広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和40年 4月10日発行 内容

特別会計

吉原市議会3月定例会で昭和40年度特別会計も議決されました。
吉原市の特別会計は、公共用地所得事業会計を一会計増加し、本年度は18会計となりました。その合計額は5億6,489万7,000円で、昨年度の予算額3億8,706万9,000円にくらべ、1億7,786万8,000円の増額を見込んでいます。
それでは下水道事業、土地区画整理事業、水道事業会計についてみることにしましょう。

■下水道事業 南部へ2,000メートル埋管
 昭和34年から継続事業で行われている下水道事業もさる4月1日に、終末処理場の開所式が行われ、一部の供用を始めました。
 ことしの事業計画は、南部排水区2,330メートルの排水管埋設工事に2,300万円が計上されています。この結果既設の排水管を加えると総延長は約1万4,800メートルとなります。
 終末処理場施設は、加温真空ろ過設備の工費として4,065万円があてられています。処理場施設はエアロ・アクセレー(微粒物を沈殿される槽)をのこすのみとなりました

■土地区画整理事業 公園緑地など整備
 近代都市づくりを目指し、昭和38年から4年継続で青島津田地区に土地区画整理事業が行われています。その目的は道路、水路、公園緑地などの公共施設の整備をはかろうとするものです。
 ことしは事業費に1億6,295万円、業務費220万円が計上されています。
 事業計画としては、未整備地区8万坪の造成を行うため、道路整備(幅員30メートルから6メートルまで7種類)を5,190メートルにわたり行います。
 また、小潤井川に橋梁2橋を新設することになっています。

■水道事業 水不足解消へ万全
 水道事業会計は、収益予定額9,001万7,000円に対し、事業費用額8,658万4,000円を見込みました。
 ことしは、拡張第三年度の事業を中心に行いますが、その主な事業をみてみますと、泉ガ丘配水池に2,700立法メートルの貯水池を工費2,500万円をもって築造します。
 吉原団地の配水管布設工事に443万3,000円を、富士本地区には第一、第二配水池の築造工費、配水管の布設など1,685万6,000円が計上されているほか、神戸に水源さく井工事を行うため350万円があてられています。

■可決された主な議案
◇岳南2市1町合併促進協議会規約の制定
協議会委員には各市町の長および助役、議長および副議長、議員各5名と学識経験者各2名です。委員の任期は1年となっています。
◇吉原市監査委員事務局設置条例の制定
地方自治法に基づき4月1日より事務局を設置しました。
◇吉原市文化財保護条例の制定
建造物、絵画、彫刻、古文書、演劇などで国や県の指定を受けていないもので、吉原市にあり市にとって重要なもの。
◇吉原市職員定数条例を一部改正
監査委員事務局の職員を三人とすることに決めました。
◇吉原市特別会計条例の一部改正
公共用地先行取得事業会計を加えました。この結果特別会計は18会計となりました。
◇吉原市一般職員の給与に関する条例の一部改正
人事院の勧告により給与改訂を行いました。
◇吉原市民会館条例の一部改正
委員7名による吉原市民会館運営審議会がつくられました。
◇吉原市石坂市営住宅敷地整備事業施行について
石坂市営住宅44戸が老朽したため500万円をかけて整地を行うものです。

◎事務も一部変更
○いままで市長公室に併置されていた行政考査室は3月31日付をもって廃止されました。
○4月1日から国旗掲揚運動に関する事務や行政相談に関する事務は市長公室で行っています。
○成人式、婦人会、青年団などに関する事務は3月31日付をもって、福祉事務所から教育委員会へ移されました。
○4月1日から市民会館の施設を使用する場合、申請の手続きは大ホールが30日前、その他は10日前に改正されました。

国民健康保険料 医療費急増で止むなく改正

入れ歯も保険の対象に4月1日から実施

 吉原市の国民健康保険事業は、昭和30年に発足してから順調に発展し現在7,900世帯、3,300人のひとたちが加入しています。
 しかし、最近は医療費の値上げ受診率の急増などにより市保険財政は苦しくなってきています。
 そこで市では、前記の状況などを考えあわせ、やむを得ず4月1日から保険税を次のように改正することになりました。
 改正される保険税は年間一世帯当り1万1,809円(昨年は8,491円)一人当たり2,828円(同1,923円)となっています。これは昨年に比べると39.5%の増徴となり、一人当たりの医療費には7,439円が見込まれています。これは、38年に比べると約2,300円の増加となっています。
 それでは、吉原市の国民健康保険は、現在どのような状況にあるかみてみましょう。発足当初の昭和30年には82.4%であった受診率は、35年になると222.8%と、2.7倍になり38年は309.8%そして40年になるとじつに360%の伸び率が予想されています。
 このように受診率が増えたのは、36年に給付制限が一部なくなり、昨年の10月には世帯主7割給付が実施されるなど内容が充実するにしたがって、市民みなさんが保険に対する正しい理解をもつようになったからと思われます。
 そしてことしは4月1日から歯科補てつ(入れ歯)に給付制限がなくなり、さらに近い将来には全世帯員の7割給付が実施されるなど、今後ますます受診率の増加が予想されています。
 受診率が増加すれば、当然保険給付費も増えるというわけで、ちなみに給付費がどのようにふえているかをみると、35年は4,187万円。38年には8,900万円となっています。そして40年度の決算見込み額は1億4,847万円が計上されています
 保険給付金が増加するにしたがって、国の負担金も年々増額されていますが、国の負担金が全体に占める割合は、つねに50%程度となっています。ですから残りの増加分については、被保険者のみなさんに負担していただくことになります。
 市保険課では今後ますます内容を充実させ、市民みなさんの福祉向上に努力いたしますが、今度の保険税の改正については、国民健康保険の特殊性を考え、ご協力をお願いします。

