家庭の緑化
生け垣づくりの普及促進をはじめ、生活の中へ緑を取り込むための啓発活動を行います。
・工場・事業所の緑化
緑化協定などの制度化を図り緑に包まれた工場づくりを推進します。
・公共施設の緑化
学校をはじめ緑あふれる公共施設づくりを進めます。
・緑化植物園の整備
緑のまちづくりのシンボルとして、また都市緑化推進の拠点として、多くの市民から親しまれる緑と花のあふれる植物園を整備します。
◆公園・緑地
都市の中の「みどりのオアシス」として大切な役割を果たす公園・緑地について、計画的な配置、文化性の高い公園づくり、みどり豊かな公園づくり、生きがい確保のための公園づくりを基本としながら市民に愛される公園づくりを進めます。
現在、整備中の中央公園、岩本山公園、富士総合運動公園、大渕公園、広見公園等の整備を図るとともに、緑地、緑道の整備、公開緑地事業の推進により、市民一人当たりの公園面積を現在の4.2平方メートルから昭和70年度末には5.8平方メートルにすることを目標にしています。
◆河川環境の整備
本来の河川機能の充実とあわせ、市民が水辺に親しめるよう河畔沿いの緑化を行い、潤いのある河川環境を創出します。また、河川とその周辺を美しく保つため、地域住民と行政の連携のもとに河川美化運動を推進していきます。
◆海浜環境の整備保全
富士川河口から沼津市まで、田子の浦港を中心に延長9キロの海岸線がゆるやかな弧をえがいています。そこで、海浜環境の保全については、海の玄関である田子の浦港を中心に、ポートサイド・パークの整備や緑化の推進を図り、市民のレクリエーションの場として整備を進めるとともに、地域の人たちの参加を得ながら保安林の保護、育成、浜辺の環境美化を推進していきます。
自然保護・緑化意識の高揚と市民参加
「グリーンふ21」計画に盛られた自然環境の保全、緑化の各事業を効果的に進めていくためには、市民の理解と協力が前提となり、自然保護や緑化意識の高揚、そして市民参加が必要です。
そこで、自然保護思想の啓もうを図るため、次のような事業を行います。
・丸火自然館を自然教育や研修の拠点として活用。
・視聴覚機材を活用し学校教育や社会教育での啓発活動。
・自然観察会、探鳥会の実施。
・森林のモニタリング
緑化意識の啓発としては
・緑化植物園を拠点とする緑と花の普及活動
・視聴覚機材による啓発
・行政と市民を結ぶ“みどりのたより”の発行
・ふるさとの森タイムカプセル事業
などを行っていきます。
さらに、市民参加のあり方としては、地域緑化、環境美化、公園や街路樹、そして河川など可能な範囲での自主管理を含めた総合的な市民運動の展開を図るとともに自然保護団体を育成していきます。
また、“みどりあふれる文化と産業のまち”をめざす都市像とする本市にとって、これからの新しいまちづくりを進めていくためには企業の参加と協力が不可欠であり、行政と企業の連携をより密度の濃いものにして、快適で潤いのあるまちづくりを進めていきます。
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添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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