広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和41年 7月20日発行 内容

夏休み楽しく安全に

これから夏休みに向かい、こどもたちにとってもっとも楽しい時季です。しかし、ともすれば学校から開放された自由の気持ちから非行に走ったり、水の事故や山の事故をおこすのもこの時季が一番多くなっています。こうした事故を防ぐため吉原市青少年保護育成連絡会(会長斉藤市長)では、明るい家庭を築くため、親が次のことに十分注意してほしいといっています。
こどもたちの想い出をつくる夏休みを健康で楽しく、有意義にすごさせるため、親がよい手本を示し、こどもを事故から守ってほしいものです。

■危ない!子どもの花火遊び

 夏の夜をいろどるものに花火があります。しかし、この楽しみに使われる花火も、ちょっとの不注意が思わぬ事故を起こします。家庭で花火を行う場合は次のことに注意してください。
◇適当な場所を選ぶ
 花火が飛ぶ距離や飛び散る範囲など、花火の種類をよく考え近くに燃えやすいものがないかよく調べる。また、万一に備えてバケツ一杯の水を用意する。
◇おとなが付き添う
 最近の花火は、高く飛ぶもの、火焔の多いもの、動きの大きいものが多くなってきました。このような場合は、必ずおとなが付き添い、子どもには花火の美しさを楽しませるようにする。
◇後始末をしっかり
 残り火には、十分すぎるくらい水をかけるか、盛土をする。残った花火は、火気に遠く、日の当たらない、安全なところに保管する。
◇そのほか
 花火を分解して火薬をぬき、ロケット遊びなどをする子どもがありますが危険ですから、火薬遊びをしているのをみたらきびしく注意する。

‐ イラストあり ‐

■自分の力にあった登山を

 1年を通じて、山の遭難のない月はありませんが、特にこれからは夏山シーズン、悲惨な山の事故が多く発生することが予想されます  遭難は色々な条件が重なって起こるものです。とくに気をつけたいのは、登山は加速度的に疲労するということです。平地を歩くときのエネルギーを1とすれば、階段を上るときのエネルギーは3.5から5必要になるといわれています。そのうえ高いところでは気圧の影響を受けるから、さらにエネルギーが必要になります。
 登山する場合は次のことに注意してください。
◇登山カードに記入してから登るようにさせる
◇ベテランのリーダーのもとで行動させる
◇自分の力にふさわしい山を選ばせる
◇気象の知識をもち、天気予報に十分注意する
◇万一に備え、予備食糧の用意をさせる
◇ヤッケ、セーター類などの防寒衣は必ず用意させる
◇山に登るとき自然を愛し、山をよごさせないようにする

‐ イラストあり ‐

■幼い子の水死をなくそう

 海水浴はわたしたちの体をきたえてくれます。まず赤血球、白血球が増え頭がさえ、体の抵抗力がつきます。また、皮膚が水に刺激されかぜをひかないようになります。ですから、みんなで海水浴を楽しみたいものです。
 しかし、海水浴には水難がつきもの、昨年も盛夏に全国で一日に平均約30人の水の犠牲者がでました。しかも、事故のうち二人に一人は小学生以下のこどもということです。
 ですから、こどもを水の事故から守るため、次のことに注意してください
◇波の荒い海や、雨あがりの川では泳がせない
◇身体に異常のあるときや、過労、激しい運動のあとでは泳がせない
◇泳ぐまえには十分準備運動させ、静かに水に入らせる
◇水泳や水遊びに行くときは二人以上でいかせる
◇危険な水遊び場や川などには、水泳禁止の標示板をたてるとともに、交代で見回り絶対に遊ばせないようにする
◇一人はなれて泳がない

‐ イラストあり ‐

■狙われる女性の一人歩き

 学校から解放された気持ちのゆるみから、例年この時期になると青少年の非行が多くなります。
 非行を防ぐ為に、警察ではきびしい警戒をしますが、みなさんも十分注意してください。
▽こどもの夜間外出はさせない。とくに夏休みの夜間外出は7時までになっています。
▽こどもの行動持物に注意する
▽学生の喫煙、飲酒、不健全な遊びをしないように気を配る
▽服装はハデなものにならないように注意するまた、この時期は性犯罪が多くなりますので、次のことを注意してください。
◇夜間の女性一人歩きはしない
◇遠くても明るい道を選ぶ
◇相手が年少でも気をゆるめない
◇相手につけこまれるような態度はとらない
◇たやすくひとの誘いにのらない
◇幼女にも甘いことばにのらないように教えておく
◇相手が顔見知りでも気を許さない
◇外から見える屋内で昼寝や着がえをしない

