広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和37年 6月20日発行 内容

参議院選挙は7月1日

第6回参議院通常選挙は6月7日公示され、投票日の7月1日をめざし127議席に激しい選挙戦が展開されています。こんどの選挙は、昭和31年7月8日の選挙により選出された議員を改選するもので、因みに全国区は51人(補欠1名を含む)が改選、地方区は全国で76人(補欠1名)を改選するものです。静岡県は地方区の定数は4人ですが、今回はそのうち2人が改選されます。公選法改正後初の選挙「買収供応追放運動」「国民投票総参加運動」のニ大スローガンのもとに開始された参院選も現在はまだ一般の関心がきわめて薄いといわれ率は、衆院選と比較した場合、一割強低い状態で、昭和34年の選挙では58.2%という全国平均(58.7%)にも達しない最低の記録でした。参議院制度の意義を市民は理解して冷静な判断のもとに権利を行使しなければなりません。

■棄権防止の市民運動 高めよう参院制度への関心を

 6月1日から1ヶ月間を有権者の「国民投票総参加運動月間」と銘うって、棄権防止に重点をおく公明選挙運動が全国的に展開されています。
 吉原市選挙管理委員会でもこの趣旨から、吉原市婦人会の協力を得て前記運動を提唱、婦人会役員による、市内有権者の棄権防止と公明選挙の推進を積極的に呼びかけることになりました。
 参院選の必要性を認識して、本来の明るい国民のための選挙となるように市民の理解と協力を特にお願いします。

参院選によせて

総投票運動強力に推進

田村由作
‐ 写真あり ‐

 こんどの参議院選挙は、22年4月の第1回選挙から数えて6回目にあたります。
 従来の選挙をふり返ってみますと、参議院選挙に対して国民の関心は薄く、従って投票率も衆議院選挙に比べて10%以上も低い有様です。これには選挙区が衆議院に比べて大きいことも“身近な選挙”の感じを薄めているようです。
 御存知のように、参議院は広い視野に立って政治を見つめ、衆議院に行き過ぎがあった場合、それを防ぐ役目として設けられたものであり、両院とも同様に、国の政治の方針を審議する権限と責任をもっております。ですから私たちは、参議院の特色をよく知り、もっと関心を示す必要があります。
 このたび選挙にあたり、中央では有権者投票総参加運動を実施しております。これは有権者のすべてが投票に加わって、自由な意思の表明により、公正かつ明朗な選挙を行おうとしているのであります。また買収、供応を徹底的に追放しようとする運動も行われております。買収、供応は選挙違反の中では最も悪質なもので、これこそ選挙を腐敗させる最も大きな原因であります。票を集めるため有権者を買収する候補者やその運動も悪いが、目先の利欲のみにとらわれて、金品の供応を受ける選挙人も同罪であります。
 およそ選挙が公正に行われずして、正しい政治が行われるようはずがありません。
私達は本当に自分の考えを代表してくれる人、そして自分の願いを実現してくれる人を選らばなければなりません。政治がうまく行われているかいないかは、勿論議員や首長の責任ですが、もとをただせば選挙した人々の責任です。自分たちの生活をよくするために、自分たちの手で政治を行うという考え方で責任をもって選挙することが大切です。(吉原市選挙管理委員長)

3年毎に半数改選 今回は127人を選ぶ

 わが国の国会は衆議院と参議院の二院制をとっています。いうまでもなく国会は国の最高決議機関ですが、その決議は原則として両院の意思が合致しなければならないのです。一院制の場合は時として多数による横暴や権力の濫用が行われ、その結果本当の国民の意思とかけ離れた方向にまで進んでしまうというような危険性もあるわけです。ところが、二院制の場合はもう一度慎重に審議することによって、片方の議院に行き過ぎがあった場合でも防止出来る長所があるわけです。
 現在の制度では、衆議院の権限を参議院にくらべて、やや大きくして、衆議院の優越性を認めています。しかし、これも両院の意思が合致しないという特別な場合にはじめて認められることで、通常の場合は両院とも同様に、国の政治の方針を審議する権限と責任とをもっているわけです。
 参議院は第二院的な性格をもっていますが、これは参議院を軽視したということではなく、定数、選出方法、任期等に違いをもうけて両院のはたらきの差をあらわしているものです。

1.定数
全都道府県を区域として選出される全国選出議員100人と、各都道府県毎に選出される地方選出議員150人、計250人です。

2.任期
地方区、全国区とも6年ですが3年毎にその半数が改選されます。なお参議院には解散の制度がありません。

3.被選挙権
代表者となって直接政治に加わる権利即ち被選挙権は衆議院25才、参議院30才となっております。
このような特色をもっている参議院は専門、研究的な立場に立って国の政治を行うにふさわしい人材を広く集めるためと、一度選出されたからには身分的に安定してその職務に専念させるためで、これにより第二院としての特色をあらわそうとしたものです。

‐ イラストあり ‐
参議院の役割
衆議院の行きすぎに、ブレーキーをかけたり、修正したりするもの 森吉正照

隋想

義理人情は禁物

今泉春枝
‐ 写真あり ‐

 国会議員の選挙には実感がわかない。人にたのまれてみて、そんな人も候補者の中にあったのかなーと思う人が大分あることは残念なことである。それにひきかえ地元の選挙は身近すぎてむしろ義理人情がからみあって随分いやな思いもしなければならない。過去の選挙といえば前述のようなわけになる。ところが最近テレビというPR機械も登場したし世の中も大分開けて来たので、こんなことはないと思うが、私達はもうすこしこうしたことに関心をよせなければならないと思う。
 お互いが人間関係を美しくし、明るい家庭生活を築こうと、その演出役を引き受けている私たち婦人こそ台所につながる政治の必要性を思い直して、地域社会を住みよいものにしてくれる人、自分たちの声の代表としてまかせられる人柄を選ぶべきだと思う。
 参議院の選挙は何日かしらなんていう放言は恥ずかしいことだと思う。地域社会の平和のためにも、住みよい生活をするためにも大いに勉強し、正しい選挙権を行使すべきだと考え願うものである。
(吉原市婦人会副会長)

立会演説会は20日

 参院選地方区の立ち会い演説会を次のとおり開催します。有権者にとって、候補者の人物、政見、識見などを知る絶好の機会ですからお誘い合わせの上多数お出掛け下さい。
1 日時 6月20日(水)午後1時から
1 場所 吉原市民会館
1 演説時間 候補者一人25分

補充選挙人名簿の縦覧 6月25日・26日

 吉原市選挙管理委員会では補充選挙人名簿の縦覧を次のとおり行います。
1.期間 6月25日、26日の二日間
2.場所 吉原市役所(選挙管理委員会)
※この期間には確定している基本選挙人名簿の閲覧も出来ます。

‐ イラストあり ‐
( イラスト説明)・・・じゃまだてしてもノシあげるぞ 宍戸 左行

田植真っ盛かり

東京の水不足に対する天のなさけか−今は暦より一足先の梅雨(つゆ)の入り…。
そのため農家にとっては田植が10日程早く、いまは全く猫の手もかりたい忙しいさ。しかし農業従事者にとって一番の悩みは何といっても若い農村労働力の不足ということー。田植えする人も主婦が中心、逞しい若人の顔は工場通いで田の面(も)にみえず、カワズ泣く用水堀りの流れの中に「時代の流れ」がみえた。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・川尻町にて

商業調査はじまる

関係業者の協力要望

 通産省では、商業の分布状況及び商業活動の実態を明らかにするため、7月1日現在における卸売業、小売業、飲食店などについて
「商業統計調査」を実施することになりました。吉原市の約1,800の対象については、市商工課がこの依託を受け、市内を33の調査区としてそれぞれ地域調査員による調べを6月下旬から行うことになりましたので、市内商業関係者の積極的協力をお願いします。なお調べは次の甲、乙、丙の3種に区分されています(商工課扱)
◇甲=会社組織または常時使用人を有する商店
◇乙=家族従事者のみの商店
◇丙=飲食業関係

今年も商品展示会開催

希望商店の申込受付

 吉原市における優良商店の紹介を介して、店頭と消費者をむすび共同の利益をはかるための「吉原商品展示会」を本年も11月会期に開催することになり、そのため出品希望商店の申込みを受けつけることになりました。
 過去2回にわたる展示会によって得ました経験にもとづきまして本年は特に斬新的な計画による展示会を予定しております。今後出品関係者と協議の上で具体的な内容をきめてゆくことになっております。
 出品希望商店は6月20日から7月10日の間には市商工課まで申込れ増すようお願いいたします。

選挙の違反行為

 選挙戦がはげしくなると、候補者や候補者の運動員はあの手この手を使って皆さんの票を狙って来ます。皆さんはこんな時、誘惑に負けずきっぱりと断る勇気をもって下さい。そして常にこれらの違反に対してするどい監視の眼を光らせていましょう。
 ではどんな行為が違反になるでしょうか。

◆事前運動
一切の選挙運動は公示前は出来ないことになっております。ただし、立候補準備のための行為はこの限りではありません。
◆戸別訪問
投票を依頼する意思をもって戸別に訪問することは出来ません。戸別に演説会の開催を告げる行為も禁じられています。
◆署名運動の禁止
何人も投票を依頼するような含みをもって署名運動をすることは出来ません。
◆飲食物の提供の禁止
選挙運動のため通常用いられる程度の湯茶や、これに伴う菓子以外の飲食物を提供することは出来ません。但し選挙運動に従事する者については一定の範囲内で許されております。
◆連呼行為の禁止
演説会場及び街頭演説の場合を除き候補者の名前等を連呼することは出来ません。いわゆる流し演説等は出来ないことになっております。

この他未成年者の選挙運動、公務員、教育者の地位利用による選挙運動も禁止されております。

おしらせ

買収供応追放標語
動く金にも動かぬ一票

市民の動き(昭和37年5月31日現在)

男 4万1,575人
女 4万1,228人
計 8万2,803人
世帯数 1万6,959世帯