広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和38年 6月1日発行 内容

農繁期 ドロボーの被害甚大
60%が戸締り不完全

犯罪!それはいつの世からも影をひそめることなくはびこりとつじょとして現われ害を加えます。ひと口に犯罪といっても物を盗む窃盗犯、サギ、株を横領する知能犯、殺人、強盗の凶悪犯、売春などの風俗犯…あげればきりがなく、年間を通じ、新聞、テレビ、ラジオを一番にぎわせるのもこれからやってくる農繁期です。参考までに昨年(1月〜12月)市内で起こった犯罪をみると、窃盗犯=697件、粗暴犯=87件、知能犯=154件、凶悪犯=12件、風俗犯=2件、その他(鉄砲、刀剣違反など)=196件、合計=1,141件という恐るべき数字が示されています。それでは、犯罪から自分自身または財産を守るにはどうしたらよいでしょうか。

 一番多く現れる窃盗犯、通称“ドロボー”をみてましょう。
 被害を受けた60パーセントが戸締りの不完全なため入れられています。ドロボーの入る所は裏口、勝手口にかぎられているわけではありません。湯殿、便所の窓からでもたやすく入ります。出入りできそうな所はすぐに直すようにして家をあける時、寝る前にはかならず戸締りをしましょう。
 ドロボーを防ぐには、「外を明るく、家の中は暗くする」といわれているように、暗い所には街灯や防犯灯をつけて明るくすれば、ドロボーの用心だけでなく暴力犯罪、性犯罪の防止にも大きな効果があります。
 防犯灯をつけるには、個人で作ると費用もかかり大変です。町内ごとに費用を出し合うとかして一日も早く明るい犯罪のない吉原市を築きたいものです。
 いっぽう人通りの多い華やかなムードをかもしだす繁華街とはうらはらの暗やみにつつまれた路上建物のまばらな場所に多くみうけられるのが凶悪犯罪や性犯罪です。
こんなのにあったら大変です、次のことに注意しましょう。

(1)夜おそく家に帰るのに、人通りが少なかったり、暗やみがある場合には廻り道をしてでも明るい所を選んで帰るようにしましょう、特に女性の一人歩きは禁物です。
(2)勤めや家の用事で夜遅くなる時には、何らかの方法で事前に知らせ、迎えに出てもらうか、近所の人がいたら一緒に帰るようにしましょう。
(3)知らない人が後をつけてきたり酔っぱらいに声をかけられたら通りがかりの人を呼びとめるとか、近くの家にとびこみ、その事情を話ししばらくようすをみましょう。それでもつきまとうような場合には警察に届けるかめんどうでもその家の人に送りつけてもらうようにしましょう。

 また日頃みなさんを悩ませているのにおしうりがあります。このおし売りを防ぐには、きっぱりとした態度で断り、相手につけこむすきを与えないことがいちばんかんじんです。
 あやしい者が家のまわりをふらついていたらお互いに連絡しあいすぐ警察なり近くの交番に届けましょう。これにはふだんから隣近所と連絡方法を決めて、おし売りがきたときにはすぐ知らすことのできる体制をとれるようにしておくことが必要です。
 被害が少ないからとか、めんどうだからということで放っておくとますますおし売りが多くなります。「おし売りにねばられたらすぐ警察へ」を実行して下さい。

