広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和40年 6月20日発行 内容

明るく正しい選挙を

参院選に関心もとう
意義や役割をしっかり知る 買収供応は市民の恥

 第7回参議院議員通常選挙は、7月4日の投票日をめざし、いま激しい選挙戦がおこなわれています。
 こんどの選挙で改選される議席は、全国区で52(補欠2)、地方区が75の計127議席です。いままで参議院選挙というと、とかく国民の関心はうすく、投票率も衆議院をはじめ、他の選挙とくらべて、10%から20%も低い状態です。
 とくにことしは、普通選挙制度が公布されて40周年、婦人に参政権があたえられてから20周年をかぞえています。私たちはこの意義ある年におこなわれる“参院選”に進んで強い関心をしめし「明るく正しい選挙」で、よい代表者を国会へ送り、よりしあわせな生活をきづきあげようではありませんか。

 参議院議員の選挙というと、私たちはとかく無関心になりがちです。
 これは選挙区が広く、候補者に対する親しみがうすい、参議院の意義を理解していないなどが原因と考えられます。
 しかし、政治のよしあしは、私たちの日常生活に直接影響をあたえます。買収とか供応などの悪質な違反行為や、情実にまどわされることなく、自分の自由な判断で、信ずる人を選ぶことこそ、私たちが幸福な生活をおくるために、もっとも大切なことです。
 それでは、参議院にはどのような特色があるでしょうか。
 わが国の国会は、衆議院と参議院の二院で構成されていますが、二院制を採用しているのは、一院だけでは一党一派の多数決の濫用がおこなわれ、私たちの意志からはなれた政治がおこなわれる危険があるからです。第二院である参議院は衆議院のかたわらにあって政治がかたよらないようにたえず見守っています。
 この参議院は、全国を選挙区とする全国区選出議員100人と、各都道府県を選挙区とする地方区選出議員100人と、各都道府県を選挙区とする地方区選出議員150人によって構成されていますが、衆議院のように解散はありません。したがって一度選出された議員は6年間国政にたずさわり、3年毎に半数改選をおこないます。これは議員の身分を安定させると同時に衆議院が解散をしたばあい参議院だけに国会の代わりをする役目があたえられているからです。
 今回の選挙では、127人(全国区52人、地方区75人)が改選されます。静岡県地方区は定数4人ですから半数の2人を選出することになります。
 私たちは候補者を選ぶにあたっては、立会演説会や個人演説会にでかけて政見を聞いたり、新聞広告や選挙公報をよく読んで、豊かな政治常識を養い、参議院の特色を生かすような有能な代表を選ぶように努めたいものです。

◎選管から
 選挙について、わからないことがありましたら、吉原市選挙管理委員会(市民課内)へお問いあわせください。電話(2)3111番・内線26番。

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・うまいエサにはハリがある

知っておきたい選挙のあれこれ

 選挙は投票によっておこなわれますが、私たちの尊い一票も、正しい選挙の知識がなければ、有効に生かすことができません。
 自分の意志を政治の上に反映させるためにも、次の選挙の知識だけは、ぜひ身につけ、有意義な“一票”にしたいものです。

◇投票用紙
 こんどの参議院議員通常選挙は全国区と地方区の2種類あります。地方区は黒インキで印刷した投票用紙を、全国区は赤インキで印刷した投票用紙を使用しますので、書きまちがえのないように注意してください。

■投票は地方区を先に全国区を後に
 投票の順序は、まず地方区の投票をすませ、つぎに全国区の投票用紙を受け取り投票してください。

◇代理投票
 自分で書くのが原則になっていますが、身体の故障や字を書けないばあいは、投票管理者に申し出てください。代わりに補助者が書いてくれます。

◇不在者投票のご利用を
 投票日に投票所へ行くことのできないひとは、公示の日から投票日の前日までに投票できますから、つぎの事項に該当する方は、“不在者投票”をしてください。
(1)市外で職務や業務についているひと。
(2)やむを得ない用務や事故で他市町村にいるひと
(3)病気、出産などのため歩くことが困難なひと。
(4)市内に転入してきて吉原市の選挙人名簿にのっていないひと。

◇不在者投票のできる場所は
1.市選挙管理委員会
2.出張などのばあいはその地の選挙管理委員会
3.入院しているひとはその指定病院(吉原市では大富士病院、米山病院、芦川胃腸科病院、吉原病院)
なお、不在者投票をするには証明書(職場の長、団体の長、医師の証明書など)が必要です。

