広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和41年 3月20日発行 内容

新入学児童を守ろう

 4月、5月になると、こどもの交通事故が急に多くなります。
 こどもの交通事故の中でも小学生の事故が約50%を占め、とくに低学年の学童に多くなっています。新入園、新入学期をひかえ、かわいいこどもたちを交通事故から守るために家庭でのしつけはもちろん、一般のひともこどもたちにはよく注意し、恐ろしい交通事故から安全に守ってやりましょう。

「父兄へ」
(1)少しは遠回りでも安全に行き帰りできる道を教えてやる(2)遠くからでも目に付きやすい黄色い帽子や服を身につけさせる(3)忘れものがないように早めに送り出す(4)親が一緒に歩くときは必ず手をつなぐ(5)その他こどもに正しい交通教育をする。

「運転者へ」
(1)幼児の事故ではひとり歩きが多いから保護者のつきそっていないこどもをみたら必ず徐行する(2)こどもの飛び出しにそなえていつでも停車できる心構えで運転する(3)こどもが道路を横断しているのをみたら必ず止まって安全に通してやる

「歩行者へ」
(1)こどもの模範になるように正しく歩く(2)こどもが道路を横断できないで困っているのをみたら声をかけるか、手を引いて渡ってやる(3)こどもが道路で遊んでいるのをみたらやさしく注意する

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・みんなで事故からまもりましょう

養豚は私たちの手で

次郎長婦人部

 「養豚は私たちの手で…」大淵次郎長町の主婦たちは昭和39年に養豚婦人部(鈴木なつ部長、56)を結成し、いまでは農家所得の50%を占める実績をあげています。
 次郎長町の戸数は50戸で、全国有数の山林種苗地として、スギやヒノキの苗づくりを行っています。しかし、苗づくりは非常に地力がやせるため、地力の回復と副業という一石二鳥をねらい35戸が小労力ですむ養豚を昭和36年から始めたものです。
 副業としての養豚をまかせられた主婦は、月に一回農業普及員の指導を受け、豚のことならなんでもというほどの技術を身につけています。昨年大淵地区に豚コレラが発生したときも、次郎長町では1頭もコレラにかかりませんでした。親のない子豚をそだてるのはむずかしいといわれていますが、鈴木なつさんは8頭の子豚を人工授乳で元気にそだてました
 婦人部では育児や料理の講習会も行い、生活改善は自分たちの手でと大張り切りです。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・農業普及員から技術講習を受ける主婦たち(次郎長町で)

“富士茶”の父逝去

‐ 写真あり ‐

 “富士茶の父”東比奈2丁目高橋広作さん(85)が3月14日老衰のため逝去されました。
 市ではその功労に対し、農業振興功労者として「市表彰条例」により、市長表彰をすることに決めました。
 高橋さんは、明治24年いらい60余年にわたり、茶業に従事してきましたが、富士茶の市場での悪評に刺激され、茶の品種改良新品種の育成に力をそそいできました。昭和13年に高橋早生富士1号の優良品種をつくることに成功し、富士茶の声価をおおいにたかめ、岳南地区の茶業界の発展につくしてきました。

文化講演会のお知らせ

 市民文化の向上をはかるため、市では文芸春秋と共催で、次の方々を講師に招き、文化講演会を行います。
◇日時
4月11日(日曜日)
17時30分開場
◇市民会館大ホール
◇講師
丹羽 文雄(作家)
横山 隆一(漫画家)
柴田練三郎(作家)
◇入場料は無料です
ただし、入場者多数のばあいは先着順です

こちらは市役所(15)

議会の巻

 市議会は、市民の代表36名(現在欠員2名のため34名)の議員により、市の重要事項を決める議決機関ですが、この機関の事務処理にあたるのが議会事務局です。山本政雄局長以下8名の職員から構成され、議事係、調査係、庶務係の3係に分かれています。
 議事係は、定例会、臨時会、各常任委員会など各種会議の会議録速記録、また、議事日程や諸般の報告の作成傍聴人の取り締まりを行っています。その他、全国議長会をはじめ、東海4県、静岡県の各議事会の事務、請願書、陳情書などの受け付けもこの係で行っています。
 調査係は、議員が発案し、議案の調査や議会の開催状況などの調査資料の収録を行っています。
 庶務係は、議会条例規則、訓令などの改廃および関係法規の維持整備、また議場や図書室の維持、管理、公印の保管、その他一般事務関係の仕事を行なっています。
※電話は、庶務係が内線52番、議会事務局長が内線54番、議長室が内線55番です。

