広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 2月5日発行 内容

春さきに多い成人病 昨年は173人が死亡
害になる漬物、塩臓物のとりすぎ

 成人病ということばを最近よく耳にします。成人病とは一体どんな病気でしょうか。
 それは、脳卒中、ガン、心臓病の三つをさします。
 昔から、国民の死亡率の高かったのはなんといっても結核によるものでした。ところが、新しい薬や医学の進歩で死亡率は少なく、今では脳卒中、ガン、心臓病が三大死亡原因となり変わっています。
 ここで吉原市における昨年中の死亡数をみてみますと、高血圧によるものが85人、心臓病によるもの55人、ガンによるもの33人となり、それも大半が40才‐50才という家庭でも、社会においても中心的な人に多く、年々増えているのが現状です。
 よく成人病について「早期発見早期治療はなぜ必要なのか」「どんな症状がはじめに現れるか」「きまった時期に健康相談をしなければならないのはなぜか」などいわれますが、これについてみてみましょう。
◆高血圧症について
 高血圧は食生活に関係がふかく冬から春さきにかけて血圧が高くなったり、症状が長くつづいたりします。
 冬は新鮮な野菜が少なく、とくに農山部では塩からい漬物や、塩蔵物をたくさん食べるので、しらないうちにビタミンCが欠乏し、塩分のとりすぎになっています。
 これが原因となって動脈が硬化し、高血圧症になりやすいといわれます。
 冬はとくに食べものに注意して新鮮な野菜を多くとるよう心がけ血圧が高いといわれる人は、激しい運動をさけ、規則正しい生活を送ることが大切です。酒やタバコもひかえめにして、適当に休養して、精神の安静をはかりましょう
◆心臓病について
 これは先天性、リューマチ性、動脈硬化性、梅毒性、ビタミン欠乏などの原因からおこる病気とされています。
 予防法はなんといっても、初発症状の時期にみつけて、手おくれにならないようにすることが大切です。その症状としては…第一に息切れがすること、動気がはげしいこと、狭心症状があることなどです。このような自覚症状があったら、すぐに専門医にみてもらうことです。古くから、息切れは心ぞう病の前ぶれとかいわれています。
◆ガンについて
 どんな病気にもいえることですが、悪性の貧血をおこし、顔色もさえず、だるい、食欲もないなどの自覚症状があらわれます。
 次にあげることには充分に注意してください。
(1)原因がわからないのに、顔色が悪くなったり、やせたりする(すべてのガン)
(2)声がかすれて、なかなか治りにくい(咽頭ガン)
(3)せきが続き、たんに血がまじったりする(肺ガン)
(4)物をのみこむとき、つかえるような気がする(食道ガン)
(5)長い間、胃のぐあいが悪く、また食欲がおとろえたり、食べ物の好みが変わった(胃ガン)
(6)原因がわからないのに黒い便がでたり、便に血がまじったりする(胃ガン)
(7)出血したり、おりものがふえたりする(子宮ガン)
(8)外からふれるシコリや、乳房のなかに消えないシコリがある(乳ガン)
 このような自覚症状がみられる人は、医師の診断を受けることです。早期に発見して適切な処置をうければ成人病もそんなにおそろしい病気ではありません。

“文化センター”市立図書館2月11日開館

市民の教育文化の向上をはかるため、昭和37年4月から今泉地区水の上に総工費6,200万円をかけて建設を急いでいた“文化センター”市立図書館は2月10日に落成披露し、翌11日待望の開館となります。
この市立図書館は鉄筋コンクリート一部3階建てで、1階には児童閲覧室(小学生から中学2年生ぐらいを対象、定員は40名)郷土資料室、事務室、応接室があり、2階は一般閲覧室(定員200名)休憩室、新聞閲覧室、読物室となっています。
図書館の完成をみたいま、吉原市の教育、文化はより以上発展の歩をあゆむことでしょう

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( 写真説明)・・・できあがった市立図書館

1,800名が晴れて成人

 第16回吉原市成人式は、去る1月15日市民会館でおこなわれました。
 この式には、晴れておとなの仲間入りをした1300名が参加、場所は、“新しいおとな”たちでいっぱいでした。
 この日を祝い、市からおくられた成人手帳、記念品を手にした成人者を前に青木市長職務代理は「将来りっぱな社会人となうため自己の生くべき道をしっかりみきわめ権利、義務を守り公民としての責任を十分自覚してください」と激励、これに対し、成人者を代表して大川高之さん(中里町)が「今日成人の日をむかえた私たち1800名は、明るい社会をつくるため、よき市民、よき日本国民となるよう努力します」と誓いのことばをのべました。なお、市婦人会の主唱による成人式ふだん着運動も、その効を奏し、晴着の人はわずか30名たらずという成果をおさめました。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・市民会館大ホールでの成人式

内山土地の借地手続始まる 締切りは2月29日

 内山土地の賃貸借契約期間は昨年の条例改正によって、3月31日で満了となります。このため新しく申請によって契約を結ぶことになりましたから、借地を希望される方は次により申し込んでください。
資格…吉原市に5年以上住みひきつづき住所をもっている方はすべて該当します。
名義変更…資格のない方で、現在なお借地している方は、2月29日までに変更の手続をしなければなりません。なお、それ以後4月30日までは受け付けを停止します。
借地申請…現在契約の貸地証をもっている方は2月29日までに借地申請書を提出してください。
契約締結…4月1日から4月30日までのあいだに契約を締結して、土地の貸付証を交付しますから、住民票抄本、印鑑証明を提出してください。
また、未成年者は親権者、後見人を明らかに書類、および旧貸付証、旧契約書を提出してください。また権利金、証券交付のときは手数料を納付しなければなりません。

国民健康保険の注意点

 国民健康保険は、みなさんが納める保険税(料)が大きな財源となり、納められた金額は、国からの支出金とあわせ、全部医療費につかわれています。
 保険税は、世帯の収入、財産および人数などによってかけられ、その納期は1期=4月から、10期=1月(2、3月は休み)となっています。
なお次のことには注意しましょう。
◆治療を受けるときには
(1)初めて医師にかかるときには必ず保険証を提出しましょう。
(2)医師の許可なく転医するのはやめましょう。
◆第三者行為などの場合には
 自動車やバイクなどの事故があって、診療を受ける場合は保健課へすぐに届けましょう。
◆保険証と印鑑を持って届けましょう
(1)出生、死亡があったとき(助産費、葬祭費などがもらえます)
(2)転入、転出、住所、世帯主が変わったとき。
(3)他の健康保険に加入したとき、または脱退したとき。

越冬害虫の一斉退治 2月3日〜3月10日まで

 環境衛生課では、今年も2月3日から3月10日まで、冬を越す害虫の駆除を実施しします。
今度の駆除は、従来よりさらに効果をあげるために、動力3兼機による煙霧防疫のほかに、全家庭に薬剤を配布、これを下水溝や便槽など害虫の発生源と思われる場所へ撒布していただくことになっています。各ご家庭とも8リットルバケツの用意を忘れないで下さい。
なお、この防除にあたり、特に各町内の嘱託員、環自協の役員、婦人会の役員、隣組長をはじめ、市民みなさまの協力をお願いしたいと係りでは言っています。
巡回作業順序は、元吉原地区、吉原地区、伝法地区、今泉地区、原田地区、吉永地区、須津地区、浮島地区、大淵地区の順に逐次実施いたしますから、各町内で2名づつ誘導していただく方を決めておいて下さい。
こうした害虫の駆除は一軒だけが行っても、決してよい効果はあげられません。隣近所を合わせて害虫を駆除し、衛生的でかつ健康な生活を送りましょう。

コレラから仔豚を守ろう

 市農政課では、家畜業者および生産者の協力により“仔豚をコレラから守ろう”と昨年の6月から仔豚方式による豚コレラの予防注射を実施、すでにその数も2,900頭にたっしています。
 これは科学が進歩した現在でも有効な治療薬品がないとおそれられている豚コレラを、仔豚方式いよって未然に防ぎ、養豚事業の振興をはかろうとするものです。
 仔豚方式というのは、生産者から家畜業者または農協への出産申告にもとづいて実施するもので、生まれたばかりの仔豚が親豚からはなればなれにならないうちに予防注射をして、コレラの感染を防ぐものです。
 病気の出る一番の原因は、なんといっても畜舎の不潔、冬期の保温不完全からくるものです
 まだ寒さもとうぶんつづきますから飼育管理には充分気をつけ、予防注射を忘れることなく、立派な仔豚を生産したいものです。

