広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和41年 9月5日発行 内容

敬老の日(国民の祝日)9月15日

おとしよりを大切に
70才以上2,909人

 9月15日の「老人の日」が国民の祝日「敬老の日」になりました。この日は各 地区毎におとしよりを敬愛し、長寿を祝う各種の催しが行われます。しかし、ここで考えなければならないことは、おとしより自身も若い世代に仲間入りしていくということではないのでしょうか。ともあれ9月19日を家庭ぐるみ、地域ぐるみで有意義にすごしたいものです。

 9月15日は国民の祝日「敬老の日」。この日から全国がいっせいに老人福祉週間がはじまります。この週間は、国民がこぞって老人のしあわせについての関心と理解を高め、長年社会につくしてきた老人を敬愛し、その長寿を祝うとともに、老人自身も自分たちの生活をたかめていくためにおこなわれものです。
 吉原市では市、社会福祉協議会、婦人会などが中心となって“みんなでつくろう楽しい老後“をモットーに(1)老人と若い人が家庭、職場、地域社会で話し合いお互いの立場を理解しあう(2)家庭の中で老人にふさわしい役割を与えるようにする(3)老人に慰問と激励のたよりをおくる(4)健康にきをつけ、時代感覚を身につけた話せる老人になる運動を行います。またこの週間中に地区毎に映画館や原田婦人会による老人ホーム慰問などが行うことになっています
 市内の満70才以上のおとしよりは、大石ふみさん(鈴川町2丁目)の99才を最年長に2,909人(男1,148人、女1,761人)で、このうち90才以上のおとしよりは23人います。
老人人口は年々増加しています。これは医学の発達と社会生活の向上によるものと考えられ、こんごますます増えると思われます。
 市では、70才以上のおとしより全員に敬老と朱染したタオルを贈るとともに、満88才の米寿をむかえられる矢部しげさん(本町1)ほか16人の方には全日本肖像美術協会・馬堀喜孝画伯の描いた家紋入りの油絵の肖像画が贈られることになっています。
 県社会福祉協議会、県老人クラブ連合会は70才以上の、地域文化の向上、地域産業の発展につくしてきた模範老人に感謝状を贈ることになっています。吉原市からは次の10名が模範老人として表彰されます。
大竹栄太郎さん(鈴川町2・79才)渡辺峯松さん(桧町・79才)田中政一さん(田中町・81才)石井善蔵さん(西比奈町1・74才)平松平次郎さん(原田町3・72才)小沢清さん(栄町・81才)中島勝太郎さん(伝馬町・72才)村井精作さん(新追町・72才)望月まつさん(八王子町1・73才)高井哲三さん(本町2・74才)

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・いいこと、今日一日のチャンネル権はオジイチャンオバアチャンにまかすんですよ

腹八分が健康のヒケツ

模範老人の石井善蔵さん

 模範老人で表彰される西比奈町1丁目の石井善蔵さん。
 石井さんは明治25年2月15日生まれ。満74才。「大食いは寿命を縮める。腹八分目が健康に一番よい。それに少量の晩酌だ、酒は百薬の長というからね」これが石井さんの長生きのヒケツ。
 74年間には苦しいこと、つらいこと、楽しいこと、数えきれないほどの思い出があるという。
 その中でも石井さんにとって忘れることのできない一つに北伊豆の震災があります。「あれは昭和5年だったと思う。伊豆に大きな震災があってなあ、わしも消防団員として救援にいったよ。家はメチャメチャ、地割れはあちこちにでき、それはひどいものだった」
 こんないやな思い出ばかりではない。「わしにはね、20人の可愛いい孫がある。“おじいちゃん”といわれると、本当に長生きをしてよかったと思うね」気丈なおじいさんも孫の話しになると目を細めます。しかし、石井さんは世相をチョッピリ批判する。
 とかく若いひとは、としよりは頑固だ、わがままだというが、わしらも話せるじいさま、ばあさまになるよう努力している。若い者にもわかってもらいたい模範老人として表彰される西比奈「寿クラブ」の副会長石井善蔵さんはこう語ってくれました。

