広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和38年 7月1日発行 内容

“明るい街づくり運動始まる”
10代の非行防止 対策家庭指導がまず必要

ことしも、7月1日から1ヶ月間、“社会を明るくする運動”が全国的に行なわれます。
この運動は、すべての国民が、犯罪の防止と、犯罪をした者の更生について理解を深めそれぞれの立場で、力をあわせ、住みよい明るい社会を実現させることを、理想に生まれたものです。

 第1回は昭和26年に行なわれ、ことしは、13回目にあたります。しかし、最近の犯罪傾向でもわかるように、青少年の非行増加、悪質化、非行年令の低下が目だち、それを、末然に防ぐため、この期間中、運動の趣旨、目標を社会一般に普及徹底させ、地域住民とくに、家庭の関心が高められるようテレビ、ラジオ、新聞、ポスターによって積極的に呼びかけます。
 吉原市でも、保護司による“中高生との座談会”施設との通信往訪“対象者更生指導”婦人会、一般市民による“愛の慰問文”“愛の図書寄贈運動”などを行なうほか、青少年非行防止のため、地域組織の育成強化をはかり、問題のある少年、犯罪を犯したもの、その家族などの相談に応ずるため少年相談所、心配事相談所(福祉事務所)の受け入れ体制を強化するとともに、この運動が一般市民に理解され、隣人愛により更正に努力している人達に、愛の手をさしのべ、非行防止、再犯防止の面にまで協力が得られるよう各関係機関団体が“明るい街づくり”を目標にこの運動を展開します。
 この点市内のある保護司も「わたくしたちの街を本当に住みよくするためには、犯罪の絶滅を期さなければなりません。これには、地域社会のみなさんの、積極的な協力、援助が必要、悪の道に踏みこまないよう、すでに間違った道に入ってしまった者にも、あたたかい愛の手をさしのべ、希望を与え、保護更生への励ましにして頂きたい」と言っています。
 地域住民ことに、家庭における一人一人の協力が強く望まれ、全国民と共に犯罪のない、明るい吉原市を実現したいものです。(社明運動の啓蒙資料)

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こどもを守ろう 小学校で交通安全教室

 日ましに増える交通量から、子どもたちを守るために、正しい交通規則をおしえて、交通秩序の確立をはかろうとする吉原市では、警察署の協力を得て、去る6月11日の吉原小学校を皮切りに、市内全小学校にわたり、交通安全運動教室を開きました。
 これには、県下で初の試みとして、教材用模型ミゼット信号機(自動点滅式で実物と同じ)を購入、道路標識と組み合わせて、児童生徒の信号機に関する知識を深め直接目で確かめさせるという視聴覚教育の一環として生きた教育の場を作りました。
 運動場には、白線で仮設交差点が作られ、警察官からの、交差点における道路の横断歩行、正しい車の進行についての説明があった後、白バイ、パトカー、一般の自動車、自転車などによる実際さながらの指導が行なわれました。
 市の発展とともに、激増する交通量に対処するため、また、本年度交通安全スローガン“子どもを交通事故から守りましょう”にのっとり、これからいっそう増えつつある交通事故から、小さな命を消すことのないよう、運転手も歩行者も、お互いに気をつけましょう。

助役・土屋政吉氏 収入役・堀野喜之助氏を選任

 去る6月12日開かれた吉原市議会6月定例会で欠員中の助役収入役に、金子市長から、助役に土屋政吉氏、収入役に堀野喜之助氏をそれぞれ選任の同意を求めたところ満場一致で承認され、翌13日付を以って選任され就任しました。

土屋 助役
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堀野収入役
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事業所の統計調べ 7月1日から実施

 商工課では7月1日現在をもって、昭和38年事業所統計調査を実施します。これは全国のすべての事業所の状況を調査して、行政経済の施策に役立てるものです。
調査員が各所を訪問して調査しますので、ご協力をお願いいたします。調査の対象はすべての事業所ですが、対象にならないものを挙げると次の通りです。
(1)会社組織でない農家、漁家
(2)国営の事業所
(3)3ヶ月以上休業の事業所
(4)行商人、露店、船など
(5)駅や劇場の中の売店
(6)外国の管理する事業所
したがって一般の会社、工場、商店、事務所、病院、学校、映画館旅館等は全部調査されます。
 調査する事項は次のことがらです。
1.事業所の名称
2.事業所の所在地
3.経営組織(個人・会社の別)
4.事業の種類(生産品名、取り扱い商品の多い順に3種目)
5.従業員数(常雇・臨時別に)
6.本所支所の別(本店支店と現場(製造)非現場(販売)の区別)
7.資本金および有形固定資産(最近の貸借対照表による。会社だけ)
8.会社の常雇の雇用数
9.会社の支所の有無
10.事業の種類
  (主な生産、取り扱い品から順に売上高の百分率と共に調べる。支店等のある会社だけ)
11.本所(本店)の名称
12.本所の所在地
 以上の通り調査しますが、本調査資料は調査員以外絶対に秘密を保持しますので、調査員にご協力をお願いします。

自衛官を募集

募集人員‐2等陸士 122名  2等空士 15名
応募資格‐18才以上、25才未満の男子に限ります。
募集期間‐昭和38年6月1日‐8月31日まで
試験科目‐(イ)筆記試験(中学卒業程度の学力による)国語、数学、社会(ロ)身体検査(ハ)口述試験
※くわしくは市民課にお問い合わせ下さい。

灯台と導灯が完工 整備される田子の浦港

 吉原市、富士市にまたがって建設中の田子の浦港に灯台と導灯ができあがり、このほど現地の西側防波堤で完工式が行なわれました。
 灯台は防波堤先端の両側に各1基建てられ、西側は白色、東側は紅色の円形コンクリート造になっています。高さは西が16メートル、東が14メートル、光は約20キロの海上まで届きます。
 導灯は入港船の航路を示すためのもので、高さ15メートル、23メートル、光が25キロ届くものを陸地(富士市側)に2基建設しました。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・西側防波堤にできた白色灯台(6月24日撮す)