‐イラストあり‐

■食中毒を防ぐ3原則は

 食中毒を予防する三原則は「清潔、迅速、冷却」です。まず清潔にすること。とくにこれからは細菌のはびこる季節です。
 食物の取り扱いは衛生的にしなければなりません。そして繁殖を防ぐために「迅速」に調理し、保存するときは「冷却」をしっかりすることが大切です。
 食中毒を防ぐために、清潔、迅速、冷却の原則を忘れずに実行してください
◇調理する所や食品を保管しておく所は、いつも清潔にしておく
◇ねずみ、はえ、ゴキブリなどを徹底的に駆除する
◇食器類、包丁、まな板などは消毒する
◇食中毒の場合は、味におい、色調の変化がありません。つくってから長くおいた料理は惜しまずにすてるようにする
◇冷蔵庫を過信することは禁物です。冷蔵庫の内に食品が多いときは温度が上がるということをお忘れなく
◇調理するひとはとくに健康に気をつける。下痢などをしているときは、早く診察を受けるようにする。

‐イラストあり‐

夏バテ なんていわないでここをみてください

気…象庁の長期予報では「ことしの夏は猛暑が続く」ということです。このため、秋ぐちになって“夏バテ”に悩むひとが多くなりそうです。それでなくても、夏は湿気や暑さのため食欲や気力がおとろえます。もちろん、毎年夏バテになどならない、というひとは特別な対策も必要ないわけですが、それでもガブガブ冷たい水を飲まない。朝食を大切にする心がけは必要です。

疲…れの大きな原因は、カロリー不足とビタミンBの欠乏と考えられます。食欲がないからといって食事をとらなかったり、食べたいものだけを口にするのは、栄養のバランスをくずすもとです。そうかといって暴飲暴食も夏バテのもと。各自で食べ方に注意することが必要です。

お…米は七分づきくらいのものが栄養的にいいのですが、精白米のひとには強化米や強化麦などを混ぜてビタミンB1を補うことです。
タマゴは夏バテ防止食品。一日に必要なたん白質の3分の1はとれます。しかも、米やミソに含まれているたん白質を有効に使わせる働きをします

生…野菜と果実など副食物をたっぷりとる。とくにトマトはビタミンCを補い、腸を整えるから暑い1日の活動源になります。あとは欲をいえば、バランスのとれた味つけと盛り合わせです。

全…身がだるい。何となくねむい。これはスタミナがなくなってきたということで、夏バテの第一歩です。こうしたときは運動をするにかぎります。適度の運動で汗を出すことにより、消化器の循環がよくなり、食欲も増します。夏は運動にはげむ季節といえます。

夏…バテ防止に忘れてはならないのは、睡眠を十分にとること。
睡眠不足は食欲減退、体のだるさをまねきます。睡眠不足のときは、できるだけ昼寝をすることが必要です。結局、わたしたちが夏バテを防ぐには、適度な運動、十分な食事と睡眠をとるということです。

くらしの便利帳

◇簡単な塩づけ
キュウリに塩をたっぷりすりこみ、ポリ袋に包んで冷蔵庫に約6時間ぐらい入れると冷たい塩づけができます。

◇ナスの砂づけ
コメヌカに、砂(よく洗ったもの)1の割合でぬかみそをつくり、塩を十分きかしてナスをつけます。色がよくでるばかりでなく、色が長持ちし、味もさっぱりしています。

◇スイカを食べたあとの利用法
スイカを食べたあと皮をむき、白いところを細かく切り、塩でもみ即席づけにします。うすく切ってみそ汁の実にすると、トウガンのような感じです。

ことばの豆辞典

…うみ…
 海(うみ)ということばはどこからきたのでしょうか。古代日本では海も空も「あま」と呼ばれていました。空の方はそのまま「天」と残ったのですが、海の方は音が転化して「うみ」となったというのが一説です。
 もう一つの説は、海はおおいに水をたたえているところから「大水」ということばがなまってなったということです。
 また、海のことを「わた」とか「わたつみ」とかいわれたことがあります。万葉集に「渡津海の豊旗雲に入日さし今宵の月夜あきらけくこそ」などとよまれています。
「わた」は渡る意味からとする説と、朝鮮語の「パタ(海)」が語源だとする二説があります。
 いずれにしても、わたくしたちの国は四面を海に囲まれていて、海とは切っても切れない深い関係があり、この海ということばはかなり古い時代から、多くの文献にあらわれています。

止まれ 交通標識

歩く人・車の人
心のふれあいで事故防止

望月 均
‐写真あり‐

 1年生の子が、この前自動車に引かれてそく死した。自動車じこはおっかないな…
 クロッシングゲームの所で、いくら交通の勉強をしても、車はいつどこからくるかわからない。あるときはかどから、あるときはつこんでくるかもしれない。そんなことのないように、ぼくたちは、いつも左右をよく見て、よそ見をしないで歩くことが大切だ。
 車をうんてんする人もスピードを出さないで、安全うんてんをしてほしい。大月せんを走る車を見ていると、まだまだ注意のたりない人がいる。歩く人と、車の人との心がつりあったとき、交通じこはなくなると思う。
みんなで、じこをおこさないように、心をひきしめよう。(伝法小)

市民の動き

(7月1日現在)
男 4万6,357
女 4万5,750
計 9万2,107
世帯数 2万1,301