広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和40年 7月5日発行 内容

夏休み 明るく楽しく安全に

親子関係 話せる家庭ムードを 計画よく聞き正しく指導

 こどもたちは、夏休みをむかえて海に、山にと楽しいプランを立てていることと思いますが、せっかくの楽しい夏休みを、悲しい想い出にしないよう、父兄のみなさんが、こどもたちのよい相談相手になり、次のことをこどもたちにかならず守らせてください。

■父兄のみなさん
 夏休みは、こどもたちの心身をたんれんするチャンスです。各家庭では勉強に海水に、キャンプにと楽しいプランをたてていることと思います。
 ところが、規則正しい学校生活から解放され、自由な気持ちのゆるみから、悪い遊びをおぼえたり、非行にはしったり、交通事故や水難などの暗いニュースが、私たちの耳にはいってくるのも、この夏休みが一番多いことをわすれてはなりません。
 もちろん、学校では夏休みにはいる前に、ゆきとどいた指導をしてくれますが、なによりも大切なことは、各家庭で1日1回はこどもと話し合い、計画性のある有意義な夏休みにすることではないでしょうか。
◇非行防止について
(1)こどもだけの夜間外出はさせない
(2)華美な服装にならないようにする
(3)喫煙、飲酒、不健全な遊びは絶対させない

◇健全育成について
(1)規則正しい生活を習慣ずける
(2)おくれている科目を勉強させ、学習に対する自信をもたせる
(3)暴飲、暴食や寝冷えに注意し健康な体を作る
(4)こどもの行動はたえず注意する

◇交通事故防止について
(1)路上の遊びはやめさせる
(2)交通道徳を身につけさせる

◇水・山など遭難防止について
(1)安全な場所をえらぶ
(2)行き先をはっきりさせる
(3)単独行動はさせない

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・水のシーズン いつもこどもから目をはなさないように

夏山シーズン 愛鷹山で遭難救助訓練

 本格的な夏山シーズンをむかえ、吉原山岳救助隊(川島礼一隊長)は、6月26日夜から27日にかけて、愛鷹山中で遭難救助訓練を行いました。
 この訓練は、夏山遭難事故に備え、毎年同隊が率先して行っているもので、ことしは“位牌沢、鋸岳付近に遭難発生”という想定のもとに隊員が適切な救助方法を身につけようと行なったものです。
 当日は、おりしも台風10号くずれの低気圧や梅雨前線の影響で、山中は雨と濃霧に見まわれ割石沢上で下山する事態となったが、ある若い隊員は「遭難現場まで到達できない残念です。が、思いもよらない荒天訓練が体験できて、救助隊員としては満足です。しかし一般の登山者は、こうしたことも頭にいれ、山を愛してもらいたいものです」と語っていました。
 なお、愛鷹山中での遭難事故は、ここ5、6年間をみても11件を数え、2名が死亡しています。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・写真は夜間の遭難救助訓練をする隊員(割石沢下で)

金子翁の銅像建立 顕彰会が基金を募る

 吉原市名誉市民、前市長故金子彦太郎翁顕彰会(会長斉藤市長)は、昭和40年3月に発足してから、翁の遺業の数々と道徳を後世につたえるため「銅像建立」を事業にかかげ、全市民的な行事とするため、その準備を進めてきましたが、このほど次のような計画をたて、市民みなさんに募金の協力をお願いすることになりました。
 建立予定地は市立図書館南側。銅像は全身像で高さ2.4メートル。建立予定月日は10月末。
 この趣意書を、7月1日に各家庭に配布いたしましたので、趣旨にご賛同くださる方は、8月31日までに嘱託員、各支所、事務局(市長公室内)へお申出下さい。
 わが郷土の生んだ偉大な政治家、金子彦太郎翁が現職吉原市長として、昭和38年12月4日に急逝してから、早くも1年半の歳月が流れています。
 つねに正義と愛郷の信念をつらぬき、市民の幸せをわが生涯の幸福として誇り郷土発展のために精魂をかたむけてきた翁は、明治38年 札幌農学校林学科(現北海道大学)を卒業し29才の若さで政界人となるや、まず治山の問題をとりあげ、その豊かな学識を内山の植林にいかしたのです。
 また昭和2年から15年間、県会議員として腕をふるい、沼川の改修、昭和放水路の築構事業を施行しました。
 昭和27年に吉原市長に就任周辺5カ村の合併にのりだし、昭和30年に円満に合併を達成し、初代市長に就任、いらい市長4選するとともに、田子の浦築港を門戸に岳南一帯の工業開発にのりだしたのであります。
 晩年、翁は、青少年の健全育成、市民の福祉活動に力をそそぎ、図書館の建設、清掃作業所の建設など市勢発展につくし、80年の天寿をまっとうされたのであります。

