広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和37年 11月1日発行 内容

吉原団地の建設始まる
四年後の完成めざし 学校・上下水道も設置

 吉原、富士の両市街地を眼下に遠く駿河湾を始め伊豆の連山を眺望する石坂町北方の高台一帯の約267,000平方メートル(約81,200坪)の敷地に、夢の理想郷の建設が始められました。
 これは田子浦港の開港に伴い各種工場及び企業の進出計画が目立ち、臨海工業都市として発展を約束されている岳南地域の住宅供給に応ずべく地元、吉原市の強い要望に答え県住宅公社が昭和36年より昭和40年度に至る5ヵ年事業として施行するものです。
 同団地は巾員16メートルの幹線道路を中心に縦横に整備される道路網によって区画され、学校、公園などの公共施設や上下水道も完備されることになり、景勝、規模共に現在県下第一のものです。
 事業計画ならびに規模の概要は次の通りです。

(1)名称=吉原住宅団地
(2)位置=吉原市石坂及大淵の一部
(3)事業主体=静岡県住宅公社
(4)事業着手、完了予定
   =着手(自)昭和36年度
   =完了(至)昭和40年度
(5)事業費概算額=348,550円
(6)事業内容
 1 敷地面積 266,927,26平方メートル
 2 建設計画戸数 個人分譲宅地288戸
 3 収容人口予定数 約5,000人
 4 施設の内容
  (A)上下水道設備
     上水道…吉原市営
     下水道…完備
  (B)公共的施設
     学校敷地予定 5,512坪
     緑地帯 3,121坪
     水路 926坪
     警察派出所
     郵便局、幼稚園など
  (C)各1宅地の平均坪数
     約70坪
  (D)その他の施設
     ショッピングセンター
     バス・ストップ

 なお用地買収につきましては土地所有者を始め買収委員等関係者の協力により短時日の間に完了しました事をお知らせします。

- 写真あり -
( 写真説明) ・・・吉原団地の模型

南山麓に輝く市立商高

 市内富士岡権現原に総工費2億余万円をかけ敷地10530坪を用いて建設中だった市立商業高等学校が完成、生徒も気分一新して新校舎におちつきました。
 昭和36年12月に工事に入り約11ヶ月の工期で建設を終わった市立商業高校は、富士を背景に駿河湾を一望のもとに見わたせるという恵まれた環境の中に近代的な感覚をとりいれ、南側正面玄関には黒み影石の角柱が立ち並ぶという立派なものです。
 校舎は南側が特別教室(会議室保健室、家庭科室、商業実践室など計39室)北側は普通教室(木工室、金工室なども含み計32室)となっています。
 市立商業高等学校は今春4月に新しく設置されたもので、県下13番目の商業高校(県、市立=9校、私立=4校)として以前から宿願されていたものです。
 いままでに仮校舎として使われていた旧穆清中学校からの引渡しも完了、生徒たちは9、10日の両日新校舎の清掃を行なったあと11日から3日間にわたり、仮校舎から備品を運搬しました。
 生徒達は15日から新校舎で待望の授業を行っています。
 職員は土屋昌久校長事務取扱を始め18名(2年後には38名)生徒は1年生の男女243名(5クラス)がいます。

- 写真あり -
( 写真説明 )・・・威容を誇る校舎を仰ぎみながら
( 写真説明上 )・・・新校舎で授業をする生徒
( 写真説明下 )・・・富士の見える高台の商業高等学校

新商品の見本市 “菊の切花展”とともに

11月10〜12日体育館で

 吉原市内商店の取扱い商品の紹介とともに商業振興を進めるための第三回「吉原商業振興店」が来る11月10、11、12の3日間にわたって市立体育館で開催されます。
 特に本年は各電気メーカーの協力もありまして展示品もぐんと広範囲になりました。さらに岳南農業研究会の協賛による「菊の切花展」も併催されることになっています。
 この展示会は吉原市と出品参加店約50店によって行われるものです。内容は家庭雑貨から身の廻り品、履物、衣料、化粧品、貴金属類及び家具、文具、電気製品など多種類にわたり新時代の代表的な製品が選ばれ展示されます。
 開場は毎日午前9時30分から午後6時30分までで、アンケート回答者(高校生徒以上)にはその場で当る“三角クジ”があり、賞品も電気メーカー提供のラッキー賞の外、お楽しみ賞品も用意されているなど、市民多数の来場が待たれています。

◎会社事業所と懇談 市内商店界

 吉原商業振興展にちなみ同実行委員会では、市内各会社事業所に対し「年末年始の贈答品はぜひ吉原市でー」の要望を行うことになっています。また特に有力会場事業所には「吉原市の商店界について」の懇談会を開いて、いろいろの批判とともに同様「吉原市でのお買上げ」をお願いすることになっています。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明 )・・・写真は今年のポスター

◎係からお知らせ
 なお37年度第三回店舗診断は12月上旬に予定されています。希望者は11月末日までに市商工課へお申込下さい。
 受付は常時取り扱っていますから市役所商工課で受けて下さい。

