広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和38年 2月1日発行 内容

住民税は3月20日(期限)までに
申告しないと高い税金!!

所得税の確定者は控えを 申告相談所も開設

住民税(市民税 県民税)は、従来、所得税額がもとになり割りだされていました、ところが地方税法の一部改正にともない昭和37年4月からすべて申告制度に変わり、申告することによって所得から社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、扶養控除、雑損控除など、また税金からは配当控除、調整控除などがあります。しかし申告しませんとこれらの控除は受けられず高い税金となっていまします。3月20日までに忘れないで申告できるよう心がけておきましょう。

 市民税係では調査、または資料により申告の義務があると思われる人に申告書を送ります。申告をする人は、
(1)所得税の確定申告をする人
(2)前年中(昭和37年1月1日から12月31日まで)の所得が基礎控除(9万7,500円)と扶養控除(1人=7万円、2人以上=1人ふえるごとに3万円加算)を合わせた額よりも多い人、ただし給与所得だけの人で給与支払者から市に給与支払報告書を提出してある場合は除かれます。
(3)給与所得以外の所得が前年中にあった人
なお申告書が送られなかった人でも右にあげた3つのいずれかに該当する人は申告しなくてはなりません。申告書用紙は市民税係または各支所に用意しておきます。
 なお係では住民税の申告に関する相談と説明を次の日程により実施します。
3月16、17日(2日間)
場所=吉永、元吉原、大淵、須津、原田の各支所
3月16、18、19、20日(4日間)

この表で税金は算出される

 みなさんの昭和38年度に於る市民税、県民税は、下にあげた計算方法によって算出されますが、山林所得や資産合算がある人は別の計算になります。
 この計算の基本になる所得とは前年中の収入金額から収入を得るために使った費用(原材料費、光熱水費など)を差し引いた残額をいいます。各家庭でもこの表をもとに計算してみましょう。

均等割‐市民税=400円
‐県民税=100円

‐ 図表あり ‐

障害者など控除

 所得割から控除される人は(1)障害者、老年者、寡婦、勤労学生または扶養親族が障害者の場合(老年者で寡婦の人は老年者控除だけです)
(2)配当所得がある場合(1)(2)については申告しなければ控除されません。
(注)老年者や未成年者(昭和18年1月2日以後に生まれた人)寡婦、障害者のいずれかに該当する人で前年中の所得が18万円以下のとき、または生活保護法の規定によって生活扶助を本年1月1日現在受けていた人も課税されません。

- 図表あり -
( 図表説明 )・・・税額控除表

課税される所得金額

 課税される所得金額(課税標準額)は、所得から各種該当所得控除をした残額です。これを左の超過累進税率速算表にあてはめ、まず税率をあなたの課税標準額にかけて算出した金額から、速算控除額を差引いた残りの金額があなたの求める市民税、県民税の所得割です。
  超過累進税率とは課税される所得が多ければ多いほど税率も高くなっていく方法です。

- 図表あり -
( 図表説明 )・・・超過累進税率速算表(市民税・県民税)
( 図表説明 )・・・所得税と市民税・県民税の各種所得控除額表
( 図表説明 )・・・一般的な計算例(市民税・県民税)

住みよい社会を築く税金

個人では果たしえない効果

 朝起きて先ずコーヒーをのむ、このコーヒーには一割の物品税が課税されている。コーヒーをわかす電気やガスにも電気ガス税がかかっているし、コーヒーの中に入れる砂糖にも4割の砂糖消費税がかけられています。食事を楽しく終わってまず一服とタバコに火をつければ、そのタバコの半分は専売益金という名の税金がかけられている。そして職場でえた月給からは所得税と住民税が差し引かれている。サラリーを手にして月に一度の楽しみと映画をみれば入場税がかかっている。暑さ忘れにビールの一杯、寒さ忘れにビールの一杯、寒さ忘れにお酒の一本でもと乾杯すれば税金を飲んでいるようなものである。
 人生にとって忘れ得ない新婚旅行も一等車にすれば一割の通行税がかけられているし、旅館について水いらずで夕食をすませ、楽しかった新婚旅行も終わり旅館に支払をすればそこに料理、飲食など消費税が勘定書にハッキリ書かれて請求される。老後を楽しく暮らそうと離れを建てれば固定資産税がかかってくる。こうして税金は一生離れようとしないでついてくる。
永遠の眠りについても残された女房や子供には相続財産について相続税かかかってくる。
 このように私たちの生活は税金で始まって税金で終ると言ってよい程いろいろな税金がかけられているわけですが、それでは一体どうして私たちはこんなに多くの税金を納めなければならないのか、そこで私たちは税金のない社会をのぞいてみましょう。
 私たちが社会生活を営んでいくのには数多い施設の恩恵をうけています。教育施設もその一つで、もし学校がなかったら社会の進歩はないでしょう。道路も税金によってつくられています。いろいろな施設は私たちが生活していくうえには必要欠くべからざるものです。警察や裁判所や市役所などすべて同様です。このような費用をまかなうものが税金です。もし税金がないとなれば、学校もない、道路もできない、警察や裁判所、市役所もできない、極めて人間としての原始生活に帰らなければなりません。警察がなければ泥棒が横行し安心した生活ができないし学校がなければどうして知識を得るか、一人一人が用心棒や先生も雇わなければなりません。その費用は多額のものとなりましょう。
 私たちはお互いに社会生活を営む以上必要な費用はお互いに分担して払うほうがより効果的であり各人の直接の費用では果たしえない効果をもつことができます。これが社会の果たす基本的な効用です。
明るい社会、住みよい社会はこうしてみんなの税金によって築かれていくのです。今後とも税金の果たす役割を充分理解され納税にご協力下さいますようお願いします。

おしらせ

所得税の申告は3月15日までに富士宮税務署

個人の事業税は3月20日までに 富士県税事務所