広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和41年 6月5日発行 内容

ゴミ これではこまります

みなさんの家庭から、毎日たくさんのゴミが出されています。いま、市の清掃員によって集められる1日のゴミの量は、ざっと50トン、これは50メートルプールいっぱいと、同じ量というから驚きます。それにゴミというシロモノ、いったん処理に困ると、川、あき地、野原、道ばた…と、ところかまわず捨てられますから始末が悪い。「市役所の収集回数が少ないから」ふまんをぶちまける奥さんもいます。市でも“ゴミのないきれいな暮らし”をしていただくために、清掃員をふやしたり、ロードパッカーという最新式の清掃車を買入れて、ゴミ収集の能率をあげています。しかし、それでもゴミは減るどころか、増える一方です。いったい、どこに問題があるのでしょうか。

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みんなで考えよう 良い例 悪い例

排出量ふえる一方
ゴミの中から資源回収を

 「まず、敵を知れ」孫子の兵法にあるように、まずゴミの実態をみてみましょう。
 わたしたちは1日に約500グラムのゴミをだしているといわれています。なんだ、たった500グラムか、というかたがいるかもしれませんが「チリもつもれば」のたとえどおり、市内1万4,000個のゴミ箱に出される1日のゴミの量は50トンにもなります。
 ゴミは減ろうとしないで、増える一方です。ここで、ちょっと20年前のことを思い出してみましょう。
 戦争中から戦後にかけての物資不足の時代です。いまでは捨ててしまうダイコンのヘタや、ニンジンの葉なども、貴重な「食糧」だったのです。また、燃料もなかったから、紙クズはもちろん、板切れでも燃えるものはなんでもタキギにしました。
 ところが、さいきんは「消費こそ最大の美徳」「消費することは国民の義務である」などというキャッチフレーズのもとに、世はまさに“捨てる時代”余分なものはなんでもゴミとして捨てられています。
 これでは、いくら清掃車をふやし、作業員をふやしても、ゴミに追いまくられてしまいます。そこでゴミの減量ということが考えられるわけです。
 原田地区の中島町では、新聞、古雑誌、あきカン、ボロなど利用価値のあるものを町内でまとめてゴミ屋さんに売り、町内会の資金にしています。

あき地はゴミの山

 それでは、もう一度ゴミの実態をみることにしましょう。
 最近ある新聞に「吉原市民の公徳心はゼロか」と不名誉なことが書かれています。ゴミはいったん処理にこまると川であれあき地、野原道ばた…いたるところに捨てられます「ゴミは川に捨てるもの、ゴミ箱なんか不要」良き時代の慣習ぐらいに考え公徳心のカケラもない方があるのです。
 これでは“町の美化”はできないというものです。それに、外に捨てられたゴミは、ハエやカ、ゴキブリを育て、ひいては恐ろしい伝染病の病原菌の温床地になることを今一度考えてみてください。
 ところで、ゴミの処理の苦情のなかで一番多いのは「収集回数を増やせ」ということです。市でもこうした苦情をなくすために、清掃車10台、清掃員34人が、町内をくまなく走りまわっています。集められたゴミは、1日50トンの焼却規模をもつ、清掃作業所で完全に処理されています。
 ゴミが順調に集められれば、清掃作業所で処理されるので、川やあき地に捨てるといった問題はまずなくなるのですが、ところが実際には、集めにくいゴミ箱があまりにもたくさんあって作業能率をさげています。それにもう1つ、作業能率を低下させるものにコンクリート製のゴミ箱があります。清掃マンが、こっちのゴミ箱から隣りのゴミ箱へ、ゴミ箱からゴミへ。そして、清掃車へという作業方法をとるので、二重の手間をかけさせます。ですから清掃マンがフル回転で収集を行っても「まだゴミを取りにこない」という苦情が出てくるわけです。