仔豚方式を採用 豚コレラの予防注射

 毎年、春秋の2回実施していた豚コレラの予防注射も、昭和38年度からは、仔豚方式によって、実施することになりました。
 “仔豚方式”これは一口で言う、生産された仔豚が、バラバラに売られない前に、種豚といっしょに、予防注射をしてしまうことです。しかし、この場合、あまり若い哺乳豚では、注射しても、免疫抗体(病気にたいする抵抗力)ができないため、離乳後が望まれます。したがって、仔豚の育成上からしても、40日以内で完全に離乳して、エサ付飼育することが大切です。このとき、無注射地区から買った仔豚や、げんざい育成中の繁殖候補豚も注射しなくてはなりません。
 豚コレラは、最近のように、あらゆる科学が進歩したげんざいでも、患蓄に対する治療薬品がなく高熱、出血、下痢、脳症状などによって、ほとんど死んでしまうという始末の悪い病気です。
 豚コレラを、未然に防ぐには、予防注射を必ず実行してもらうより方法がありません。昨年の芝川町、最近の富士宮市、富士市の発生は、いずれも、定期注射の直前で、一般に免疫豚(注射済の豚)が出荷された後の、無注射豚です
このような前例にもとづいて仔豚方式が考えられ、実施の段階になりましたから、種豚農家の協力をお願いします。
注射日 7月から毎週水曜日
※種豚農家は必ず出産報告書を出産のつど、農協を通して市農政課に提出して下さい。

台風シーズンに突入

 台風とは、時計の針とは反対方向の大きな空気のウズ巻きで、直径500キロメートルぐらいのものから、1,500キロメートルぐらいのものまであります。
 このように、空気のウズ巻きができるのは、台風の中心が、周囲にくらべ、いちじるしく、気圧が低いため、周囲から中心に向かって空気が流れこむからです。この場合、地球の自転の影響をうけて、ウズとなります。
 台風の中心に向かって、周囲から吹きこんできた空気は、中心に、近いところで、ウズをまきながら吹きあがることになります。そのため、吹きあげられた空気が冷えて雨を降らせます。
 台風の圏内でも、場所によって風や雨の強さはちがいます。ふつう台風の中心に近いところほど、風雨が強いのです。ただ台風の中心のわずかな範囲だけ、風雨のみられない部分があり、これが、台風の目と呼ばれるものです。
 台風の中心気圧が950ミリバール以下で、台風の中心が近くを通るような所は、猛烈な暴風雨に襲われるおそれがあります。台風の進路を正確に予報することは、むずかしいとされていますから、台風情報に注意する一方、収穫期にあたる農作物は、多少早めでもできるだけ収穫しておくことです
また、台風通過の時に、もしも停電で情報がはいらなかったら、土地がらを考えて、早めに避難しましょう。

7月メモ

‐ イラストあり ‐

(衣) むし暑い日が続いたと思うと朝晩は妙に寒い日もあります。天候の定まらないときは、かぜをひきやすいので気をつけましょう。小さいお子さんたちが寝る時にはハラマキをさせ、パジャマ式のねまきをきせましょう。
 また、赤ちゃんは、暑いからと裸にしておくと、かえってアセモができます。寝つくときなど、よくビッショリと汗をかいていますが、汗とりのタオルか、ガーゼを背なかにさしいれておいて、ねむったら、そっとぬきとるようにして、ついでに頭の汗も、ガーゼで静かにふきとってやりましょう。
 カラリと晴れた日には、衣類やふとんを干しましょう。きちんとしまっておいたものも、なんとなくしめぼったい感じになっています。とくに和服にはじゅうぶん風を通しておきましょう。
 そのほか、押し入れ、ゲタ箱、台所の戸ダナ、本、カバン、クツレコードなど、こんなところまでとあきれるくらいカビの宿になっているものです。熱いお湯に家具用消毒剤をたらし、きつくしぼったぞうきんで、すみずみまでふきさらりとさせましょう。

(食) 夏はとかく食欲がすすみません。変わったご馳走を作るのも、一つの手段ですが、毎日飲むみそしるをおいしく作っていると、つい「お代わり」ということになってお年寄りにも子供にも喜ばれます。それには、ダシのとり方が大事です。煮干しは、細かくして、水のときから入れて沸騰したら取り出します。煮干しをいきなり熱湯の中に入れると、たん白質が熱でかたまり、煮干しの成分が湯の中に溶け出さないのでダシの役目がうすれてしまいます。反対にカツオブシは、みそしるの中のみがやわらかくなったときに入れてすぐ火を止めるようにすると風味が消えません。カツオブシの場合はカツオの風味を味わうものですから、汁の中に成分が溶け出さないように、できあがる寸前に入れたほうがよいのです。

(住) 涼しく暮らすためにフスマや障子を取りはずし、スダレやカーテンに変えてみましょう。取りはずしたものは一ヶ所に取りまとめ秋にまごつかないようにします
 暑いからと、戸締りにわざと手を抜いて夜中にあけ放っておくと盗難や凶悪犯に襲われるもとになります。
雨戸とか、ガラス戸の1、2ヵ所に通風穴を作り、防虫網をつければ、それが戸締りの役目もしてくれるし、涼しい風が入ってきます。ただし、電燈をつけっぱなしにしておくと、外から丸見えですから必ず消しましょう。

人口の動き(昭和38年5月31日現在)

男 4万2,594人
女 4万2,069人
計 8万4,663人
世帯数 1万7,800世帯