おしらせ

◎野鳥を保護しよう
 さいきん、農薬の害や乱獲などで野鳥がへっています。
 このため、市林産課では、野鳥の保護に力をいれ、とくに3月から6月にかけての繁殖期にあたり、捕獲するものを厳重にとりしまっています。
 野鳥を獲るために、市民のみなさんのご協力をお願いします。
 また、捕獲許可申請の受け付けは中止しています。

◎百日咳ジフテリア予防接種
 衛生課では、百日咳、ジフテリアの混合予防接種を次のとおり行ないます。
◇該当者
昭和41年5月21日から11月30日までに生れた乳児(3回接種)と昨年の春接種した乳幼児(1回接種)
◇日程( )内は2、3回接種日
東小学校、橘幼稚園 3月28日(4月18日、5月9日)
吉永支所、原田支所 3月29日(4月19日、5月10日)
元吉原幼稚園、鈴川公会堂 3月30日(4月20日、5月11日)
大淵第一小学校、神戸小学校 3月31日(4月21日、5月12日)
今泉小学校、伝法小学校 4月1日(4月22日、5月13日)
曙幼稚園、体育館=4月2日(4月23日、5月14日)
◇時間 毎回14時から15時まで
◇料金 1回30円

◎狂犬病の予防注射 4月4日から
 衛生課では、昭和41年度の犬の登録と狂犬病の予防注射を次の通り行ないます。
◇4月4日 須津支所(9時30分から15時)
4月5日 吉永支所(9時30分から15時)
4月6日 原田支所(9時30分から15時)
4月7日 今泉小学校(9時30分から15時)
4月8日 鈴川公会堂(9時30分から15時)
4月9日 東小学校(9時30分から15時)
4月11日 神戸小学校(9時30分から15時)
4月11日 吉永第二小学校(13時から15時)
4月12日 大淵支所(9時30分から15時)
4月13日・18日 八王子集会所(9時30分から11時30分)
4月13日 法蔵寺(13時から15時)
4月14日 伝法小学校(9時30分から15時)
4月15日 国窪公民館(9時30分から15時)
4月16日 田中公会堂(9時30分から11時)
4月18日 市立体育館(9時30分から15時)
◇登録料は1頭につき300円、注射料は1頭につき200円
※犬の手帳をおもちください。

◎市民会館だより
◇第3回吉原市婦人大会 4月1日。9時から16時まで。大ホール
◇市立商業高校入学式 4月6日。8時30分から12時まで。大ホール
◇救急業務講習会 4月9日、12日、13日、14日。9時から12時まで。第3集会室。
◇労津労音4月例会 4月15日、20日。18時から22時まで。大ホール
◇明治大学マソドリン演奏会 4月20日。13時から。大ホール
※4月10日は市民会館の休館日です。

◎苦情は行政相談委員へ
 みなさんが国の行政機関、公社、公庫、公団などの仕事や国から委任をうけて県や市が行なっている行政に対して、苦情をお持ちの方は「行政相談員」にご相談ください。
 吉原市では、今泉春枝さん(市場町)が行政管理庁から委嘱されてこの仕事にあたっていますから、行政のことならなんでもご相談ください。

年金だより

前号で述べた公的年金制度のなかでは、国民年金が一番新しく、それまでは厚生年金保険などの官公庁や会社、工場などに勤める従業員を対象とした年金制度があるばかりで、国民の大半をしめる農林漁業の従事者、中小企業や自由業などの自営業者や、そこで働く人などは、なんらの年金制度の恩恵も受けられず、取り残されたままになっていました。
ところが、このような人たちこそ、老後の生活や不測の事故に対する不安が強く、戦後の急激な寿命ののびとともに、なお一層、年金制度による保障の必要性が強く要望されるわけです。
そのほか、第二次大戦を境にしてわが国の人口構造がアッというまに変わってしまったことにも理由があります。国民の職場も生活も、日ましにきびしくなってゆく日本経済のなかで、老人が若い人々に背負いきれない扶養の義務を負わせるかわりに、まがりなりにも自分の生活を支えてゆくみちを、ハッキリとつくり出してあげることです。
このことは身体障害者や母子家庭のばあいも同じでしょう。こうしたことから、いままで公的年金にはいれなかった人々を温かく抱えこもうと、設けられたのが国民年金制度です(以下次号)