(主な受賞暦)
昭和14年8月 県知事表彰
昭和29年10月 林業功労者として農林大臣表彰
昭和31年11月 藍綬褒章賜授
昭和38年11月 黄綬褒章賜授
昭和38年12月 正五位勲四等・旭日小綬章を賜る(金子彦太郎翁顕彰会事務局)

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・ありし日の金子翁

クラブの充実 老人講座7月に4回ひらかれる

 げんざい、市内には68の老人クラブで、約4,000人の会員が老後の生活を健全で、豊かなものにしようと、自主的にサークル活動をおこなっています。
 市福祉事務所では、これらクラブの内容を充実させるため、昨年は2度にわたり老人クラブの指導者研修会をおこないましたが、ことしも7月9、16、21、29日の4回老人講座を開くことになりました。
 講座は、9日がクラブ活動のあり方、16日が老人の健康問題、21日が吉原市勢について、29日が老人の時事問題解説を、それぞれ専門の講師を招いて話し合うことになっています。

立入り測量のお知らせ

 市都市計画課では、都市計画街路吉原沼津線改良事業に必要な図面をつくるため、次の土地内の立ち入り測量をおこなっていますのでお知らせします。
▽立ち入り区域は
・富士岡 上中道、土井口、渋脇、本花守
・中里 竹ノ内、鳥居前、池下、塚田、今鉾、大坪、大坪平、松之木田榎田
・神谷 東久保田、西久保田、向田、前田
・増川 難波道、鎗田、横町、前田、蒲原
▽立ち入り期間は
昭和40年7月1日から昭和40年9月30日まで

輸出の花 アマリリス

 元吉原の菊づくりに肩を並べようと、大淵の農家が力こぶをいれている作物「アマリリス、ユリの球根栽培」があります。
 大淵が球根栽培をはじめたのは6年前のこと。いまでは大淵町、穴原町など20農家が約3町歩に、アマリリス約9万本、ユリ約3万本を栽培し、アメリカやハワイに輸出、年間300万円ものドルをかせいでいます。
 6月にはウイルス病の検査も終わり、10月の収穫が待ち遠しいきょうこのごろです。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・ドルをかせぐ大淵のアマリリス=大淵1丁目・鈴木さんの畑で

おしらせ

◎総合デッサン会ひらく
吉原市、富士市、鷹岡町の教育委員会の共催で、第一回総合デッサン会を次のように行います。
▽日時は 8月1日(日曜日)10時から17時まで
▽場所は 吉原市体育館
▽モデルは バレリーナ1名、日本舞踊1名、裸婦1名
▽資格は 15歳以上の一般愛好家
▽会費は 1人100円
▽申し込み先は 吉原市教育委員会社会教育課(電話(2)3114)、電話の申し込みも受付ます。
▽締め切りは 7月24日(土曜日)正午まで

◎林業生募集
 県林業事務所は、昭和40年度県林業機械化指導所の研修生の募集を次のようにおこなっています。
◇科目は 索道科、集材機科、測量法科、継策法科
◇申し込みは 市林産課へ(履歴書、戸籍抄本、推せん書、誓約書、写真が必要です)入所願書は林産課に用意してあります
◇場所は 周智郡森町三倉字大河内県林業機械化指導所
◇その他
・経費は食費の実費のほか運営費として1日25円が必要です
・研修期間中は原則として全員入寮します
◇申し込みは定員になると締め切ります
※くわしくは市林産課へお問い合わせください。

◎森林の伐採必ず届出を
 森林の立木を伐採するときは、森林法により伐採届書を伐採する30日前に市役所を通し県知事に提出することになっています。
 無届の場合は、造林補助金が取り消されることがありますから、必ず届け書を提出してください。
 なお、用紙は市林産課なたは各支所に用意してあります。

◎議事録 6月は…(1日−25日)
◇東海市議会議長会理事会(1日)
岐阜市で開催、正副議長出席「国鉄ダイヤ改正に関する要望決議」 ほか2件協議
◇全員協議会(14日)
「公共用地(吉原沼津線)の取得ならびに工事施行について」協議
◇陳情(16日)
国道1号線バイパス道路について建設省に副議長、建設委員長が他市町関係者とともに陳情
◇議会運営委員会(22日)
「六月定例会運営について」協議
◇厚生委員会協議会(22日)
「火葬場について」協議
◇6月定例会(25日)
「諸和40年度吉原市一般会計補正予算議定」ほか18議案を審査

◎市民会館だより
▽ボイラー技士受験講習会 7月12日から15日9時から17時。第一集会場
▽オリンピック映画会 7月13・14・23・24日18時から21時。大ホール
▽謄写印刷技術講習会 7月17・24日13時から16時。第三集会室B
▽沼津労音A例会 7月19日18時から21時。大ホール
▽お母さん教室 7月20日13時から17時。第一集会室
▽小中学生写生大会作品集 7月23・24・25日9時から22時。第一集会室

青少年育成標語 あの子もこの子もみんなの子