梅雨が明け、ひときわ緑の濃くなった森の奥で、夜ともなればトラツグミやヨタカが鳴く。トラツグミの何ともいえない金属性の声は東富士では連合赤軍に間違われるさわぎもあったとか。ある年ヨタカの営巣地をみつけた。石ころだらけの斜面に卵が2個、やがて灰色の毛糸のかたまりのようなヒナがかえった。ある朝2羽のヨタカが異様にさわぐので近づいてみると大きなマムシがトグロをまきヒナの姿はどこにもない。梅雨が明けても森はときどき深い霧につつまれる。ノリウツギ、ヒメシャラ、リョウブ、などこの時期の木の花はなぜか白い。リョウグは律令の頃、農民に命じてつくらせその若葉を米麦等に混ぜて食べたとのこと。この木で焼いた炭は固く、トタンを切口でこすると傷がつく。(丸火自然館 橘田権治さん)
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( 写真説明 ) トラツグミ