広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 3月1日発行 内容

受験生の利用めだつ 閲覧者でいっぱいの市立図書館

 2月11日開催された“文化センター”市立図書館は連日閲覧者がつめかけ大賑わい、ことに時節がら中学高校の受験生の利用が目立っています。
 この図書館は今泉地区水の上の旧今泉小学校跡に総工費6,200万円をかけて建設されたもので鉄筋コンクリート2階建て(一部3階建て)で冷暖房の設備もなされているという立派なものです。1階には児童閲覧室(児童専用の玄関、水のみ場、洗面所、トイレなどがあり、定員は50名です)郷土資料室(古代から現在までの市の発展や歴史をものがたる資料が展示されています)そのほか、応接室、作業室、管理事務室などがあります。
2階には一般閲覧室(図書数は約12,000冊があり、一度に200名が閲覧できます)よみもの室(経済評論、法律時報、国文学の解釈など、あらゆる雑誌が用意され自由に読むことができます。定員は60名)新聞閲覧、休憩室(ここは憩いの室で、気軽に新聞をみたり、喫煙、談話もできます)などがあります。なお、3階には食堂が設けられ、食事をされる人のあめに湯茶の設備もあるなど自由に利用できます。
 開館時間は毎日午前9時から午後5時までです。ただし毎週月曜日、祝日、毎月の最終日、ばく書期(10月中に10日間以内)年末年始などは休館されます。
 みなさんが図書館にいって図書の閲覧をするときには、分類書名著名目録のどちらかで読みたい書物をさがしてから閲覧表にそれを記入して係員に請求すれば同時に2冊を読むことができます。また館外の貸出しを希望する人は、まず図書館から保証書を受けとって保証人をきめて提出します。この場合、保証人は同居人でない人(ただし市内に住んでいる人で中高校生は、あなたの保護者を保証人としてください。)です。図書館では提出された保証書をもとに保証人あてに案内状を送りますからそれを受けとってから図書貸出券とひきかえてください。中学生以上で1回2冊まで貸出され期日は10日間とされます。
 吉原市にはじめて図書館ができたのは昭和26年の4月、当時は教育委員会のなかに併設されていました。しかし昭和30年の町村合併により旧吉原小学校の講堂にうつされ、蔵書も2,100冊を数えるようになりました。そのご、蔵書の増加、利用者の増加など、また市民の強い要望にこたえるため、今は亡き金子前市長が、文化の香り高い吉原市にふさわしい立派な図書館を建てようと昭和36年あらたに市立図書館を新設することを議決、今日の立派な図書館をみるにいたりました。
 斉藤市長も「在りし日の金子市長さんにふさわしい立派な図書館の完成により、いかにその生涯をううじて文教施策、青少年の健全育成に心魂をむけられたかがわかります。今後は、この施設にふさわしい内容の整備と充実を図っていくかくごです。」と完成の喜びとともに決意のほどを示しています。
 この図書館も開館いらい連日閲覧者でにぎわい、とくに受験期にある学生たちの利用がめだちます。
これからも多くの市民に愛され親しまれ、心の故郷としてその振興に大きく貢献することでしょう。
 なお、図書館の蔵書購入のため生前の金子市長さん、そのご遺族をはじめ、県立図書館長の今泉勇氏、保坂組社長保坂政雄氏、市収入役堀野喜之助氏、浪花軒店主左海豊氏などから多額の資金がよせられています。市民のみなさんも、図書の内容を充実させるために協力をお願いいたします。

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3月27日投票“農業委員”選挙

 吉原市選挙管理委員会では、市農業委員会委員の任期満了にともなう農業委員選挙を3月17日に告示、3月27日投票と決めました。
 立候補できる人は、吉原市に住んでいる満20才(選挙期日において)以上の人で、一反歩以上の農地を有し、耕作の業務を営んでいる人です。しかし、同居の親族やその配偶者で年間に60日以上耕作に従事していれば立候補することができます。
 立候補の届出期間は3月17日から3月22日で、時間は毎日午前8時30分から午後5時までとなります。
 なお、選挙する委員の数は26名(市の条例で定めてあります)です。立候補届けに必要な書類は市民課に用意してありますから、早めに受けとってください。
 立候補届けについてのくわしいお問合せは、市選挙管理委員会(市民課内)におたずねください。

きびしくなった交通規則

 日増しに激しくなる交通事情を緩和して、交通の安全、円滑をはかろうと県公安委員会では道路交通法を一部改正、去る2月1日から実施しています。
 静岡県の交通規則ができたのは昭和35年でした。それから現在まで国道一号線(東海道)の交通量は2倍にもなり、昨年などは29,461件もの交通事故が発生、そのうち死亡者は614人、負傷者は16,903人をかぞえています。件数では昭和35年の7割増で、今年はおそらく2倍をこえて年間35,000件に達するのではないかと言われています。このような状況の中で、県内の交通を少しでも安全に、しかも円滑にすることができるよう、こんどの改正となったものです。
 改正された主な点は次のとおりです。
(1)自転車の二人のりはいけません。
(2)自転車の積み荷は、最大巾80センチまでです。
(3)下駄ばきや、着物を着て自動車を運転すると場合によっては罰せられます。
(4)とっさの場合に、安全を失いがちな荷物をかついだり」、前がみえないようなものをもって自転車を運転してはいけません。
(5)自動2輪車や、第2種原動機付自転車(50cc以上のバイク)に他人をのせるときには、横乗りをさせてはいけません。
(6)土砂や、石、水などを落としながら走ることや落としそうな積み方をして車の運転することはやめましょう。
(7)夜間つけなければならないライト以外のライトをやたらにつけて走ってはいけません。
(8)道路でのたき火はやめましょう
(9)自動車のドアーをあけたり、閉めたりするときは、ほかの交通のじゃまにならないことを確かめてからにしましょう。
(10)商品や、有料預かりなどの車は道路においてはいけません。
(11)ジクザク運転はいけません。
(12)通行区分帯を通るときは、ほかの交通のじゃまになるような遅い速度で走ってはいけません。