次に農薬をみてみましょう。

 ホリドールやテップなどの農薬(特定毒物)による他殺や自殺、あるいは散布中の事故が多くなるのもこの頃です、これを防ぐためには次の事に注意しなければなりません。
(1)特定な毒物農薬は、農家が持つていることや、使用することが禁じられています。これを使うときには、法律で許されている農協にとどけて防除しましょう。
 防除作業のとき、すこしでも農薬をもちかえると罰せられ、その後これらの地域での農薬は使用されなくなります。
 なお、現在ホリドールを少量でも持っている方は、新しく指定されたテップとともにすぐ農協に返しましょう。
(2)害虫の種類によってはホリドールやテップの効果がないものがありますから、危険の多い農薬はさけ、そのつど適当なものを使うようにしたほうが効果の大きい場合が数多くみられます。
とくに果樹、茶、そ菜などはこうした注意が必要です。
(3)ホリドールやテップを使う防除作業にでるときは、服装に注意して、体の具合が悪いときには作業にでないことです。
 農薬を散布した場所には必ず赤旗か赤い布をはって危険であることを明示することが大切です。
(4)農薬散布時期にはあぜ道などへ子供をやらないよう注意して農薬についての恐ろしさを教える事も大切です。
(5)せり、もち草、くだもの、野菜などは水洗いをするか、中性洗剤で洗うようにして、そのまま食べないことです。
とにかく、犯罪、農薬事故がグ―ンと頭をあげ、悪の威力をおもうぞんぶんふりまわしますから、身のまわりのことには十分気をつけましょう。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・“つゆ空”のあい間をぬって夏の味覚づくりに精を出す農夫(寺市場町で)

行政苦情相談員 渡辺仙太郎氏に委嘱

 市民のため、広くは国民全体に“行政に関する苦情申出”の機会を与え、国の行政に対する意見要望を聞き、行政の改善をはかろうと、行政管理庁(行政監査局)では、行政苦情相談所を設置して解決のあっせんを行なっていましたが、更にその徹底をはかるため、昭和36年度から全国的に行政相談委員を委嘱して、業務の積極的な活動を進めています。
 吉原市においては渡辺仙太郎氏(仲町1丁目)が市民の相談を受けてくれます。
 相談を受けたことについては、静岡の行政監察局に連絡して、納得のいくよう斡旋を行い、その結果は委員を通じて申出者に回答するようになっています。なお相談について秘密を要するものは厳守されますからどなたも気がるにご相談下さい。

50万円まで非課税 小額貯蓄に優遇制度

 4月1日から従来の国民貯蓄組合制度は廃止となり、新たに小額貯蓄非課税制度が発足しました。
 これに、現在の変転しつつある国際経済環境の下で、貿易為替自由化の推進を図りながらわが国経済の新しい安定成長の道を歩むための措置として、輸出の強化、産業基盤の強化などその必要にせまられ、資金の供給源として国民貯蓄の増加がきわめて重要となり、預金利子に対する優遇措置を一段と強化して貯蓄の推進を図ることとしたものです。このたびの改正は、いままで預貯金利子などに対する源泉課税の税率が10%であったのを5%に引き下げるとともに、この措置を2年間存続させることと、同時に今までの国民貯蓄組合サイドを廃止して、これに代わるものとして新しく小額貯蓄非課税制度を設けたものです。

◇非課税の対象となる貯蓄範囲
一人について(1)預貯金、(2)合同運用信託、(3)公社債および公社債投資信託のうち一人1種類1金融機関に預けたものです。

◇非課税の限度額
一人元本50万円以下でその貯蓄の利子などについては所得税がかかりません。

◇非課税の手続き
(1)非課税貯蓄申告書をその金融機関を通じて税務署長に提出します、(2)非課税貯蓄申込書と申込書は金融機関にあります。
なお詳しくは近くの金融機関にお問い合わせ下さい。

“特選米”てなに

 日常生活にかかすことのできない主食、この中には普通米、徳用米、それに昨年12月から配給になった特選米の3種類があります。
ところが、特選米は一般にあまり知られていません。これは、普通米にくらべ、
(1)舌ざわりや味がよい
(2)白度が高い
(3)粒がそろって、見ためがきれい
(4)ぬかぎれがよいのでとぎが簡単
(5)被害粒(雨や風、台風でいためられた米とか、病害虫によっていたんだ米)や砕粒(精米にする時砕けて小さくなった米)が混入されていない。
などの特徴を持っています。
 特選米の見本は米屋さんの店頭に展示してありますから、一度試食してみましょう。

吉原市書道展

◇作品搬入日 6月10日 午前8時‐午後5時
◇場所 市立体育館
※作品には必ず市発行の出品票を添付して下さい。
 出品票は市文書課、教育委員会 市民会館、各支所にあります。

“虫歯”をなくそう 朝、晩の正しい歯磨で

むし歯、それは健康上に大きな影響をおよぼし、とくに発育期にある乳児や児童には心身の健全な発育を害する事が多く、これをなおすために、6月4日を虫歯予防デーとして、この日から予防週間が始まります。

 食生活の普及により、虫歯はいっそう増えているのが現状、軽いうちはなんともなく、ほうろう質までおかされる頃になると冷たいものを飲んだあと痛みを感じます。こんな状態になると危険で、それがひどくなると、激痛になやまされ歯の根にうみの袋ができ、その毒が血管やリンパ腺をとおり体内に入り込み、骨膜炎、骨ずい炎、リウマチなどの病気をひきおこすようになります。
 歯は硬い食物を砕くのが仕事、しかし歯が悪いと食物はかめず、必要以上に胃の負担を重くして、長い間にはしだいに胃を弱らせてしまいます。
 この衛生週間を機会に虫歯のある人はすぐに治療しましょう。
なお歯ブラシはやわらかくて質のよいものを使い、上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ、奥歯は奥から前へこするようにみがくのが正しい歯のみがきかたです
 この週間中にかぎらず、いつも規則正しい生活にとけこんだ一行事としてふだんからこころがけ、子供に正しいしつけをしなければいけません。
 学校によっては学校手帳が使われている所もあり、虫歯の有無が示されていますから、両親はこの手帳に注意して虫歯から子供を守るようにしましょう。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・白い歯・大きなお口・丸い顔…子どもたちの健康を守る“白い歯”は強い子のシンボルである6月4日は全国一斉に虫歯予防運動が行なわれる。市内小学校でも「正しい歯の磨き方」の指導に乗り出している、「皆んな元気で歯を磨こうー」と青空の校庭で大はしゃぎである。(今泉小で)

市民の居住動態調査

 吉原市の各種行政事務の資料にする目的で市役所の男子職員が全市一斉に各ご家庭を訪問してこの調査を行いますからみなさんのご協力をお願いします。
◇調査期間 6月20日‐6月24日

告知板

◎危険物取扱主任者試験
種類‐乙種第4種
期日‐昭和38年6月16日
場所‐県東部試験場(沼津市)
受験資格‐6ヶ月以上危険物(ガソリン、灯油重油など)
取扱いの経験者
その他‐性別、年令、学歴を問わずだれでも可
なお、試験のため6月4日午前9時から吉原市民会館で予備講習会が開かれます。受験者は、多数受講して下さい。

◎定期無料相談所 開設
 吉原市中小企業相談所では「定期巡回無料相談」をつぎにより行なっています。
◇相談場所
元吉原支所−毎週水曜日
吉永支所−毎週木曜日
大淵支所−毎週金曜日
鷹岡町役場−毎週火曜日
◇相談内容
金融=融資をうけたい方
税務=税金にお困りの方
経理=帳簿記入にお困りの方
取引=仕入先、販売などにお困りの方
その他=協同組合の設立、運営などその他商工業一般
なお、くわしくは商工会議所(電話995)へお問い合わせ下さい。

◎市有林の名義変更を一部中止
 林産課で取り扱っている市有林地の貸付名義変更手続きは、貸付料金の計算事務の関係で6月1日から7月15日まえ取り扱いを中止します。

◎社会教育課が発足
 昭和31年から廃止されていた教育委員会社会教育課が去る4月1日から復活し、専任課長も任命されて事務を行なっています。
事務の内容は次のとおりです。
1.成人学校に関すること
2.青年学級、青年講座に関すること
3.婦人学級、婦人教室に関すること
4.市民文化教養講座、社会学級等の講座に関すること
5.視聴覚教育(映画・幻灯)に関すること
6.BS・GS・子供会・勤労青少年教育に関すること
7.PTAの育成に関すること
8.文化祭・文化団体育成・文化財保護・展覧会等文化振興に関すること
9.スポーツ祭、バツジテスト、競技会等社会体育に関すること
10.教化連盟の育成並びん教化活動に関すること
11.婦人会・青年団・子供会・文化連盟・教化連盟・その他文化諸団体の育成指導に関すること
12.家庭教育に関すること
13.青少年野外活動に関すること
14.ユネスコ活動に関すること