【広報ふじ昭和51年】目標を達成した“富士503計画”
二酸化硫黄環境濃度を年平均値0.003PPM以下に…
大気中における二酸化硫黄環境濃度を、昭和50年度には、年平均値0.03PPM以下にしようと進めてさた富士503計画の結果が、このほど、環境部公害課でまとまりました。それによると、市内9か所の測定局の測定結果から目標値が完全に達成されたことがわかりました。
規制の強化や行政指導で徐々に成果
市内の二酸化硫黄環境濃度は、昭和45年度から46年度を境にほぼ横ばい、あるいは、次第に減少傾向を示し、昭和50年度には目標値である年平均値0.03PPM以下を完全に達成しました。これは、法による規制の強化と行政指導による良質燃料への切り替え等の低硫黄化対策、排煙脱硫等発生源の防止施設整備等が徐々に成果をあげてきているものと思われます。しかしながら、一方においては、長かった戦後最大の不況下にあって燃焼施設の稼動率が落ちていたことや、今泉〜比奈を結ぶ地区のような発生源混在地区で、しかも風向きによって煙源の影響を受けやすい地区では、0.1PPM以上の高濃度が季節的に現われることは、今後の課題として考慮する必要があります。
◇市内公害被害者実認定者数(昭和51年9月末現在)
・公害健康被害補償法 男360人、女308人 計668人
・市公害健康被害補償条例 男129人、女104人 計233人
季節によってもかわる大気濃度
それでは、測定局による測定結果から季節的な傾向を見てみましょう
・勤労青少年会館と大淵中学校では、夏季に高くなる傾向を示しています。
・元吉原中学校では、海岸部に位置するため南西風が最も多く吹く7月〜8月ころには大淵中学校程度の濃度にさがります。
・今泉小学校、伝法公民館は、周囲に寄与煙源が分布しているため、年間を通して季節的変化はあまり見られません。
・一般に市内の北部にある測定局では、その背後に寄与煙源がないため冬になると濃度がかなり低くなるが、吉原第三中学校についてはその濃度が0.019PPM〜0.022PPMと他の測定局に比べて高くなります。これは冬に吹く北西風が海岸線で海からの風に突き上げられ、愛鷹山にははばまれて旋回し、汚染物質がその風に乗ってくる影響と思われます。
昭和50年度中の燃料使用量とSO2量
C重油 1.015.510トン
A・B重油 43.920トン
白灯油 75.628トン
ガス 31.361トン
石炭 8.645トン
黒液 786.903トン
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SO2(二酸化硫黄)11.119トン
鷹岡公民館など3測定局が日平均値0.04PPM以下を達成
次に、二酸化硫黄の環境基準の適否状況について見ますと、日平均値が0.04PPM以下を達成した測定局は鷹岡公民館と大淵中学校、伝法公民館の3測定局ですが、全般的に見ても過去の減少傾向に比べ、各測定局とも著しい改善の結果があらわれています。特に地形条件等から問題視される今泉小学校と吉原第三中学校でも0.04PPMをこえた日数が昭和49年度にはそれぞれ173日、89日あったものが、昭和50年度には、それぞれ13日、19日と大巾に減っています。
更に綿密な削減計画を推進
以上のように、市内における大気環境の汚染状態も明らかに改善の方向に向っていますが、汚染物質の排出源である工場や事業所の立地条件操業状況また、起伏のある気象条件などから見て二酸化硫黄対策は、更に綿密な削減計画を総合的見地から推し進めるとともに、大気環境の常時監視を一段と強化する必要があるといえましょう。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 昭和50年度二酸化硫黄測定結果
- 写真あり -
( 写真説明 ) 市内9か所に設置されている測定局
( 写真説明 ) 風向きによって濃度がかわる
( 写真説明 ) 大気汚染の測定結果はこの測定装置からテレメーターで市庁舎公害課へ
添付ファイル
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