【広報ふじ昭和44年】旭化成、興亜、三興とも公害防止協定を結ぶ
市は大手12社15工場と公害防止の協定をすすめていますが、10月31日、旭化成工業、興亜工業、三興製紙富士工場と協定を結びました。これで協定を結んだのは8社10工場になりました。なお、これまでの協定も含め市が必要に応じて「立ち入り調査」ができるように協定を改めました。
旭化成工業
協定を結んだのは大気汚染防止、緊急時対策、河川汚濁防止の3項目です。
大気汚染の防止は、燃料の低イオウ化として現在使用中のイオウ分2.7パーセントの重油を、44年11月から2.5パーセント以下の重油にします。
汚染物質の拡散希釈は、現在使用している25メートル煙突を廃止して、121メートルの煙突を新設します。工事の完成は45年12月31日です。なお、71メートル煙突はそのまま使用します。
窒素酸化物については、いままで18メートルの煙突から排出していたのを、60メートルの高煙突から排出するようにします。さらに排ガスを水洗滌による方法、電気集じん器による処理方法を検討していますが、本年度中に改善工事を実施させます。
緊急時対策は、富士地区大気汚染緊急時対策実施要綱にもとづき、市の施策に積極的に協力させます。
河川の汚濁防止は、すでに中和糟、沈殿槽を設置し、水質保全につとめていますが、さらに中和槽、沈殿槽を拡充して排水処理を行います。工事は44年12月31日までに完成します。総工費は5億円です。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 工場から排出される水質を保つために中和槽、沈殿槽などを拡充しています
興亜工業
大気汚染防止、騒音防止、緊急時対策の3項目を第1次計画として協定を結びました。排水対策などについては第2次計画として協定していきます。
燃料の低イオウ化は、現在使用中のイオウ分2.6パーセントから3.0パーセントの重油を、今月からイオウ分2.5パーセント以下の重油にします。46年度以降は市の実施する低イオウ化に積極的に協力します。
重油ボイラーの排ガスは拡散希釈の効果をはかるため、使用中の36メートル煙突を廃止して、115メートルの高煙突を45年12月までに新設します。これにより、地上濃度の推定値は0.0197PPmになります。
チップ粉の飛散防止は、45年6月までに改善計画をたて、9月中に工事を完了させます。
騒音防止計画は、高さ4メートルのコンクリート壁、二重窓、サイレンサーなどを設置し、騒音対策に万全を期させます。
緊急時対策は、富士地区大気汚染緊急時対策実施要綱に積極的に協力させます。
工事はすでにはじめており、45年12月にはすべて完成します。工費は約1億6,000万円です。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 協定書に調印する斉藤市長と興亜工業代表
三興製紙富士工場
三興製紙とはすでに第1次協定を結んでいますが、今回の締結は工場増設にともなうもので第2次協定です。
○大気汚染防止計画
燃料の低イオウ化対策として、現在のイオウ分2.8パーセントから3.0パーセント重油を今月から2.5パーセント以下の重油を使用させます。
ボイラーは使用中のものを予備にして公害対策の効率が高い施設にします。また、排ガスを拡散希釈するため80メートル煙突を新設します。新煙突による拡散計算は地上濃度0.0137PPmになります。
○悪臭防止計画
すべて完全密閉式の水中ブロー方式にし、ブロー排ガスは大気放出をしないようにさせます。
○騒音防止
しゃ音壁や倉庫を設置して効果をあげていくほか、最新の設備を導入して騒音対策をはかります。
○排水処理対策
排水は現在全量を岳南排水路に放流していますが、同排水路の水量が増加しているので、増設後も水量が増えないように排水を再使用させます。また、沈殿槽や浄化槽を設置し、排水の水質浄化をさせていきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) チップを蒸解するときに発生する悪臭を冷水で処理する悪臭処理装置
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp