広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 7月5日発行 内容

6月議会 機構改革を議決 衛生課・保険課新設
従来の環境衛生、年金、保健は廃止 文書課は市長公室に

 吉原市議会6月定例会は6月29日市議会事堂で開かれました。
 この市議会には、欠員中の助役選任、行政事務の能率化をはかるための市役所課設置条例の一部改正案が提出されました。
 結果、欠員中だった助役には斉藤市長から、青木武雄氏(総務課長)選任の同意がもとめられ、満場一致で承認されました。
 課設置条例の一部改正案についての審議では、従来の保険課、環境衛生課、年金課が廃止され、新しく衛生課と保険課が設置されました。これを順次説明すると、保険課で事務のとられていた予防衛生(結核健康診断、狂犬病予防、伝染病予防など)と環境衛生課(防疫)といっしょにして衛生課の名称で、保険課の国民健康保険の業務と年金課(国民年金)の業務をあわせ保険課として、文書課は市長公室と改められました。

高まる五輪ムード

 「オリンピックを成功させよう」オリンピック・デーの6月23日、市内で盛大な慶祝記念行事が行われた。
 この行事は、吉原市教育委員会、体育協会らが中心となって、市民に100日足らずに迫ったオリンピック東京大会への関心と協力を高めようと開いたもので体協関係者、婦人会、青年団、ロータリー、ライオンズ、市立商高生など1,300人が参加、中井体協力会長の開式、斉藤市長の式典を祝うあいさつのあと、花火を合図に商高生のブラスバンドを先頭に「東京大会で世界を一つに あげよう日の丸」と赤、青・・・・色とりどりのプラカードを手にもち、市内目貫き通りをパレード。夜に入ると市民会館で“オリンピック・市民の集い”も開かれ、民踊友の会員による五輪音頭、映画の夕べと市民を楽しませ、五輪ムードを盛りあげていた。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・五輪の小旗やプラカードを手に市内を行進する市立商業高校生

統計図表の作品展 小・中・高生徒を対象

 市と教育委員会では、ことしも市内の小、中学生および高校生を対象に夏休みの課題として統計図表の作品を募集します。
 統計とはいろいろなものの集まりを調査して数字に書きあらわしたもので、これを図で示したものが統計図表です。これは誰もが容易に、そして直感的に内容が理解できるのが特徴です。この統計は経済、社会の基礎となる重要なものですから多数出品してください。
 募集要領はつぎのとおりです。
◇応募資格
第一部 小学校児童
第二部 中学校生徒
第三部 高等学校生徒
◇規格
作品の大きさは第一部(小学校)第二部(中学校)とも72.8×51.5センチ(B列2版仕上寸法)第三部(高等学校)は103×72.8センチ(B列1版仕上寸法)とし、用紙は画用紙またはケント類を使用してください。
◇締め切り日
9月5日までに各学校を経て教育委員会へ提出
◇入選
1部、2部、3部とも市長賞1点、教育長賞1点、佳作5点をもって入選とし、広報よしわらに発表する。
◇展示
9月中に市民会館または市立図書館に展示する。
◇注意
作品の裏面に住所、学校名、学年、性別、氏名を書き、作品の下部に25.7×18.2センチ(B列5版)の用紙に統計資料の出所を明記したものおよび学校名学年、氏名を書いた用紙2枚を貼布すること。

身寄りをさがす運動

 病気、家庭不和、結婚問題、就職、就学、事業の失敗あるいは生活苦などの理由で自殺する人がひじょうに多くなっていますが、その大半は肉親にひきとられて手厚く葬られています。ところが中にはその身もとがわからないため、肉親にひきわたすことができないまま異郷の地に“無縁仏”としてさびしく眠っている死体もあり、その数は全国で16,121体、本県だけでも893体あります。
 これらの身もと不明の死体を肉親のもとに返そうと「自殺者の身寄りをさがす運動」を昨年の7月1日から31日までおこないました。この期間中に巡回相談所を静岡、浜松、沼津の三ヶ所に設けて相談に応じましたが、351名の来訪者があり、11体の身もと不明死体を遺族のもとに返し、多くの人々から感謝されました。今年も昨年とおなじようにこの運動をおこなうことになりました。お心当りの人は期間中にもよりの警察署におたずねください。

