広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 3月1日発行 内容

第7回「紙業振興大会」開く “紙”の重要性を周知徹底

県製紙工業試験場の落成もかねる

第7回静岡県“紙業振興大会”は来る3月23日から25日までの3日間にわたり、市立体育館で開かれます。この大会は、近代的な文化生活をおくるうえに、かかすことのできない「紙」の重要性をもう一度認識させるとともに、その周知徹底と普及をはかることを目的におこなわれるもので、時間は毎日午前9時から午後5時とされます。

 最近における紙および紙製品は高度の技術や品質の向上となどで日一日と新しい分野を開拓しています。吉原市における製紙業界も、昭和38年度においては前年を27億円うわまわる398億円もの生産額をあげています。
 ところが、この実績のかげには貿易の自由化など、かずかずの試練、問題があったことを忘れてはなりません。ここで、貿易自由化ができる以前の製紙業はどうなっていたか、ふりかえってみましょう。
 まず、日本に製紙が伝わってきたのは、今から670年前に推古天皇の時代で、朝鮮から入ってきました。吉原市にも延喜元年「駿河より紙をつぐ」、また、このころ鎌倉幕府がつかった紙にも「駿河半紙」の4字がありました。そして、その産地は市内三日市といわれ、これが一般に知られるようになったのは慶応年代(360年前)とされています。また、この原料としてつかわれたミツマタは明治2年ごろから計画的に栽培されるようになり、原田、吉永、須津、愛鷹に多く植栽されていました。
 明治20年には、今泉村に製紙教習所も創設され、その後吉原地区の製紙は立地、資源を軸に向上普及の度をはやめました。
今泉村誌によると「明治44年12月の現在工場数10、職工70人、年生産額5万円」と記録されています。
 その後、出版ブームで業界は異常な黄金時代をむかえ、さらに吉原地区で考案された両面仙貨紙が好評をはくし、チリ紙などの出現によって、パルプ工業は一段と盛んになり、昭和37年10月に貿易自由化をむかえ現在にいたっています。
 このように、時代の流れとともに紙の質もかわり、今では紙のもつ美しさ、清潔さ、簡素さはあわただしい近代人に新鮮さと快適性をあたえてくれます。
 これら、紙の重要性を一般市民に知ってもらうことも含めておこなわれる紙業振興大会は。このほど新しく市内伝法町前川原(弥生町)にできた静岡県製紙工業試験場の落成もかねておこなわれるものです。
 会場には、紙カップ、ナプキン、紙、タオルペーパー、温床紙、紙器、造花など約1,000点が展示され、中日の24日には“紙の文化生活展大会”が午後2時から午後4時30分まで市民会館で開かれます。みなさんも多数出席しましょう。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・できあがったポスター

療養手当などを支給 優遇される戦争の負傷者

 戦争中の軍務によって負傷したり、病気になった人のために政府では昭和38年11月1日から戦傷病者特別援護法を施行しました。これには、(1)戦傷病者手帳の交付(昭和39年10月31日までには、認定票がこれにかわります)、(2)療養の給付(指定病院で治療)、(3)療養手当の支給(自宅療養の場合)、(4)葬祭費の支給(療養の給付中になくなった場合)、(5)更正医療の給付(指定病院で機能回復訓練)、(6)舗装具の支給および修理、(7)国立保養所への収容(伊東市にある国立保養所での機能回復訓練)、(8)日本国有鉄道および連絡船の無賃取り扱い、などがあります。
 これを受けられる人は次のとおりです。
 ◇旧軍人、軍関係の学生や見習士官など
 ◇文官、警察の職員だった人
 ◇軍の有給嘱託員、雇員、傭人、工員、鉱員だった人
 ◇国家総動員法による船舶運営会の船乗だった人
 ◇国家総動員法による徴用者または総動員業務の協力者
 ◇国民義勇隊の隊員
 ◇満州開拓青年義勇隊の隊員
 ◇昭和20年9月2日以後ひきつづき海外にあって帰還するまでに負傷、疾病で厚生大臣のみとめた人
 このような人は福祉事務所に戦傷病者認定票の申請手続きをしてください。それには次の書類が必要となります。
 (1)住民抄本
 (2)写真2枚(1年以内に撮影したもので正面上半身で無帽なもの)
 (3)恩給証明、傷病恩給、保管証明書などの写し)
 (4)証書などを所持している人は、この外に履歴書、公務上の傷病であるという証拠書類、症状経過書、傷病状態について医師の診断書も必要です。

