【広報ふじ昭和55年】ここちよい環境よみがえる汚水
拡がる公共下水道計画
市は、快適で住みよい生活環境をつくるために、いろいろな事業をすすめています。
その中の1つに公共下水道事業があります。
公共下水道は、都市施設の中ではあまり目立たない施設です。しかし、これからの都市生活を支えていく上で、これほど大切な施設もありません。
事業の完成には長い年月と巨額な資金が必要ですが、市は着々と整備をすすめています。
汚れた水をきれいに
炊事、洗面、洗たく、フロ、トイレ−毎日の生活に1日たりとも欠かせない水。
私たちは毎日、いろいろな用途に水を使いますが、その使った水の後始末をするのが下水道です。
下水道は、各家庭から出る汚水を集めて処理し、きれいな水にして河川にもどします。
では、下水道が整備されると、具体的にどのように変わるのでしょう。
その役割は……
1.家庭などから出る汚水を衛生的に処理するため、カやハエ、悪臭の発生を防ぎます。
2.悪臭の出る、くみ取り便所から開放されて、浄化槽のいらない衛生的な水洗便所が使えます。
3.汚水が、直接河川に流れこむことがなくなりますから、河川などの水質汚濁を防ぎ、きれいな川や海になります。
4.大雨による雨水をすみやかに排除し、家屋の浸水を防ぎます。
市内の普及率は13パーセント
下水道の施設は大きく分けると、下水道管・ポンプ場・処理場の3つに分けられます。
下水道管は、生活汚水や雨水を集めて処理場に送る役目をします。
ポンプ場は、下水管で送られてくる汚水や雨水を途中でくみあげて処理場に送ります。
処理場は、下水管で送られてきた汚水をきれいにして河川に戻します。
現在、市内には吉原下水処理場と富士見台下水処理場、それに西部浄化センターの3つの処理場があります。これらの施設を利用しているのは、8,300世帯、28,000人で、市全体の13パーセントにあたります。
したがって、富土市の下水道普及率は、13パーセントということになります。
参考までに、県、国、の下水道普及率をみると、県が13パーセント、国が27パーセントです。
西部浄化センターが完成
次に各処理区の現状をみると、
吉原処理区は、昭和40年に処理を開始、現在、吉原市街地を中心に5,300世帯、18,000人が使用し、吉原処理場の処理能力はほぼ限界に近い状態です。
富士見台処理区は、昭和49年に処理を開始、現在、富士見台団地に住む1,600世帯、5,000人が利用しています。
ここの処理場は11,000人の処理能力があります。
富士処理区は、昭和48年公共下水道の認可と同時に、西部浄化センターの建設を始め、54年10月に完成、55年4月から処理を開始しました。
処理能力人口は、49,500人で、旧富士市街地を中心に、それ以南の地区が対象となります。
現在利用人口は、5,000人ですが、下水管の布設など、整備が急ピッチで進められています。
市は、昭和56年から60年までを第5次下水道整備5か年計画として、昭和60年までに、下水道普及率50パーセントを目標にしています。
特に、今後は整備の遅れている東部地区を対象に、東部処理区を検討中です。
このように下水道事業は、快適で住みよい生活環境をつくる上にもすすめなければならない事業です。
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( 写真説明 ) 富士見台下水処理場
( 写真説明 ) 吉原下水処理場
●環境がよくなった
岩間和美さん(28歳)主婦 市内横割6丁目
- 写真あり -
今年の3月から公共下水道を使っています。それまでは、家庭排水など河川に流していましたが‥…。
公共下水道にしてからは、家のまわりの環境が大変よくなりました。
ただし、切替える時の工事費が少し高いような気がしました。市役所で価格の調整ができないでしょうか
●カやハエがいない
高橋清治さん(43歳)富士見台2丁目
- 写真あり -
5年前から富士見台団地に住んでいますが、環境は最高ですね。
特に、カやハエがいないのには驚きました。
以前、住んでいた所には公共下水道設備がなかったので、家庭排水にも気を使っていました。最近では、汚れた河川を見ると気になります。
雨水を排除する都市下水路
都市下水路は、主に市街地の雨水を排除するための下水道施設です。
しかし、汚水の処理を目的とする公共下水道とは異なり、終末処理場がありません。
日本は外国に比べ降雨量が多く、しかも梅雨と台風の時期に集中しています。そのため市街地の雨水をすみやかに排除しなければなりません。
多量の雨水を排除し、浸水を防止するためには、都市下水路の整備が必要となります。市内では昭和54年度に高島下水路が完成、55年度に元吉原下水路が完成します。
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( 写真説明 ) 高島下水路
水洗便所の改造に資金を融資
整備された下水道施設も、各家庭で水洗便所や汚水を流す設備をつくってこそ生きてきます。
そこで、下水道が使用できるようになった区域では、各家庭でなるべく早く、下水を公共下水道へみちびく排水設備をつくっていただかなければなりません。
そこで市は、水洗便所に改造するための資金融資を次のとおり行っています。
水洗便所改造資金融資あっ旋制度。
・貸付限度額 1戸につき20万円
・償還期間 24か月以内
・利息 無利子
・申込先 市下水道課
添付ファイル
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