低利子で資金を斡旋 中小企業者の育成図る

 吉原市では市内中小企業者の育成を図るために低利子による事業資金を斡旋融資することになりました。
(1)年末資金斡旋融資
 これは年末にあたり中小企業者の年末事業がスムーズに進むようにとのもので、融資対象は、事業者であって 吉原市内で6ヶ月以上同じ事業を営み、資本額500万円または常時使用している従業員数が100人以下の法人及び個人で国税または地方税を完納しているものに限り、協調金融機関の融資対象となるものです。
 申込は10月25日から12月20日まえに市商工課でお願いします。
(2)小口事業資金斡旋融資
 これは銀行その他一般の金融機関との取引が薄く、融資が困難な小規模事業者に対して資金を融資するもので、資本額または出資額が100万円以下及び常時使用する従業員数が20人以下(商業サービス業は10人)の法人または個人で6ヶ月以上同じ事業所もしくは店舗を市内で営んでいるもの。
 不渡手形の発行によって金融機関から取引停止処分或は協会の代弁済を受けていないこと、国税、地方税を滞納していないこと、県信用保証協会の取扱業種でなくてはなりません。
申込は融資総額を超えない範囲で常時行っています。
 尚金融関係の相談は市商工課で応じていますからご利用下さい。

11月は今泉地区 みんなで受けましょう 結核健康診断

 吉原市ではいま結核の撲滅を期して全世帯にわたり結核健康診断を実断しています。
 10月31日からは今泉地区を対象にレントゲン車が巡回して間接撮影、ツベルクリン注射を行います。その結果、陰性者に対してはB・C・Gの接種を行うことになります。なお料金は無料です。
(1)該当者
 該当地区の全市民
 但し幼稚園、小、中、高等学校、大学に行っている人、官庁、会社などで毎年行っている人、また飲食業、接客業等の従業員で毎年保健所で行っている人は受けなくてもよいことになっています。
(2)日程(カッコ内はツベルクリン判定・BCG接種日で時間は全会場とも2時‐3時まで
◇10月31日(11月2日)
 神戸1、2=神戸小学校(10時‐12時)
 一色=北部農協前(2時‐4時)11月1日
◇11月1日
 須津地区未受信者=須津支所(10時‐3時)
◇11月2日
 元吉原地区未受診者=吉原保健所(10時‐3時)
◇11月5日(7時)
 御殿、吹上、寺市場=吹上公民館(10時‐3時)
◇11月6日(8日)
 一の宮、立小路=立小路公会堂(10時‐12時)
 水の上=水の上公民館(1時‐3時)
◇11月7日(9時)
 富士見町=今泉小学校(10時‐12時)
 仲町1、2、泉町=中町の塚田方(1時‐3時)
◇11月9日(11日)
 鍛冶町1、2、3=文化学院前(10時‐3時)
◇11月10日(12時)
 上和田町1、2=上和田の岡田広高方(10時−12時)
 上和田町2、緑ヶ丘=緑ヶ丘の沢木方(1時‐3時)
◇11月12日(14日)
 依田橋=依田橋の石井周作方前(10時‐12時)
 新橋=新橋日産東門前(1時‐3時)
◇11月13日(15日)
 和田1、2=吉原保健所(10時‐3時)
◇11月14日
 吉永地区未受診者=吉永支所(10時‐3時)

福祉年金が改正

 10月1日から国民年金のうちの福祉年金が改善され、公的年金との併給が認められることになりました。
 改正された主な点は(1)厚生年金や恩給など公的年金の受給者でも2万400円を限度に福祉年金と併給されます。(3)戦争公務による死亡者の扶助料などの場合には7万円を限度として福祉年金と併給されます。(4)公的年金を配偶者が受けても減額されることはありません。
 これまでは福祉年金の受給資格者であっても、厚生年金や、公的年金を福祉年金額よりも多くもらっている場合は福祉年金は支給されませんでしたがこれがこのほど改正されたわけで、(1)現在公的年金の額が2万4,000円未満の場合は各福祉年金の支給額限度内で一部または全額支給されますので合計額は2万4,000円となります。(2)戦争公務によって公的年金が支給されているときには、限度額の7万円とその公的年金との差額に対して(1)と同じような方法で支給されることになりました。
 なお福祉年金には所得制限がありますから該当すると思われる方は市役所保険課にお問い合わせ下さい。
 また該当者は申告しなくてはなりません。必要書類は次の通りです。
◇公的年金証書または郵便局の保管証
◇戸籍抄本、住民票の抄本(各2通)
◇印鑑(夫婦二人の場合には別々のものを2個)
 なお戦争公務による証明の判定しにくい場合には市役所保険課に備えつけの申立書を用意してありますからそれをご利用下さい。

ゴミからずばらしい夢がかなえたら

 インスタント時代の波に乗って冷凍食品や缶詰食品が普及したり台所の電化が進むにつれて家庭より出るゴミは日増しに増加しています。
 これは空カン、空ビン、紙くずなどいままでなら利用したものが生活水準の向上につれて、何でもゴミ箱にすてるようになったからだということが毎日集められてくるゴミを見るとよくわかります。
 私達が毎日無意識のうちにすてているゴミが1円になったらどうでしょう。市内17,000世帯で毎日17,000円、1年間になんと620万円にもなり、これが灰になってしまうのです。
 もしゴミ箱にすてている有価物を別にとっておき町内ごとに収集日をきめ廃品回収を行ったらきっとこのゴミからすばらしい夢が生みだされることでしょうし、またゴミの減量運動としても役立つことうけあいです。

お知らせ

◇市役所の執務時間変わる
 期間=11月1日から翌年3月31日まで
 時間=午前8時45分−午後4時30分まで
 土曜日の執務時間は従来どおり正午まで

◇展覧会のご案内
 第三回東田子の浦駅菊花展
 主催 吉原花の会
 会期 11月3日−20日
 会場 東田子の浦駅
※詳しいお問合せは市役所社会課又は小川守夫氏宅へ(電鈴川局139番)

人口の動き(昭和37年10月31日現在)

男 4万1,725人
女 4万1,436人
計 8万3,161人
世帯数 1万7,211世帯