入居手続を開始 市営、県営住宅

 吉原市内の住宅難を解決するため、昭和37年度から39年度の3年計画で石坂北方の茶ノ木平(通称吉原団地)に建設をいそいでいた市営、県営住宅も第二期分の完成を今月末にひかえ、もっかその入居手続をおこなっています。希望する人は市建築課に申し込んでください。

◇入居資格
(1)市内に住所か勤務所があり、同居または同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが、事実上婚姻関係と同じような事情にある人をふくむ)で、2人以上の世帯をつくり、規定された家賃や、居住に必要な経費を支払う能力があって、次にあげるもののどれか一つに該当する人
イ)住宅以外の建物に住んでいるか、保安上危険または衛生上有害な状態にある住宅に住んでいる人
ロ)現在ほかの世帯と同居しているが生活上で非常に不便をうけている人。または住宅がないため親族と同居することができない人
ハ)住宅の規模や間取り、世帯構成との関係からみて、衛生上や風致上不適当な居住状態にある人
ニ)正当な事由による立ち退きの要求を受け、適当な立ち退きさきがないため困っている人(自己の責に帰すべき事由にもとづくときには除かれます)
ホ)住宅がないため、勤務先から遠くはなれた地に居住を余儀なくされている人や、毎月の収入にくらべて非常に多くの家賃を払っている人
(2)入居者や、その家族の過去一年間の所得金額を12でわった額から扶養親族一人について2,000円を控除した額が36,000円以下20,000円までの人は第一種住宅に、また20,000円以下の人は第二種住宅で、家賃その他居住に必要な経費を支払う能力があるとみとめられる人
(3)税の滞納がない人
(4)市内に居住して、申し込み者以上の収入がある保証人2人が必要です
◇家賃および敷金
市営住宅は全部で55戸
第一種簡易(2階建て)12戸
家賃‐3,800円程度
第一種簡易(平屋建て)12戸
家賃‐3,400円程度
第二種簡易(平屋建て)31戸
家賃‐2,500円程度
県営住宅は全部で12戸
第一種簡易(平屋建て)
家賃‐3,600円程度
◇受付期間‐3月11日まで
※土曜日の午後、日曜、祭日は受付けが休みとなります。

告知板

◇小児マヒの予防接種の実施
小児マヒを絶滅するための生ワクチン投与を次により実施します。
該当者 昭和36年12月2日から昭和38年11月30日までに生まれた乳幼児です
日程 3月9日(東小学校、橘幼稚園)3月10日(吉永支所、原田支所)3月11日(元吉原幼稚園、鈴川公会堂)3月12日(大淵第一小学校、神戸小学校)3月13日(体育館、今泉小学校)3月14日(曙幼稚園、伝染病舎)
時間 どの会場も午後2時から3時までです。
料金 無料

◇肢体不自由児の相談所開く
肢体不自由児の療育相談を次によりおこないますから、小児マヒ股関節脱きゅう、事故や病気の後遺症などで肢体が不自由な人は相談してください。
ところ=市民会館の第三集会室
日時=3月10日午前9時‐午後2時30分
相談内容=(1)肢体不自由児施設への入所相談 (2)育成医療相談 (3)身体障害者手帳交付相談 (4)補装具交付および修理相談など

◇固定資産課税台帳の縦覧のびる
固定資産課税台帳の縦覧は、従来3月1日からおこなわれていましたが、税制改正によって4月1日から4月2日までに変更されました。

◇五輪ガイドを募集
10月10日から東京で開かれるオリンピックにそなえ、運輸省では英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語の通訳を募集しています。願書受付けは3月2日から3月11日までです。くわしくは市総務課に問い合わせてください。

◇自衛隊員の手続は市民課で
市民課では現在、自衛隊員(2等陸海空士)を募集しています。
日本に国籍のある18才以上、25才未満の男子はだれでも入隊する資格があります。希望者は市民課で手続きを受けてください。
なお、くわしくは来月号(4月1日発行)でお知らせします。

