広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 1月1日発行 内容

新春を迎えて

より豊かな郷土を建設
吉原市長職務代理者 吉原市助役 土屋政吉
‐ 写真あり ‐
 市民のみなさんとともに、1964年の迎春をあおぎ、この一年こそ、郷土のためによき年であることを心から祈りたいと存じます。
 文字どおり、選挙に明け、選挙に暮れた昨年中は、まったく心のやすらぎを求めることができず、しかも市民ひとしくお慕いし、敬仰していた金子市長さんの急逝という、あまりにも悲しくましい大打撃をうけ、まことに、多事多端な一年でした。
 幸い、偉人でおられた金子前市長さんによって、「自治」とはどうあるべきか、その理念は「如何にして、生かさるべきか」を永年にわたり、私たち後代のもののために自らを犠牲にして、立派に示していただき、且つ、ゆるがざるものとして培われてまいられました。もとより、私たちは金子前市長さんに遠くおよばないのは十二分に承知していますが、すこしでもその高遇な自治の理念に近づくよう誠実な努力を怠らず、すべての「智」と「愛」を結集して、より豊かな郷土建設のための大同団結を図るべきものと信じます。
破邪、開運の「辰年」にあやかって、ことしも真剣に職責を完うしてまいる覚悟ですので、議会をはじめ、市民みなさんのご支援ご協力を切に希ってやみません。
 おたがいに、しっかり頑張りましょう
 この愛する郷土のために。

広域都市づくりに一丸
吉原市議会議長 中村新吾
‐ 写真あり ‐
 市民のみなさん、あけましておめでとうございます。 希望の新春をむかえ、みなさんのご健康とご繁栄を心からおいのりもうしあげます。
 吉原市は、ここ数年、市の発展ならびに市民福祉の増進をかんがえ、文教、衛生行政に思いきった施策をすすめてきました。とくに、昨年の7月には、東駿河湾工業整備特別地域に指定され将来の発展が約束されたことは吉原市だけでなく、この岳南工業地域の住民すべてにあたえられた恵福です。この意味からして、ここ岳南工業地域が一丸となって、これに対処しなくてはならないと痛感されます。
幸い指定をうけた地域の、住民生活は風俗、習慣をはじめ、産業、経済、教育、文化、交通などあらゆる面にその共通性と交流がはかられている富士市、鷹岡町および吉原市の2市1町が新しい時代の息吹とともに結集されてゆくことを信じます。幸いにして昨年9月に、岳南広域都市行政研究連絡協議会が発足したことは、当地域一帯における恵まれた経済の、たくましい発展にともなう、必然的な現象といえるでしょう。
 かがやかしい新春をむかえ、つねに進展する新しい時代の欲求にこたえるために、心気一転、これら重要事業の遂行と市政全般にわたる内容充実に渾身の努力をそそぐことを議員一同ちかうものです。
 昭和39年が市民みなさんにとって最良の年でありますようお祈りします

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・上空から望む田子の浦港“吉原ふ頭”