好評のポリバケツ
鈴川浜町などでは定時収集

 清掃作業は、みなさんの協力がなければ、よりよい収集はできないというものです。鈴川浜町、毘沙門町、本町一などでは、ポリバケツによる定時収集を行っています。定時収集を行っている鈴川浜町のある主婦は「よく、ゴミを取りにきてくれないということを聞きますが、ポリバケツをそろえ、一定の場所へ置いて収集してもらうようにしたら、そうした苦情もなくなると思います」と語ってくれました。
 ポリバケツは、作業を能率的にするばかりでなく、悪臭を防ぐ、ハエやカがわかなくて衛生的、しかも外観が美しいなど、なかなか好評のようです。
 しかしポリバケツにも泣き所があります。ゴミというゴミがみんな水っぽくなってしまうということです。紙クズといっしょにミソ汁などを捨てるからです。これでは、吉原市が自慢の清掃作業所の焼却能力も、その偉力を発揮できないというものです。

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(写真説明)・・・ポリバケツによる定時収集

ゴミは正しく捨てよう

◇ゴミはゴミ容器(ポリバケツ、ゴミ箱)にいれてください
◇水分のあるゴミは、よく水をきり、ビニール袋が新聞紙につつんで捨ててください
◇ゴミ容器は、定時に収集場所に出しておいてください
◇ゴミ容器の数はゴミの量に応じて備えてください
◇こわれている容器はとりかえてください
◇せともののかけら、ビン、あきカンなどはゴミ箱にすてないで、別にして捨ててください

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わたしの感じ

定時収集で大助かり
鈴川浜町・城市近子(35)
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 わたしたちの地区は、日曜祭日を除き、1日おきに収集にきてくれます。おかげでゴミが腐敗することもなく、気持ちのよい毎日がおくれます。また、わたしたちは、きめられた時間に、きめられた場所へポリバケツを置いておきます。すると清掃員の方がきて、短時間でゴミをもっていってくれます。いくらゴミ収集が仕事だからといっても、大変な仕事です。ですから、お互いに話し合って迅速に処理できるようにすることが大切だと思います。

伝法沢のゴミ処理を
上中町・池野きく江(38)
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 戦後20年。公衆衛生活動も伝染病予防や衛生思想の普及などに、めざましい働きをしめしてきました。しかし、わたしたち主婦が一番関心のある、ゴミの問題になると、まだまだ苦情があります。伝法沢がまるでゴミ捨て場のようになっているということです。
 なかには、夜中に三輪車でゴミを捨てにくるひともあります。こうしたことは市当局がもつと積極的に取り締まってほしいと思います。またこれから夏に向かい、物が腐りやすくなりますからゴミ収集の回数をもっとふやしてほしいと思います。

市民の声

清掃車にオルゴールをつけては

 わたしたちのところは、いつも7日くらいでゴミ収集にきてくれますが、もう13日にもなるのにまだ集めにきてくれません。これはコンクリートのゴミ箱が収集能率をさげさせているからと思います。ですから、市でポリバケツをあっせんして露地の奥のひとには、オルゴールか呼び声でゴミ収集にきたことを知らせれば能率もあがると思います。
(長者町 芝紘美)

お答え
現在市内の世帯数は約2万1,000。ポリバケツを備えてある家庭は3,000世帯です。そのうち1,000世帯が定時収集を行っています。オルゴール、呼び声で来たことをつげる方法は“呼びかけ収集”といいます。この方法は各地で行われましたが、いつくるかわからないというので、ノイローゼになったとか、共稼ぎのためゴミがたまってしまったという苦情が多いため中止されています。ですから吉原市では、各家庭にポリバケツを備えていただき、定時収集にするようにしたいと思っています

交通標識

信号機がほしい

田島めぐみ
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 わたしのおかあさんは毎日きまったように「大月線はよく見てわたりなさいよ」といいます。わたしは、毎朝おうだんほどうで、5分ぐらいまちます。おうだんほどうをわたるときは、かならずき色いはたをもって、右と左を見ながら、大きく手をあげて通ります。
 このごろ、毎朝早くから、交通せいりをしてくれているおじさんがいます。車が多くつづいてきても「ピリピリー」と、ふえをふいて、おまわりさんのように車をとめてくれます。でも、学校の帰りは、交通せいりのおじさんがいないのでたいへんです。早くしんごうきができれば、いいなあと思います。(伝法小)

市民の動き

(5月1日現在)
男 4万6,333
女 4万5,682
計 9万2,015
世帯数 2万1,168