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【広報ふじ昭和48年】年ごとに増える救急業務

 ピポー ピポー。1年365日、救急車の出動しない日はありません。昨年の出動回数は1,818回にのぼり、1日に平均5回出動したことになります。しかし、出動回数は年ごとに増えていますが、交通事情の悪化、不必要な出動要請などの問題がおきています。昨年1年間の出動状況、救急隊の勤務などをみてみましょう。

昨年は1,818回救急出動

 はい、こちら119番です−「急病人ですがすぐ来てください」。場所はどこですか−「○○町の○○付近です」。病人はどんな状態ですか−「仕事をしていて急に倒れました」。連絡先は−「○○町○○番地、電話は○局の○○番です」。はい了解しました−。
 このような通報があるとただちに救急車は現場にむかい、病人を病院まで運びます。
 現在、救急業務は消防署と富士分署に配置されている2台の救急車で行なっています。昨年1年間の出動件数は1,818回(昭和46年は1,661回)と、前年より157回も増加しました。
 種別では、急病が最も多く698回(620回)、交通事故650回(647回)、一般負傷151回(119回)、労働災害76件(64回)火災65件(61回)などが主なものです。このように、昨年は急病による出動が一番多くありましたが、救急業務をはじめた昭和41年から46年までは、交通事故によるケガ人が急病人を上回っていました。入れ替わった理由は、昨年1年間の交通事故が前年より大幅に減少したこともありますが、夜間など病院がなかなか見つからないための要請、軽い病気やケガなどでタクシー代わりに利用する人が増えたこともあります。このような傾向は、東京都や尼崎市など人口の集中している地域でも現われています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 救急出動回数の推移
東名高速道路に68回出動

 月別の出動件数は8月が最も多く201回10月が178回、12月が175回、3月が160回逆に少ない月は2月の114回、6月の126回でした。8月と2月では約86回の開きがありますが、8月は暑さのため健康管理が十分できず睡眠不足による急病などが多く発生しているためと思われます。
 1週間のうちでは日曜日が330回、月曜日220回、火曜日245回、水曜日214回、木曜日261回、金曜日201回、土曜日260回、祝祭日87回となっています。
 また、東名高速道路の救急活動も多く68回出動しました。富士市の受け持ち区域は、上り線が富士インターから沼津インターまで、下り線が清水インターまでで、1回出動すると、病院へ運んで帰ってくるまでに約1時間30分ほどかかります。東名の救急は、ほとんどが交通事故で、上り線へ32回、下り線へ36回出動しました。

救急活動の24時間

 救急活動の実情をお知らせするため、2月15日、8時30分から24時間、消防署に勤務して救急隊を取材しました。
 救急隊は24時間勤務。1日が8時30分からはじまる。前日の勤務者と交代し、まず第1番の仕事は救急車の点検。人工そせい器は完全に使えるか、応急処置に必要なホウタイなどの補充はないか、常に出動できる準備をととのえる。
 点検も終り待機室に入るとすぐに119番が入る。8時45分。指令室から直接スピーカーを通じて話しの内容が聞こえ、待機室の空気が一瞬ピンとハリつめる。電話をかけてきた人があわてている。事故の様子や場所の確認など応答が続く−指令室から富士分署の救急車に出動命令が出る。指令室は救急車との連絡でいそがしい。事故現場の連絡、病院の手配など……。負傷者を病院へ運ぶ。

 10時47分。急病人発生。場所は田端町のS製紙内。指令室から消防署の救急隊に出動命令。救急車は弥生線を通って現場へ。病人は会社の中を歩いていて急に倒れた。意識ははっきりしている。救急車を静かに走らせる。付き添いの人から指定された病院は、空ベットがないためY病院へ。病院では玄関に移動タンカを出して救急車の到着を待つ。病院へ運び終わるとすぐに消防署へ帰る出動してから約20分。帰署してから使用した毛布などの整理を済ませる。これで、いつ出動命令が出てもいい。
 隊員の1人は、救急車を運転していて一般の自動車が道をあけてくれないのが一番こまる。特に冬は窓を締め切ってあるので、近くまで行かないと救急車に気づかないようだ、という。

 17時28分。高島の国道1号線で交通事故発生。警察から連絡が入る。消防署救急隊出動。オートバイが歩行者をはねる軽傷だったが応急手当をして念のためK病院へ運ぶ。

 20時。夜間の点検を行なう。異状なし。

 23時。持合室は昼間と同じように、119番を受ける指令操作台と火災監視用テレビの前に2名が勤務。119番の呼び出しが入る。しかし、相手は出ない。いたずら電話だ−。今日も間違いやいたずら電話が10回ほどかかってきた。日曜日などは当直医院の問い合せを119番でして来る人も多い。消防署の電話番号51-0105〜0109番にかけなおしてもらう。

 3時15分。仮眠室の内線電話が鳴る。東名高速道路で交通事故発生。富士川サ−ビスエリヤの西だ。事故現場まで10分、追突事故だ。負傷者は3人。助手はべットで寝ていたので軽傷ですんだが、運転手は運転席にはさまれている。簡単に救出することはできない。救急車の無線で消防工作車の応援を依頼。工作車が来るまで時間がかかるので、2人の負傷者を乗せて清水市内の病院へ選ぶ。帰署したのは5時を回っていた。

 7時。起床。まもなく勤務も終りだ。指令室で1時45分にも平垣本町へ救急出動があったことを聞く。

 8時30分。次の勤務者と交代。緊張していたので24時間が短かく感じた。

- 写真あり -
( 写真説明 ) はい119番…交通事故だ!それ出動…
( 写真説明 ) 朝の交代・今日1日何もなければいいが
( 写真説明 ) 現場へ着くとすぐ負傷者を救出
( 写真説明 ) 病院も受入れ態勢を整えてくれている
添付ファイル
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