最近、市内で、子どもの飛び出し事故や飲酒運転による事故が、相次いで発生しています。親がちょっと目を離したスキに子どもが事故にあう。“ほんの一杯だけ”と、お酒を飲んでハンドルを握ってしまう。ちょっとした気のゆるみが大きな事故につながり、尊い命さえ奪ってしまいます。
年末は、何かとあわただしく、交通事故を起こしやすくなります。
車を運転する人はもちろんのこと、家族同士でもお互に声をかけあい、交通事故を起こさないように注意しましょう。
■2か月間で5人が死亡
富士警察署では、最近の事故の特徴として、昨年に比べて人身事故が激増している−と話しています。
今年の1月から10月末日までで、市内の交通事故死亡者は、すでに昨年と同じ19人にものぼっています。
この中で、特に目立つのは、子どもの飛び出しと酒気滞び運転による死亡事故です。
9月と10月の2か月間に、次のような死亡事故が発生しています。
△9月1日、午前0時ころ、松岡の国道一号線交差点で、19歳の少年が、酒気帯びとスピードの出しすぎで衝突事故を起こし、同乗の女学生が死亡。
△9月16日、午前10時20分ころ、元町の交差点で、2歳の幼児が飛出し、普通貨物自動車にはねられて死亡。
△9月26日、午後11時55分ころ、久沢の鷹岡検量所附近で、19歳の少年が酒気帯びとスピードの出しすぎで、左カープを曲がりきれず対向車線に出て、対向車と正面衝突。
対向車を運転していた26歳の男性が死亡。
△10月7日、午前8時26分ころ、勢子辻吉原線駿河台で、4歳の幼児が登園途中に、母親の手から離れたとたん、普通乗用車にはねられて死亡。
△10月30日、午後3時24分ころ、松岡の市道で、下校途中の小学生が、20歳の少年の無免許運転によるスピードの出しすぎで、はねられ死亡。
■幼児には身をもって交通ルールを
このように、わずか2か月間に幼児の死亡事故と酒気帯び運転による死亡事故が相次いで発生しています。
事故の原因としては、「母親が目を離したスキに」「ほんの軽い気持で飲んで運転した」などです。
幼児の事故防止について、富士警察署では、次のように話しています。
幼児の事故は、親がちょっと気をぬいたすきに起きています。幼い子どもには、親が身をもって交通ルールを覚えさせることが大切です。
子どもの交通安全教育については、リスさんクラブや学校、幼稚園などでも行っていますが、やはり家庭でも日常の教育が必要です。
子どもに対して、「飛び出しは絶対にしない」ことを教え込んでほしいと思います。それから車を運転する人も、狭い道路では、いつ子どもが飛び出してくるかわかりませんので、そのことを十分に頭へ入れて運転してほしいですと。
■一日平均3.2件の人身事故
次に、右の〈表1〉をご覧ください。これは、昭和50年から55年までに市内で発生した、交通事故による死亡者の推移です。
52年が32人で一番多く、次に50年が28人、53年が23人の順となっています。事故件数と傷者が一番多かったのは51年で、事故件数が1,172件、傷者が1,429人でした。
54年は、死者が17人と一番少なくなっていますが、55年は死者が19人で、事故件数、傷者ともに増加しています。
今年度は、10月末日現在で、人身事故が975件、傷者が1,207人と昨年を大きく上回っています。
これを、1日平均にすると、人身事故が3.2件、傷者が、4.0人になります。
事故発生の時間帯をみると、朝7時から8時までと、夕方5時から6時までの、朝・夕のラッシュ時が圧倒的に多くなっています。
事故の内容をみると、追突事故、出合頭事故、右左折事故の3つの類型で全体の58パーセントを占めています。
■中・高生に多い自転車事故
今年の事故で年代別〈表2〉と状態別の内訳をみると、幼児・園児・小学生は、当然のことながら歩行中の事故が多く、中学生・高校生になると、自転車の事故が急激に増えています。
青壮年は、自動車運転中と同乗中の事故が圧倒的に多くなっていますが、原付車運転中の事故も増えています。
老人になると、歩行中・原付車運転中、自転車乗車中など、いずれも平均しています。
次に、死亡者19人の事故別状態をみると、一番多いのが原付・自動二輪運転者の7人、次に歩行者の5人、自転車運転者の3人となっています。
原付・自動二輪車と自転車で、死亡者の約半数以上を占めているので、十分な注意が必要です。
さらに、今年の事故を道路別の構成率でみると、市道が58パーセント、国道1号線と県道がそれぞれ13パーセントの割合で発生しています。