広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和38年 3月20日発行 内容

こんどこそ公明選挙を!
県議選は4月17日 市議選は4月30日

‐ イラストあり ‐

 県議会議員、市議会議員の任期満了にともない、4月17日に県議会議員、4月30日には市議会議員選挙がおこなわれます。県議会議員は各都市を単位に選挙されています。従来、県会は69人で構成されていましたが、近頃の人口増加、合併などでそのバランスがくずれ、今回は市部で7名増員、郡部で5名減員となり結局2名増の71名を選挙することが決定しました。吉原市を選挙区とする定数に変動はなく2名です。また市議会議員の定数は36名で、両議会とも地方自治法により人口に応じた定数が定められ、任期は4年とされています。

 まず地方選挙をおこなう前に議会とはどんなものか知っておく必要があります。
 議会には年4回以内の定例会と臨時会があり、いずれも県知事、市長が招集しますが、その会期や議事の順序は議会がきめます。議会はいうまでもなく県民あるいは市民全体の福祉増進、生活安定のためその方向をきめる地域社会の代表機関です。そこでおこなわれる主な仕事には
◇条例を設けたり改正したりする
◇歳入・歳出予算をきめ決算を承認する。
◇税金、使用料、手数料をきめる
◇条例で定める重要な財産の取得または処分
◇条例で定める重要な契約を結ぶ
◇選挙管理委員などを選挙する。
などがあげられます。
 このように大切な仕事をまかせる代表が事前運動、買収、きょう応などの選挙違反をおこなうようでは大変なことになります。
 選挙を通じて民主的な住みよい社会を実現させるため、有権者一人一人が常日頃から政治あるいは選挙についての“ハッキリ”した考えをもつことが必要であり、それも単にことばとして知るのではなく、自分の生活にしっかりと根をおろしたもの、自分の身についたものとして常に政治に対する正しい関心と判断をもつことが大切です。このためには家族みんなで話しあうこともよいでしょうし部落の人々、青年団、婦人会などでそれぞれテーマをもとに話しあうこともよい方法です。
なにわともあれ「明るい正しい選挙」を実現させなければなりません。それが選挙民に課せられた大きな責務です。

■不在者投票
 投票日の当日、入院中とか旅行などで投票所に行くことができない人のため、選挙の告示日から投票前日までに投票できるよう、定められたのが不在者投票制度です。
◎県議会議員選挙で4月2日から4月16日まで。
◎市議会議員選挙では4月20日から4月29日まで。
 この不在者投票制度を有効に利用して棄権することのないようにしてください。

「選挙イソップ物語」うぬぼれカラス

‐ イラストあり ‐

 一羽のからすがどこからか肉のきれを盗んで、それをくわえたまま木の枝に止まっていました。
 きつねがその下を通りかかり「からすのやつうまそうな肉をもっているな。よしだましておれのものにしてやろう」と考えました。そこでからすに聞こえるようにわざと大きな声で、「姿がよくて頭がきれいで本当にあのからすは見事だ、もし声があの姿や顔につり合うほどきれいであれば鳥の女王としてもはずかしくないんだがなあ‐」とひとりごとを言いました。
 これを聞くとからすは声のいいところを聞かせてやろうと思い、すぐに大きな声で泣きだしました。とたんに肉のきれがからすの口ばしを離れて地に落ちました。
 きつねはすばやくそれを拾い上げて「気のいいからすさんどうもありがとう、あなたの声はまことに結構ですが、惜しいことに智恵が足りませんね―」と言いました。
 このように候補者の中にはあなたの票を狙ってうまいことを並べる人もいます。よく考えてだまされないようにしましょう。