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・こちらもお忘れなく

◎補充名簿縦覧
参議院選挙のための補充選挙人名簿の縦覧を次のようにおこないます。
◇期間 6月23日から25日まで
◇時間 午前8時30分から午後5時まで
◇場所 市役所市民課

◎6月24日立会演説
 地方区の立ち会い演説会は、次のようにおこないます。
◇日時 6月24日 午後7時30分から
◇場所 市民会館大ホール

わたしの一票…新有権者の抱負…

生涯自分が誇れる人を
内田紀久代
(中村町・清水銀行)
‐ 写真あり ‐
 いよいよ、はじめての選挙権を行使できる日がやってきた。 私は、満20歳になったとき「こんど、選挙があるのはいつ?」と他人様(ひとさま)に聞いて笑われたものでした。自分では真面目にいったつもりなのに、笑われて心外だったのです。
 それから1年、自分なりに選挙について少しはかじったつもりです。こんどの衆院選にしても半年くらい前から聞いていたしまたそれに関するニュース(必ずしも良いニュースではない)を見聞きしています。
 私は、全くの1年生だから立候補者の掲げる政見や先輩(世間一般)の意見、批評に心をとめ、その上で自分自身の考えをもって選挙にのぞむつもりです。そして、その人が当選した時、いや、その人に応じた立派な仕事をしてくれた時、私はその人におしみない拍手をおくりたい。その時こそ「私の選んだ人を見てください!」と胸を張っていってやりたい…
 私の一票、この貴重な一票を絶対無駄にしたくない。生涯を通じて、常に清き一票であったと自負できるなら、当り前の事だが、また立派な事であると思います。

義理人情はまっぴら
田中美佐子
(中里八幡町・市役所)
‐ 写真あり ‐
 ことしは、婦人に参政権が与えられてから、ちょうど20周年目にあたります。私は、この記念すべき年におとなへの仲間入りをするとともに“選挙権”も得ました。
 思えば、まだまだ選挙権のない高校生のころ、友人と立会い演説を聞きにいったことを記憶しています。その雰囲気たるや下劣なヤジ、怒号ありで“おとなたち”はこれでいいのか、と私は義憤を感じたものです。
 選挙、選挙が近づくたびに思い出されることですが成人者でありながら「明るく正しい選挙」の意味を理解できないひとが、数多くあるように見受けられます。日本人の悪い癖でしょうか義理人情にとらわれ、買収や供応を平気でやる、全くはずかしい話です。
 「明るく…」と選挙管理員会が声を大にして叫んだところで、有権者であり、投票する私たちが「明るく…」の意味を理解し、自覚し、体得しなければどうにもならないと思います。
 私の一票は、義理や人情は真っ平おことわりです。
 こんどの参院選は、盛りあがりが少なく、無関心だといわれています。
 それにはなんといっても政治家がエリを正し、たびかさなる政治への不信を国民から一掃することではないでしょうか。立候補者は“当選”ばかり考えないでどのようにしたら有権者の期待にこたえる政治家になれるかを頭にいれ、その責務を全うしていただきたいと思います。

熱意実行力のある方に
畔柳宏明
(神谷町3・興国人絹)
‐ 写真あり ‐
 現在わが国は、内政、外交上に重要な諸問題をかかえ、たいへんな時期にあると思います。この重大な時期におこなわれる参議院選挙が、明るく正しくおこなわれるためには、候補者はもちろんのこと各政党、政治団体、運動関係者は必ず公職選挙法を守り、違反のおこなわれることのないようの望むものです。
 有権者は、この選挙の重要性を充分認識し、有権者のすべてが、投票に参加されることを望むものです。
 平等な選挙権があたえられ、自由な投票が保障されても、選挙手続きの進行に不公正なことがあっては、選挙の意義がなくなってしまいます。選挙を通じ、民主的な住みよい社会を実現するには、それはとりもなおさず国民の自覚で、正しく明るい選挙をおこなうことにほかならないのです。
 さいきん、社会開発ということばがよく使われますが、私たち青少年層を中核とする人間開発も忘れないでもらいたいものです。青少年の燃え上がるエネルギーと勇気を、本当に善徳しよりよく伸ばすことが、社会開発にそうものだと思います。
 私の一票は、真に国民に親しまれ、政治に熱意をもって努力し、実行する方に行使することを約束します。

“無線広報”のお知らせは毎日午前7時45分と午後4時45分。