2月のくらし

‐ イラストあり ‐

(衣)
11月なかばごろから着どおしのオーバーや、背広などは、ずい分ほこりを吸っているため、つやがなくなり、なんとなくくたびれた感じになります。
こんなとき、自分で簡易クリーニングすると見違えるほど美しくなります。
まず20分ぐらい日にあて、棒でほこりをすっかりたたき出しブラシをかけます。次にえり、そで口のよごれをベンジンでふきとり、全体のよごれはアンモニヤ水をふくませてしぼった布で、さっさとふきとるようにします。全体をふきおえたら、仕上げのアイロンのかけます。これでOKです。
染めかえたいものや、仕立て直しがあったら染物屋さんや仕立屋さんの比較的ひまな2月にたのみましょう。

(食)
冬はどうしても野菜が不足しがちです。栽培技術の進歩で、今まで冬にはみられなかった野菜がヤオヤさんにあります。
そのなかでも、もやしは安いし栄養も豊富です。みそ汁やなべもの、中華風のいためものなどにつけて使いましょう。
もやしはビタミンCをたくさんふくんでいます。ゆですぎないよう注意しなくてはなりません。煮立ったお湯に入れ、すぐ出します。2分ほど蒸したところが食べごろです。
また、京菜も出回ります。少人数の家庭では、大きくてもてあましそうですが、なべものや、おひたしにしたり、さっとゆでてから芥子じょうゆやタラコであえるとおとな向きの味になります。

(住)
空気がかわいているので、万一火を出すと、大火事になってしまいます。
火災の原因で一番多いのが、タバコの火の不始末です
タバコはだれでも気軽に吸いますし、火元が小さいので、火事とのつながりまでは考えられず、そのへんにポンと捨てられることが多いためと思われます。
近ごろは、装飾的な浅い灰皿が多いようですが、家庭では、フチが広くて、深さのある実用的なものを使いましょう。ちょっとした不注意で、この寒空に焼け出された、根こそぎ消えて何も残らなくなってしまいます。
タバコの吸ガラばかりでなく、冬は煉炭の残り火やマキの燃えくずがでますから、夜寝る前には、もう一度火の始末をたしかめ、台所が土間には必ずバケツ一杯の水をくんでおきましょう。

農作業メモ

◇みかん
(1)春肥の準備…春肥は生育期間のもっとも重要なもので、つぶを大きくするためにも、その与えかたがポイントになります。
 それには、年間に与えるチッ素量5割、リン酸4割、カリ3割(早生温州では5割)それに遅効性の有機質肥料を加えて2月〜3月上旬までに与えることです。
(2)深耕…この時期が深耕の適期です。またタコつぼも掘っておくことです。
◇落葉果樹
(1)元肥のあたえ方…梨、柿、ブドウ、モモなどは2月上旬がもっとも適しています。
(2)棚づくりと修理…梨やブドウの棚づくりや、その修理は発芽のはじまる前に完了しておくことです
 なお、一月に引きつづきいらない芽は早目にせん定しておきましょう。
◇茶
(1)アゼや区画の整理をする一方、排水溝も設置します。また草根もとりのぞいておきましょう。
(2)クワカイガラ虫を防ぐためのガスくん蒸は2月下旬から3月下旬にかけておこないます。
◇さそい
(1)枝豆…5月に収穫できるよう、2月中に温床内に種をまきましょう。
(2)トマト、なす、カボチャ、キウリ…1月に引きつづいて温床内に種をまきましょう。
(3)じゃがいもの植付…たいせつなことは、なんといっても種イモの選別と消毒です。腐敗しやすいものや、異常のあるものはとりのぞき、有機水銀剤800倍の液に30分ほどつけておきます。
 ハリガネ虫の被害がおおい畑では植付溝にアルドリン粉剤を入れ10アール当たり3〜5キログラムを散布します。
◇酪農
(1)日光浴と運動…新鮮な空気の下で日光浴をさせると、新陳代謝が盛んになり、乳牛を健康にすることができます。
 また日光はビタミンDとも関係が深くクル病、骨軟症などの予防となります。
◇養豚と養鶏
(1)防寒と日光浴…まだ、とうぶん寒い日がつづくので夜間はスキマ風の入らないようカコイをし、日中は充分日光に当てるように考えましょう。

◎山火事をふせごう
 山火事の発生しやすい季節ですから、次のことには気をつけましょう。
1.林内でのたき火をやめましょう
2.林内での喫煙は禁止しましょう
3.煙草やマッチの消化を確認しましょう。
4.造林地ごしらえのために火入れをする場合は市長の許可を得てから実施しなくてはなりません。