無料法律相談所を開設中

日時 毎週水曜日 午前10時から午後3時まで
場所 静岡地方裁判所吉原支部弁護士控室

助役に青木武雄氏

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・青木助役

 第七代の吉原市助役に選任された青木武雄氏(前市総務課長)は「私の助役選任が、満場一致で議会の同意を得られましたことは、私のもっとも光栄とするところです。
 もとより、自分の体験から助役の立場がどういうもので、どういう責務のものであるかはよく承知をしております。それが故に、これを受ける器としては小さいことも自分が一番よく知っておりますが、みなさんの同意を得まして就任いたしました後は、ご期待に沿うよう一意専心、吉原市政発展のために思いを新たにいたすものです。しかし私個人がいかに努力いたしても、なかなかこの重責は果たし得るものではありません。ひとえに議会並びに市民各位のご協力をお願いします。」と議会であいさつ、ただちに6月29日付けをもって助役に就任いたしました。

(青木氏の経歴)
吉原市伝法3,079(三日市)明治45年5月15日生(52才)昭和15年10月伝法村役場に吏員として奉職、16年7月から21年5月まで応召、21年6月、吉原町国民健康保険組合書記をふりだしに、厚生課長、学務課長、教委庶務課長、選管書記長、産業経済課長、社会課長兼福祉事務所長、課税課長を歴任、昭和34年6月、堀野喜之助氏(現収入役)のあとをつぎ総務課長に就任。公務員生活は24年。

7月メモ

‐ イラストあり ‐

(衣)
つゆのあと始末は主婦のひと仕事です。押し入れ、げた箱、台所の戸だな、タンスの衣類、靴などカビの巣になっています。熱いお湯に消毒洗剤を入れ、きつくしぼったぞうきんですみずみまでふきましょう。衣類はよく晴れた日に虫干しをします。また庭木や草木の根本にしきわらをやったり中耕したりしてま夏の強い日光から土俵にでている根をまもってやりましょう。

(食)
このごろのように暑くなるとスタミナがなくなってきます。そこでお母さんがたは料理をくふうして一家の健康に気をつけなければなりません。スタミナをつける食品にはモツがあります。ちょっと敬遠したくなる材料ですがよく塩でもんで洗ったり、血ぬきなどをして料理するとおいしいものです。肝、心臓など血ぬきしたものは、きざんで野菜といっしょに強い火でいためるとよいし、胃腸などの煮こみをつくるには、十分ほどゆで、さらによくもみ洗いをしてからネギやしょうがをいれ、2時間ぐらいゆでます。このあと小さくきざんでさらに甘味をつけて煮るとくさみもとれておいしくいただけます。

(住)
暑い暑いといって裸になるのは逆効果のばあいがあります。とくに赤ちゃんを裸にしておくと、かえってアセモノができます。タオル地かもめんでできた下着を一枚着せておくとあせを吸いとりかえってすずしいものです。
赤ちゃんにかぎらず、こどもはひる寝をすると汗をかくものです。こんなとき水まくらをしてやると気持ちよくねむります。暑いといって水をかぶる人がいますが、これも逆効果です。水をかぶるとかえってあとがカッカしたり、体のベトつきがとれません。それよりも、ぬるま湯の行水がさっぱりします。もちろん、おふろがあればこれにしたことはありません。

みんなの声 “ハートビル運動”はどうなっているか

‐ イラストあり ‐

 精神薄弱者のために収容施設をつくろう…と以前から呼びかけをやっていたハートビル運動は、その後どうなっているのですか。
 私の親戚にも薄弱児がいます。親のくろうは大変なものでもし自分だったらと他人ごとに思えません。1日も早く施設ができるようにしてください。
三日市 佐野(32才)
「知恵のおくれた子どもたちが安心して楽しく暮らせる場所をつくろう」と38年3月に発足したハートビル(まごころ運動・小沢胤会長)は、市民のあたたかいまごころと尊い努力にささえられて成長し、げんざいまでに252万円が寄付されました。
 すでに38年3月には市内大淵曽比奈地区(精神薄弱者収容施設・富士見学園となり)に6,700平方メートルの建設敷地を購入、第一期工事として鉄筋コンクリート3階建てのビルの建設も待つばかりです。しかし土地を購入したとはいうものの資金が目標額の一割にも満たないためまだまだ建設までは手がとどかないのが現状です。
快調なすべり出しをみせ一時は市民の間に1円運動にまで発展したこの運動もさいきんはひとつの口にものぼることがなく成績もあまりよいとはいえません。
 たとえわずかな金額でもそれがつみ重なって大きな力を発揮するものです。
 みなさんもできる範囲でまごころ運動に協力してください。(福祉事務所)

人口の動き(昭和39年5月31日現在)

男 4万3,670人
女 4万2,911人
計 8万6,581人
世帯数 1万8,721世帯