広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和40年 5月10日発行 内容

新しい都市づくりは進む 防災建築街区 ことしは第5街区など

元眺峰館(本町3丁目)も姿消す

 いままで、とかく宿場町的といわれた吉原市の中心街も、昭和35年に始められた防火建築帯造成事業が、36年に防災建築街区造成事業となり、本町1丁目から4丁目までの延長490メートル、延面積2,873平方メートルが国の防災建築街区の指定をうけるなど、着々近代的な「町なみ」に変わってきています。
 このような新しいまちづくりの基礎となる防火建築街区の造成は、日常生活の大敵、地震や火事などの災害を防ぎ、あわせて土地の合理的な利用、環境の整備改善をはかるためにおこなわれる一石二鳥の近代的好事業です。
 昭和35年におこなわれた工事は、本一ビル、植松ビル、星一ビルで、延面積5,660平方メートルを工費1億6,617万円をもってつくられました。
 昭和36年には、第一街区の案内田ビル、第二街区の新本一ビルを工費8,686万円をもって面積2,804平方メートルがつくられました
 昭和37年は、和田栗田ビル、窪田小倉ビル、飯川ビルの延面積1,288平方メートルが工費3億295万円をかけてつくられました。
 昭和38年度には、第二A街区の名店ビル、第三A街区の中央ビルが、工費1億4,733万円をもって、延面積4,078平方メートルにわたり工事がおこなわれ、さらにさくねんは、第四街区と第七街区の新生ビルおよび第9街区のオナガビルなど延面積4,210平方メートル、工費1億4,790万円をもっておこなわれました。
 ことしおこわれる工事区は、第5街区と第8街区および第9街区の一部で、延面積6,132平方メートルに、工費2億4,539万円をかけてつくられます。
 今後の計画は、41年度に第三A街区の一部、第七区の一部、第十街区、第11街区にわたり工事がおこなわれ、42年度には第六街区と第12街区の工事がおこなわれなど、吉原市の防災建築街区造成事業は、全国でも有数の実績をあげています。
 防災建築街区造成に功績のあった不燃化建築促進会長植松豊作さんは「燃えない、美しいまちづくりは、わたしの長年の夢でした。こんごも新しいまちづくりに努力していきたい」これに答えるかのように、市都市計画課では、本町地区の工事が終わりしだい東通り地区の工事を行う計画をたてています。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・立ち並ぶビルと近々取りこわされる元眺峰館(エンピツ形の建物)

広がる街路 ビル建設に併行

 この事業と併行しておこなっている、日吉新橋線の都市計画街路改良事業は現在幅員7メートルの街路を15メートル(歩道が6メートル道路が9メートル)に拡張する工事で、交通緩和と商店街の不燃化高層化をはかり、「立体的なまちづくり」を目指すもので、災害防止になによりも心強いものがあります。
 ちなみに、吉原市の中心街に発生した災害についてみますと、江戸時代後期の文化2年(1805年)に現在の静岡銀行付近から火事が発生し、おりからの西の風にあおられ208戸が全焼しました。それから約50年後の嘉永4年(1851年)には東本町に火事が発生し、寺町(現在の東本通り)までの密集地帯を全焼した記録があります。
 このように、吉原市の中心街は、昭和34年から始めた下水道事業、防災建築街区造成事業や街路改良事業などの近代都市づくりにより、昔のおもかげを一変しようとしています。
※防災建築街路は、12街区にわけられ、第1街区は本町1の糸内田ビルから東映まで第2街区は新本一ビル。第3街区は植松電気製作所から粟田ビルまで第2A街区は名店ビル。第3A街区はリッカーミシンから水野カバン店まで。第5街区は市川酒店から丸一食堂まで。第6街区は静岡銀行から星一ビルまで、第7街区は佐野糸屋からトモエガラス店まで。第8街区は六長カメラ店から村松新聞店まで。第9街区は学進堂から中村商店まで。第10街区は太田時計店から長谷川家具店まで。第10街区は長谷川家具店から内藤金物店まで。第12街区は池田カメラ店から港屋菓子店まで。

