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【広報ふじ昭和59年】第1回富士市青少年の船 洋上研修と三宅島を見学

研修生代表と市長が体験学習などを

 「第1回 富土市青少年の船」は、渡辺市長を学長とする71名の研修生を乗せ、7月22日から2泊3日の洋上研修を行いました。
 研修生は、船上での集団生活や観測実習、目的地三宅島での火山活動の見学等、貴重な体験をし、ひと回り大きくなって帰ってきたように思われます。
 8月28日、参加者の中から8名の研修生に出席していただき、市長を囲んで体験談等を語っていただきました。


座談会の出席者名

学長 渡辺市長
研修生
和田直記さん(19歳)上横割 静岡学園大学予備校
渡辺哲史(たかふみ)さん(26歳)今宮 農業
藤原洋一さん(24歳)吉原1 ジャトコ
後長(あとなが)友義さん(17歳)厚原 富士高3年
明石妙子さん(27歳)広見 吉原給食
南條利香さん(17歳)富士中島 吉原高3年
浅井祥(さち)子さん(17歳)中央町 富士東高3年
植田晴子さん(24歳)松岡 日新火災海上保険
青少年課 主事 秋山貴英(よしひで)さん
司会 台(うてな)広報広聴課長

- 写真あり -
( 写真説明 ) 左から植田、和田、南條、後長、浅井さん、渡辺市長、渡辺、藤原、明石、秋山さん、広報広聴課長

夢とロマンを乗せて

司会
 皆さん、お疲れのところご苦労さまです。まず、青少年の船に応募した動機からお聞きしたいと思います。

和田
 私は現在、予備校に通っております。浪人という立場なので、皆さんとはちょっと違うかもしれません。毎日毎日が必然的に勉強に追われているわけです。そんな中で、募集要項を見たときに、他の人には経験できないものをこの船で体験しようと思いました。

植田
 テーマにひかれました。青い海と空、それにエメラルドの海にあこがれてです。

渡辺
 青年団に所属しているため、日ごろ市の関係の人達とは接触があるんですが、この船で
市長さんや教育長さんとじかに接して話ができることを期待していました。それと、この機会にぜひお嫁さんを見つけたかった…。(笑い)

司会
 エメラルドの海という表現が出てきましたが、市長さんはどうでしたか。

市長
 大海原に自分がいるんだ!ということで非常に精神的に休まりました。
 洋々たる海の中で、空想的といおうか−そのような幻覚の中で自分として考えるものがありました。
 それと、洋上から見る富士山の高さに驚きました。ここから見る富士山の倍くらいあるのでは……。

浅井
 私も海にあこがれていたのです。
 それと机の上で学ぶよりも、実際に体で何かを体験したかったからです。

明石
 応募要領によると対象者が高校生から27歳までなんですね。私の場合はちょうど27歳なので、年齢制限がギリギリでした。

藤原
 私としては、何でも見て体験してやろうという気持ちでした。



船酔いの人も…

司会
 洋上での生活というと、何か、こうロマンが駆り立てられるという気もするんですが…。船内で楽しかったことまた、印象に残っていることはどんなことですか。

後長
 船内が狭くて息苦しい感じでしたが、船上では大きな気持ちになれました。
 トビウオが飛ぶのを見てすばらしいと思いました。

南條
 船内での生活はその範囲が限られているので、大勢の人と接触できたことがよかったと思います。
 生まれて初めて田子の浦港を外から見ました。

渡辺
 研修生のまとめ役という大役を任命されたわけですが、船上生活の中でのリーダーとして班長を点呼したことが一番の思い出となりました。

司会
 船酔いはどうでしたか。

明石
 もう少し船が揺れた方がよかったのでは…。お天気がよすぎて海が荒れなかったので、チョッピリ残念な気持ちもあります。1日目の夜釣りがとても楽しかったです。

市長
 観測実習はどうでしたか。特に汚泥を採るところなんかは……。

藤原
 自分が知っていることについては興味を持ちますね。

明石
 ただ残念なのは、実際に自分の手で実験をしてみたかったです。

浅井
 2日目の晩にみんなと話し合う場ができたのですが、社会人の方の話を聞いていると、学生である自分の考えの甘さに気づいたような気がします。

藤原
 自分の班では、社会人のうち僕以外の4人はすべて青年団活動をやっている人たちなんです。考え方なんかとても参考になりました。

和田
 話し合いをしている時に、中心となるのは青年団活動をしている人たちでした。もし、彼らがいなかったなら友好は深まらなかったのではないですか。
 青年団員のバイタリティーが参考になりました。

藤原
 私もそう思います。

植田
 団体活動をやっている人って、若い割にはとてもしっかりした考えを持っていますね。

噴火のすごさを見てビックリ

司会
 皆さんは、噴火後の三宅島へ上陸したわけですが、その印象はどうでしたか。

後藤
 溶岩の状況を見て本当にすごいと思いました。自然の力の大きさに驚きました。
 話しは違うんですが、私たちがリュックを背負って歩いているときに、泳いでいる人たちが見えたので、うらやましいなあー、なんて思ったりして……。

市長
 三宅島ではみんな泳ごうと思っていたんじゃないの。反省会なんかにも出ていましたね。しかし、安全ということを考えると…。

秋山
 そうなんですよ。水泳については企画の段階で、研修生の把握が無理なため実行しなかったんです。しかし、噴火後の遊歩道は予定外でしたが、思ったより勉強になったと思うんです。

