知恵おくれの児童に規律正しい学園生活を通して、より良い生活習慣を身につけるように指導する施設「市立ふじやま学園」が9月1日に開園しました。
この学園は、ハートビル運動が昭和38年から社会福祉施設づくりを目的に募金活動をはじめ、これに市費県費、国費を加えてつくられたものです。
これで市内の精神薄弱児収容施設は、県立吉原林間学園、県立富士見学園、の三つになりました。
現在、市内には約700人の精薄児がいると推定されています。しかし精薄児を社会生活に順応させるように指導する更生施設は少く、県下の精薄児(者)8万人(推定)に対し、施設に入園しているのは、わずかに514人です。
吉原ハートビル (小沢鼎会長)は、昭和38年に精神薄弱児収容施設づくりを目標に、社会福祉協議会、民生委員協議会、連合婦人会、手をつなぐ親の会などの協力によって発足しました。そして、今年の8月までに市民のかたはもちろん、全国の篤志家の芳志を得て、約1,000万円の募金を集めることができました。これをもとに市費2,578万円、国補助944万円、県補助472万円で、本年2月から大淵曽比奈(富士見学園西側)に「ふじやま学園」の建設をはじめました。
敷地面積は8,729平方メートル。建物は鉄筋コンクリート造りの管理棟、ブロック造りの児童宿舎、鉄骨造りの給食棟などいずれも平屋建て、全館に暖房施設が設けられています。収容定員は50人です。
この学園に入園できるのは、18才未満の児童で、精神病または伝染病がなく、団体生活をするうえで他人に迷惑をかけない児童です。入園の決定は福祉事務所で調査をして、児童相談所が入園の検討をし、福祉事務所から連絡します。入園の期間は満18才になるまでです。
運営には後藤忠五園長以下、指導員、保母、派遣教員などがあたります。
運営の方法は、知恵おくれの児童を保護、養育するだけでなく、児童の能力を開発し、社会生活に順応できるようにしていきます。
具体的には、生活指導として病気の予防や治療食生活の指導、共同生活を通じて社会へでてからの能力を養なっていきます。
学習指導としては、児童に合った学級編成をして、生活、健康、情操、生産、言語、数量の6項目の教育を行なっていきます。
入園に必要な費用は、国の定めた基準によって所得税に応じて計算されますが、家庭の状況によっては免除されることがあります。
- 図表あり -
( 図表説明 ) ふじやま学園案内図
- 写真あり -
( 写真説明 ) 「がんばりましょうね…」と保母さんに励まされる入園児童たち