係より

みなさまに愛され、親しまれている“広報よしわら”も4月から新たに、月2回発行することになりました。担当者一同、みなさまの期待にそうよう全力を注ぎますが、みなさまも、広報に関するご意見、ご希望をどしどし係りまでおよせください。

危険シーズン目の前
(家庭)温かく悩みほぐす指導を
(地域)問題発生防止運動を展開

 こどもたちにとってもっとも大切な3学期もあますところ20日たらず、たのしい“春休み”がもうすぐそこまできています。
 しかし、この3月の休みが、こどもにとって一番危険なことを忘れてはなりません。
 気候も和らぎ、学年のひとくぎりとして宿題からも開放されるなど、こどもたちもついはめをはずしがちになります。なかでも最終学年にあるこどもにとっては、進学や就職の問題がからみ、当人はもちろん親としても非常に心配なことでしょう。こういうときはこどもの立場になって相談にものり、むりな要求はしないで温かくいたわりながら指導することが大切です。
 3月は、問題発生防止月間でもあります。次のことは十分に守り可愛いこどもさんを悪の手から守りましょう。
(1)どんな小さな問題でも、軽く考えないで問題の探求をはかりハッキリした処置をとる。
(2)こどもの持ち物にはいつも注意して、親の知らないものがあったら気をつける。
(3)知らない友達が、たびたび遊びにくる様になったら注意する
(4)学校と家庭、地域社会および福祉事務所とのつながりを強くする。
(5)親として、こどもの毎日の行動を愛の眼でみまもる
 集団事件の発生や学年末の事故は、各家庭の温かいおもいやり一つで未然に防ぐことができるのです。しかし、世の親たるものすべてが、自分のこども可愛さのあまり、こどもの立場も考えないで、むりな要求をしたり、じれったさのあまりぐちをこぼすなど、知らない間にこどもの“反抗心”を養成しているのです。これではかえってひねくれてしまいます。こどもの自尊心をきずつけることのないよう注意したいものです。
 また、春休みの活用としてこんなことを実行してみましょう。
◇小学生
 一年間をふりかえり、そのとりまとめや整理をしましょう。中高生とちがい、自主性のとぼしいときですから、この休みを利用して、勉強や生活面でどんなところに努力点をおいたらよいのか、こどもと話し合って、能力にあった目標をみつけ、努力するように励ますことが必要です。
◇中学生
 心身の発達がめざましく、しかも、そのバランスがとれないという動揺のはげしい、問題の多いときです。1、2件には不得意な教科の学習に一段と努力するように自覚させ、3年生では進学や就職のため、不安とあせりで反抗的となりやすいため、加重な期待や負担をかけないようにしましょう。
◇高校生
 年令的にも個性や自制力がかなりつき、家庭でもこの点を助長して自立性を高めていくようにするとともに、肉体的にも大人並みで家庭を離れて仲間同士で行動することがおおくなりますから、つねに動静をみまもり、助言することを忘れないことです。
 なお、米山務氏(今泉地区青少年対策委員長)が自宅において、今泉子供相談所を開設していますのでみなさんも活用してください。

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( 写真説明)・・・机に向かう良い子の習慣

農作業メモ

◇みかん
(1)枝のせん定 木の内部まで陽があたるようにせん定します。なりすぎた木は軽く、裏年の木には新しい梢をたくさん出させるようにせん定することがたいせつです。
まだ遅くまでコモをかけておくと花芽が遅れますから中旬までにはとりのぞきましょう。
(2)病害虫の防除 発芽前(中‐下旬)には、ソーカ病、コクテン病アカダニなどが発生しやすいので銅水銀剤の千倍液または水銀剤加用6-6式ボルドー液にダニ剤を加えて散布し、防除をします。
(3)苗木の植えつけ 輸送されてきた苗は根が土で固められていますから、水洗いして土を落とし、根をほぐして植えつけます。

◇お茶
(1)春肥の癒し方 10アールあたりにつき成分量で窒素12キログラム、燐酸12キログラム、カリ8キログラム、苦土石灰百キログラム程度を、土に混ぜ込むようにして施します。また同時に深さ10センチメートル内外の中耕もしておきましょう。
(2)病害虫の防除 茶ハダニを防除するためには、テデオンまたはフエンカブトンの千倍液を散布します。苗木の定植は3月下旬から4月上旬にかけて行いましょう。

おしらせ

犬の放し飼いはやめましょう