広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 11月20日発行 内容

下水道 4月から使えます 処理区域の方は排水設備を・・・・ 近代都市への窓ひらく

公共下水道の実現は私たちの夢であり、文化生活のバロメーター。ところが近代都市づくりの名のもと、外観は“より美しく”改装されていますが、肝心の下水道処理になるとなかなか手がつけられず「まち中に汚水」と公衆衛生の貧弱さをさらけ出しているのが、とかくみられるまちづくりです。そこで今月はこうした問題解消にふみ切り、来年4月(一部地域では1月から使用できる)に業務が開始される公共下水道事業にスポットをあて、現況をのぞいてみることにしました。

雨水工業汚水はこまります
 吉原市の公共下水道の整備は、産業経済の進展とともに、急速ないきおいで近代都市化される「町の姿」に歩調をあわせようと、総事業費5億5,000万円をかけて昭和34年から10ヵ年の継続事業として行なわれているものです。
 この下水道工事にあたっては、先進都市を学び、長期間にわたる専門的な研究各種のデーターをもとに、汚水管はすべて分流方式(雨水を除いた一般家庭の汚水だけを注入する方式)をとり、各家庭から集められた“汚水”を下水道終末処理場で科学的に処理し河川へ放流するものです。

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(写真説明)・・・写真は操業をまつ終末処理場

5線12キロが埋管される
 総延長42キロにおよぶ下水道排水管の埋管工事は、和田川を境界線にして北側を北部配水区と名づけ、43年の完工をめざし急ピッチで行われています。
 ところが工事は、道路掘さくと、多額の費用がかかるために、広い地域と短い期間に完工させることは相当困難なことで、着工いらい、いままでにコンクリートヒューム管の埋管された地域は、南部排水区の2号幹線(内径600ミリ)となる日産自動車南側、和田川右岸から大富士ガス会社南側道路付近まで950メートル。2号幹線(内径400ミリ)の前記ガス会社から吉原小学校東側交差点までの250メートル。2号A準幹線(内径350ミリ)の吉小北側から木の元神社まで1,000メートル。2号準幹線(内径600ミリ)の清朝機械前から駅南岳鉄本町踏切、東電南、本町通りまで850メートル同線(内径500ミリ)の本町1、2、3、4、住吉町、昭和通りまでの1,100メートルなど5線約12キロとなっています。
 処理対象区域は、依田原1、2、3丁目東本通り1、2、3丁目、本町1、2、3、4丁目、宮町、大和町幸町、住吉町、昭和通り、日吉町1、2、3丁目、南町、西本通り、伝馬町、西仲町、新通り、緑町、荒田島2丁目、弥生町 宮川町の各一部となり、より現在的な“町づくり”をするため、その処理区域内にある建物の所有者は、だれもが汚水を公共下水道へ流すための設備をつくっていただくことになっています。
 これにより区域内の建物所有者は、別項参考図のような排水設備で汚水の放流をしていただくわけですがここで気をつけなければならないことは、分流方式をとっているので雨水や工業汚水は絶対に下水管に放流しないということです。
 排水設備をするにはたとえ接続します(参考図斜線マス形のもの)までが私設のものであっても、基準が定められているので、必ず市都市計画課で承認を受けなければならないとされています。また洗面所、便器、風呂場、流し場などをつくるときは各器具と管の間に悪臭を防ぐためにトラップ管(S字型)をつけていただくことになっています。
 工事の設計は、いずれも市、あるいは市指定の工事業者に委託し、完全な設計工事、市の承認通知があって、はじめて使用開始届により汚水の排除ができるというものです。

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(写真説明)・・・写真は急ピッチで進められる下水道の埋管工事

水道使用料の半額

 工事にかかる費用を同課できいてみますと、建物の規模構造によって多少違いはありますがじゅうらいの便所を水洗いに改造するには、便器を取りかえ、洗浄のための給水工事をしなければならないので、一般家庭では概ね3万〜5万円くらいかかるといわれます。
水洗便所を設備される方は、充分な知識を身につけて、家庭環境にあった使いよいものを選定されるのがあとあとのために大切なことです。水洗の利点は@伝染病の仲立をするハエ、油虫の発生を防ぐA悪臭がなくなり、掃除がらくになるB幼児でも安心して使用できるC使用料がいままでの汲み取り料より安い。
 下水道の使用料は、条例によって水道の使用料を基準として、市上水道使用者は月間使用料の半額(水洗トイレを含む)、公衆浴場は1立方メートルにつき5円、、自家用井水のある方は1立方メートルにつき15円となっています
 排除汚水量の計算はつぎのようになっています。
@市上下水道の使用者は、使用水道料を排出量とします
A市の水道を使用されない方、市の水道と井戸など自家用の水を使われている方については
(イ)家庭用(動力式の揚水設備は除く)の井戸水共用水道を使用されるばあいは、1世帯5人まで月当り10立方メートルとし、一人増すごとに2立方メートルを加えた量とします。浴そうについては、1個につき月当たり5立方メートルを加算することになっています。
(ロ)自家用井戸と市の上水道を併用されているばあいは(イ)の算出量の2分の1を井戸水による排水量とします。
(ハ)動力設備がなく、家庭用以外に使用されている井戸、共用水道は使用者の人員、業態などによって使用量を決定します
(ニ)動力設備のある井戸共用水道については、機械の性能、使用の状況、業態によって決定します

パイプは南部から北部へ

 こうして吉原市の下水道事業は南部排水区から逐次北部排水区に工事は移行され、43年には市街地は“パイプライン”による衛生的な「町の姿」ができあがるわけです。
※公共下水道についてのお問い合わせは都市計画課へ

‐ イラストあり ‐
(イラスト説明)・・・排水設備はこのように・・・・