‐ 写真あり ‐

一世紀生きぬく

最年長の大石ふみさん

 吉原市内の最年長は鈴川町1丁目の大石ふみさんで満99才。
 ふみさんは大石政雄市議の母堂。「女の子ということで入籍が1年位遅れたらしい、ほんとうは百歳を超えているかもしれない」政雄さん開口一番こういいます。
 明治、大正、昭和の三代を行きぬいてきた大石ふみさんは、吉原市の生き辞引き。想い出は吉原宿にはじまり、明治のはじめ吉原宿を襲った大津波鉄道馬車、東海道線の開通等々数えあげればきりがない。政雄さんは「母が一番喜んだのは、60年前に電気がついたときだね」
 あんどん、ランプ生活をしてきたふみさんには、電気は東京、大阪を4時間足らずで走る新幹線よりずっと「重宝」なものだったにちがいない。
 親ガメの背中に子ガメをのせて、子ガメの背中に孫ガメをのせて…曾孫(ひまご)の早登美ちゃんがCMソングを口ずさんでくる。「おばあちゃんは耳が遠くなったので、テレビはあまり見ないの」という。
 自分でつくった着物をきるときが一番楽しい。ふみさんは昨年あたりまで、夏には冬もの、冬には夏ものといった具合で何十枚、何百枚もの着物をつくってきた「だんだん眼が見えなくなってなあ」ふみさんは好きな針仕事かできないのがとてもさびしいといいます。
 おばあちゃん“チャーハン”ができたよ、台所から声がかかる。ふみさんの大好物だ…政雄さんは「ハイカラなんですよ、うちのおばあちゃんはねー」
 来年は明治百年にあたる。吉原のスーパーウーマン大石ふみさんが歩み続ける一世紀の記録は一口にはいいつくせないようです。

‐ 写真あり ‐

私は老人の話し相手

家庭奉仕員 山本ゆきさん
‐ 写真あり ‐
 家庭奉仕員といっても仕事の内容をよく知らない方が多いと思います。家庭奉仕員は、恵まれない老人家庭を巡回し、おとしよりの身の回りの世話やおとしよりの相談相手になるのがその仕事です。
 現在県下に19人の方がこの仕事に従事しています。吉原市では鈴川町2の山本ゆきさん(57才)が39年からめぐまれない老人家庭に奉仕を続けています。
 山本さんは、市内の老人家庭10世帯を1日に2世帯づつ巡回するのが日課で、食事や洗濯などの家事を助け、おとしよりの悩みごとのカウンセラーとして活躍しています。
 山本さんは「家庭奉仕員になったらと相談を受けたとき、わたしにできるかしらとしりごみをしました。最初はこの仕事を正しく理解してくれるひとは少なく、何度途中でくじけそうなったかわかりません。台風のときある家庭を尋ねたらお年寄りが大変喜んでくれました。その喜ぶ顔をみたら苦労やなやみはフッ飛んでしまいました」
 苦労を笑いの中につつんで話す山本さん。いつまでもめぐまれない、おとしよりの力になってほしいものです。

止まれ 交通標識

やめてほしい酔っぱらい運転

稲垣隆嗣
‐ 写真あり ‐
 テレビが毎日事故のことをしらせる。ぼくは、いつもそれをみてかわいそうだと思います。
 ぼくはバス旅行にいったとき事故を見ました。自転車とタクシーが横だおしになっていました。自転車は田んぼに落ちてメチャメチャにこわれていました。タクシーも、前のガラスとバックミラーとライトがこわれて田んぼに落ちてメチャメチャにこわれていました。タクシーも、前のガラスとバックミラーとライトがこわれて田んぼに落ちていました。
 おとなのひとが事故をおこすのは、酒をのんだり、夜おそくかえってくるからだと思います。
 ぼくたちも交通の決まりをしっかり守りますから、おとなのひとも、いつも左右をよく見て事故をおこさないようにしてほしいと思います。(原田小)

お知らせ

敬老の日 国旗を挙げて祝いましょう

市民の動き

(8月1日現在)
男 4万6,444
女 4万5,811
計 9万2,255
世帯数 2万1,346