‐ 地図あり ‐
(地図説明)・・・防災建築街区案内図

搬入は6月12日 吉原市書道展開かる

 第4回吉原市書道展は、7月2日から6日までの5日間、市民会館で行われることになりました。
 書道展は、市民文化の向上、発展を目的に開かれるもので、ことしの一般の部の公募規定は次のとおりです。
◆会期は
 昭和40年7月2日から6日まで、毎日午前9時から午後6時まで。ただし最終日は午後4時まで
◆会場は
 吉原市民会館
◆応募資格は
 吉原市内に住所または勤務所があるひと。あるいは、これに準ずると認められたひとで満15才以上のひと
◆種別
 漢字、かな、近代詩文、小字数、ペン字の5種類で、字列、書体は自由です
◆体裁は
 作品は表装することとし条副、枠張、屏風など自由。ただし、ペン字のばあいは表装または台紙を添付する
◆寸法
 全紙以内、ただし対副のばあいは半折以下、ペン字作品は半紙大以上です
◆出品制限
 制限はありません
◆出品料は
 不要です
◆出品票は
 作品には必ず市教育委員会発行の出品票を添付する。出品票は教育委員会市役所市長公室、各支所に用意してあります
◆搬入は
 昭和40年6月12日午前8時から午後7時まで
 市体育館で受付ます。
 郵送によるものは受付けません
◆搬出は
 昭和40年7月6日午後4時から6時まで
◆褒章は
 入選作品のうち特に優秀な作品に対して市長賞、議長賞、教育長賞、教育委員長賞、努力賞、奨励賞がおくられます。
◆成績発表は
 “広報よしわら”またはその他の印刷で行います
※書道展のお問い合わせは教育委員会社会教育課へ

家庭メモ

「衣」
 冬物の整理はおすみでしょうか。オーバーや冬物洋服類はぜひドライ・クリーニングに出しておきたいものです。
 和服類でも絹物のあわせをドライ・クリーニングにだせるこのごろですが、あまり何年も仕立てがえをせずに着ていると、いたんで縫いなおしがきかなくなります。いまのうち洗い張りをしておきましょう。
 5月に入ると急に洗たくものの量がふえるのも主婦の苦労のたねですが、ことにはだ着のせんたくで注意したいことは、すすぎを十分にできれば最後はお湯ですすぎ天日で干しあげることがたいせつです

「食」
 農家は農繁期にはいりますが、保存のきく食品を作っておくとたいへん便利です。酢魚、焼肉や干魚、ツクダニといった食品を自家製の野菜、卵などと取り合わせて1週間分の献立表を作っておきます。
 5月においしい食物は、魚ではかつお、アサリやハマグリも季節の味覚です。野菜では新たまねぎがたくさん出回ります。新たまねぎは、やわらかさを生かして、生食をおすすめします。水っぽくて甘味もあり、ソースかマヨネーズをつけて食べると。スタミナがつくといわれます。

「住」
 そろそろ雨期の準備にとりかかりましょう。5月も下旬になると、つゆのはしりの雨がやってきます。家の回りの排水が不充分だといつまでもじめじめします。雨どいの修理とか、屋根の手入れはぜひこの5月中にすませておいてください。長雨になりますと、せんたく物の干し場に困るのが主婦です。ひさしののき下とか、雨のかからない場所を利用して、物干し場を工夫しておきましょう。じめじめした雨どきで、特に気をつけなければならないのが台所です。雨の降っていない時に窓や戸棚を開けて空気の流通をはかりましょう。

市民の動き

男 4万5,081
女 4万4,198
計 8万9,279
世帯数 1万9,863

◇青少年育成標語 あの子もこの子もみんなの子