県立“富士見学園“完成 社会で働けるよう指導

全国13番目の成人精薄者収容施設

“知能が低いため、働くことができずに毎日を自宅で送っている成人精薄者を一定期間収容して、社会的更生に必要な生活訓練、職業訓練をおこない明日への希望をやしなおう”と昭和37年7月から市内大淵地区八王子本町に総工費4,000万円をかけて建設をいそいでいた県立「富士見学園」もすでに完成、2月15日から開園しました。

 この施設は全国に300万人はいるといわれる成人精薄者を適正な施設で訓練して正常な社会生活に入ることができるよう、またこうした施設のおくれをとりもどすために県が精神薄弱者福祉法にもとずいて設置した援護施設で全国では13番目(国立)という貴重なものです。
 子どものための施設は各小、中学校などにもみられる特殊学級といようなもので不足ながらもみとおしは明るいものがあります。
しかし県下には5万人の成人精薄者がいることを忘れてはなりません。定員70名のこの学園ではとうてい全部を処理できませんが、これを機会にそのおくれを少しでもとりもどそうというのがこの施設のねらいです。
 鉄筋コンクリート2階建ての宿舎、鉄骨耐火造平家建ての管理室同作業所、同食堂からなるこの施設は、その指導方針を(1)精神薄弱者福祉法にもとずき、入所者はあたたかいふんいきの中につつみ、不等な劣等感をとりのぞいて安心した生活ができるようにする。
(2)規則正しい団体生活をつうじて正しい習慣をつけさせ、社会生活をやっていけるための能力をつける。(3)入所者ひとりひとりの長所をみつけ、それをひきのばし訓練する。…としています。
 入所資格は18才から35才までの精薄者で、その訓練期間は3年以内とされ、この間に第一段階として緊張の緩和、気持ちの安定、集団生活への適応、劣等感の除去を、第二段階として身近の自立指導(起床、洗面、排便、食事、入浴、着脱衣、衛生など)を、第3段階として作業指導、言語応待学習、体育を、第四段階として職業指導、園外実習(作業をつうじて共同生活のしきたりや他人との協力習慣をつけさせる)などをおこないます。
 訓練に必要な費用は県がほとんど負担しますから不要ですが、負担能力がある人からは一日100円の食費を納めてもらうことになっています。
 同学園の計画では、とりあえず3月いっぱいは20人だけ入園させ、6月ごろには定員の70人を予定していますが、すでに120名もの申込みがあり、いかに待ち望まれて施設かがわかります。
 なお、この学園で成績のよい者は将来、吉原市内の事業所にかよわせて実施訓練をっせるようにしたいとのことで、地域社会の熱意と協力を市民によびかけています。
※入所手続きについてのくわしいお問合せは市福祉事務所、当学園または静岡県民生労働部厚生課にたずねてください。

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( 写真説明 )・・・開園した高台の富士見学園

所得税は3月16日までに 申告しないと高い税金
税の相談所も開設

 3月は所得税と住民税・事業税の申告期です。
 所得税は3月16日までに、また住民税・事業税は3月21日までに申告しましょう。申告しないと扶養控除や保険控除などが受けられないため高い税金となってしまいます。このため税務署・県税事務所および市役所では、みなさんが納税しやすいよう“税の申告相談所”を開設することになりました。
 相談は次によりおこないます。
相談日…3月16日まで(但し土曜日の午後、日曜日は除く)
ところ…富士県税事務所2階
相談に必要なもの…(1)扶養家族や専従者の氏名、生年月日、続柄を書いたメモ。(2)生命保険料控除を受けるには1年間の支払保険料が9,000円以上の方は…保険会社の証明書を、また、9,000円未満の方は…証書の番号、契約書が必要です。(3)国民年金や国民健康保険の38年中の支払保険料の証明書または領収書が必要です。
その他…この期間中は所得税だけでなく住民税、事業税の相談もおこないます。

◇税の申告をする人は
(1)所得税、住民税、事業税の申告書が届いている人。
(2)昨年中の所得が基礎控除(所得税は107,500円、住民税は90,000円)と配属者控除(所得税は103,750円、住民税はなし)それに
扶養控除(所得税は(1)控除対象配偶者があるときは15才以上50,000円、15才未満33,750円)(2)控除対象配偶者がないときは一人目70,000円15才以上50,000円、15才未満33,750円、住民税は一人目70,000円(配偶者に50,000円以上の所得があるときには50,000円)2人目以下各人は30,000円)の合計額より多かった人。但し給与所得者で給与以外の所得がない人は除かれます。
(3)事業税の申告は(1)(2)に関係なく昨年中の事業所得が20万円以上の人すべてが申告しなければなりません。
※申告書に住所を記載するときには、今泉43番地の(和田町1丁目)と云うようにしてください。

税務署が移転

 富士宮市宮本町にあった富士宮税務署は、去る2月14日から、富士市本市場297番地の1に移転しました、このため名称も富士税務署になりましたのでお知らせします。

市民の動き(昭和39年1月31日現在)

男 4万3,560人
女 4万2,487人
計 8万5,547人
世帯数 1万8,275世帯