御霊よ安らかに… 戦没者の慰霊祭 

 吉原市の戦没者慰霊祭がさる3月25日午前10時から忠魂碑(吉高東側)で関係者多数の参列のもとに行われました。
 西南の役から太平洋戦争に至るまで、名誉の戦死をとげられた英霊は1,716柱で、斉藤市長の祭文、勝又市議長の弔辞のあと遺族会長の渡辺仙太郎さんから「今日、私たちが平和に暮らしているのもみなさん方のおかげです。この日を機会に、再び戦争が起こらないよう、平和が続くよう努力いたします。御霊よ安らかに…」涙ながらの切切たる追悼の辞がのべられると、遺族たちはありし日のわが夫、わが子への思いを胸に“戦いさえなければいまごろは”帰らぬ者へのくりごとを口に「忠魂」の魂におもたげに頭をたれさげていました。このあと、遺族は、市民会館でオールドファッションになじみ深い霧島昇さんを迎えて歌や浪曲でくつろぎの一時をすごしました。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・しめやかにとりおこなわれた戦没者の慰霊祭

ワアーイ!水が出た 富士本西へ上水道が

 吉原市大淵の富士本西地区24戸に、待望の上水道施設が完工し、この通水式がさる3月25日現地で行われました。
 同地区は、富士山麓の標高500メートルの高台のため、いままで飲料水は雨水に頼っていましたが、市が工費1,200万円をかけ中野水源地から曽比奈までの2,200メートルをポンプアップ、さらに曽比奈から富士本まで引水したものです。この日通水式に出席した斉藤市長が蛇口をひねると、あつまった地元の人たちから思わず「バンザイ・水が出た」という歓声があがり、百年来の念願に涙をうかべ喜んでいました。
 この通水で、市内の上水道、簡易水道の給水率は99%となったわけですが、いまだ雨水を使用している同地の約170戸に対しては水道課が水源の確保、給水方法を地元民と相談し、雨水解消を急いでいます。
 なおこの水道完工により大淵第二小学校の給食も近いうちに実現されることになりました。

家庭メモ

(衣)
 桜の花見もすんだところで、冬物の整理を思いきってすませておきましょう。冬物のオーバー、洋服類はぜひクリーニングに出しておきたいものです。毛糸のセーター、毛物のメリヤスシャツなど、自宅で洗えるものは、よくかわかしたあと、必ず防虫剤をいれてタンスやコリにしまうようにしましょう。冬の寝具類の整理はいちばん厄介(やっかい)で、手がかかりますが、フトン皮だけは、ぜひ洗っておきたいものです。
 そのほか、新入学の1年生は身体検査がありますから、4月中旬までに必ず自分でぬいだり着たりできるようにしつけておくことがたいせつです。

(食)
 4月の魚はなんといってもトビウオから始まります。トビウオは、夏の魚のはしりといわれますが、近海のもので味もおいしいし、新鮮さがなによりの魚です。細長くスマートなサヨリという魚も4月から5月にかけておいしい時期です。さらに月末ともなるとカツオが出回りはじめ、食卓をにぎわすことでしょう。
 野菜類では、温室もののキュウリも安くなり、新玉ねぎも店にならび始めます。中旬すぎればタケノコが豊富に出回ります。春の味覚を強く感じさせてくれるフキも出てきて、わたくしたちの食卓をゆたかにしてくれます。

(住)
 このごろは、都会、農山魚村を問わず、石油ストーブを使うようになりました。石油ストーブをしまうときは、石油を全部出しておくことです。シンなども一応はずしてきれいにします。部品は必ず本体のどこかにゆわえておいて、いざ使うというとき、あれが足りないこれがないということのないよう、一定の場所に収納してください。またハエの発生もこの時期です。気温の上昇で捨てた魚の骨や野菜のくずをそのままにしておくこと、ハエの発生源ともなりますから、かんたんなごみ焼き装置を工夫して、できるだけ焼いて、いつもきれいにしておきたいものです。

行政委員のご利用を

 みなさんの中には、国の諸官庁、公社、公団、公庫などの仕事について、いろいろな苦情や、不満をお持ちの方が多いと思います。そういった不平、不満、要望などをお持ちの方は、行政委員を活用してください。
 吉原市では今泉春枝さん(市場町)が行政管理庁から委嘱されてこの仕事にあたっていますから、遠慮なくご相談ください。
 相談は一切無料です。

“無線広報”のお知らせは毎日午前7時45分と午後4時45分。