明石
 阿古中学校の校長先生の話が大変参考になりました。先生が「私の家はあの溶岩の中に埋まってしまったけれど、ここを離れる気持ちはない。」といわれたときには、何か胸がジーンとしました。

市長
 校長先生に、本当に親切に説明してくれましたね。

和田
 噴火のすごさを目のあたりに見て驚きました。21世紀に入ろうとする現代科学の力でも防ぐことができないんですね。

市長
 そうです。いくら科学が発達しても自然の力を押さえることはできない。やはり、人間は自然と調和していかなければならないんですね。

藤原
 僕が感じたのはちょっと違うんです。人間は、自然の力にはかなわないけれど、災害後はそれに立ち向っていくというバイタリティーを持っている、ということを感じました。

市長
 噴火で三宅島の人達が避難するとき、全員が船に乗るまで待っていたと聞きます。島の人達の連帯感には感心しました。もし、これが私たちの場合だったらどうだろうかと考えると…。



県下初の試みとして

司会
 この青少年の船に参加して得たものを、今後どのようにして生かしていきたいと思いますか。

藤原
 この船は、仲間づくりと次代を担うリーダーの育成というものがテーマとなっていました。リーダーというのはやさしさや、きびしさだけでなく、いろいろと人のことを考えてやれる人でなければ、と思います。自分としては、“いざ”という時に頼れる兄貴分のようになりたいです。

渡辺
 青年団の中堅クラスの人たちがこの船に参加しましたが、それはごく一部の人にすぎません。それは、私たちの行動のほんの一部を出したにすぎません。
 大人たちは、21世紀を担うのは青少年だとよくいいますが、実際の問題としてどれだけ真剣に考えてくれるだろうか、と思います。

市長
 現在は、いろいろな青少年団体ができています。その中には、非常に積極的にまちづくりを考えてくれている団体もあります。それらの多くの団体となるべく話し合う機会をつくっていくつもりです。そして、この課題は青年団にやってもらいたい、というものを提供したいと思います。

秋山
 今回の船で、高校生と青年が一緒に乗ったというのは県内でも初めてなんです。その点、高校生の後長君なんかはどうですか。

後長
 社会人の方たちと一緒に生活できたということが勉強になりました。
 僕はジュニアリーダーをやっているわけですが、今まではFLCという市全体の組織があったけれど、今は各ブロックに分かれてしまっています。他地区の仲間との交流もほしいです。市としてもそのことを考えてほしいと思います。

南條
 私と明石さんとは年齢がだいぶ違うわけです。(笑い)学生の私と比べるとやはりしっかりした考えを持っておりその点が大変参考になりました。

浅井
 船から降りたあとも友達から手紙が来たり、電話で話をして交流を続けています。うちの学校の文化祭にも、ぜひ来てほしいと思います。

企画にぜひ青年の意見を

司会
 来年も実施するようですが、参考となるご意見をお聞かせください。

渡辺
 今回の場合は初めてということもありましたが、プログラム等においても一方的なものという感じを持ちました。
 次回は、企画する段階でぜひ青年の考えを取り入れたものとしていただきたいです。

藤原
 スケジュールの中で、行事がビッシリ詰まっていたため、多少だれてしまったという感じがしました。

秋山
 はい、よくわかりました。

市長
 今回の場合は、2泊3日ということでしたが、その点は…。

明石
 私のような社会人の場合は、この位でよいと思います。

植田
 乗船中、停泊時間が長いように思われました。目的地をもっと遠くにしてもよいのでは。

和田
 八丈島あたりでもよかったかもしれませんが、噴火のあった三宅島を見ることができて、大変勉強になりました。

市長
 来年の船にはみなさんからも参加するよう、ぜひすすめていただきたいですね。

藤原
 はい。私の妹や友達にも参加するように話します。

渡辺
 この青少年の船が、最終的に何を求めていくのか、主催者側としてその目的をしっかりつかんでおく必要があると思います。

司会
 いろいろ貴重なご意見をありがとうございました。まだ話は尽きないようですが、そろそろ時間となりましたので終わらせていただきます。
 きょうは、本当にご苦労様でした。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 若者のバイタリティを感じた…と渡辺市長
( 写真説明 ) 青年団のほんの一部をみせたにすぎません…と渡辺さん
( 写真説明 ) エメラルドの海を見たくて…と植田さん
( 写真説明 ) 始めて、田子の浦港を外から見ました…と南條さん
( 写真説明 ) 三宅島では泳げるんじゃないかと期待してました…と藤原さん
( 写真説明 ) お姉さん的立場の明石さん
( 写真説明 ) 運営の裏話を披露する秋山さん
( 写真説明 ) 子供会ジュニアリーダーの後長さん
( 写真説明 ) 社会人の方の話がとても参考になりました…と浅井さん
( 写真説明 ) 三宅島の印象を語る和田さん
( 写真説明 ) 船上での生活は…と広報広聴課長
( 写真説明 ) 三宅島へ向け田子の浦港を後に
( 写真説明 ) 1日の始まりは朝日を受けて甲板でのラジオ体操から
( 写真説明 ) 昨年の噴火でまちはこの溶岩の下に
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