広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和36年 9月15日発行 内容

日本一の施設目ざす
吉原市清掃作業所新設工事 いよいよ着工

明年10月完成を目標に

永年の懸案だった清掃作業所の建設事業がいよいよはじめられることになり、さる9月2日、起工式が行われました。建設予定地の市内大渕八ケ窪地先の式場には関係者80人が招かれ、金子市長は工事の安全を期して、日本一の施設をつくってほしい、とあいさつしました。この工事は昭和37年10月末日の予定です。

 この清掃作業所は、環境衛生行政のうち、特に重要問題であるし尿処理施設の建設と、ごみ焼却爐の増強を目的として、この二つの施設を同一敷地内に設置して、清掃事業の合理的運営をはかろうとするものです。
 この建設工事は、総事業費約1億6,000万円の巨費を投じて、3万3,000平方メートル(約1万坪)の敷地内に建設されます。
 し尿処理関係は、日本衛生工業株式会社(岡山市)ごみ焼却爐関係は、岩本工業株式会社(平塚市)の請負により施行いたします。

◎施設の概要と性能
 し尿処理施設は、1日90キロリットル(500石)9万人分のし尿を完全に衛生的に処理できるもので、投入(貯溜)槽、脱臭室、消化槽、撤布ろ床、沈殿槽、塩素減菌槽汚泥処理装置、ガスタンク、加温装置が主な設備となっています。
 投入(貯溜)槽に一時貯溜されたし尿は、カッター、スクリュープレスという特殊な機械で、混入している固形物を処理してから消化槽へ送られ、30日間消化してメタンガスと液体(脱離液)と固形物(沈殿汚泥)とに完全にわけられます。そしてメタンガスはタンクに貯え、消化槽に熱を加えて消化を助ける熱源やその他に利用し、脱離液は撤布ろ床、沈殿槽で処理した上、更に塩素減菌槽で減菌して完全無害な清水として放流されます。又、汚泥は機会で脱水しごみ焼却爐で焼却しますこの全体の機能は最新最良の機械が選ばれています。
 ごみ焼却爐は、現在市内西国窪地先にある施設が、増加する一方のごみを処理しきれなくなったこと、また現在地は住宅地として急速に発展してきたため、場所的にも不適当になったこと、などの理由で新設に踏みきったもので、1日25トンの処理能力をもつごみ焼却爐を清掃作業所に併設することにしたわけです。
 これは、昭和40年には1日50トン処理に増設できるように計画され、従来のものよりも改良された、強制通風、自動灰掻付の最新式のものですなお、この余熱で、し尿消化槽加温用の温水が得られるように設計され、一石二鳥の効果をねらっています。
 清掃作業所の敷地は、ほかに類をみない快適な環境の地で、一切悪臭のしないように特別な配慮がはらわれていると共に清潔感のあふれる構造、外観であるように工夫され名実共に全国のモデルケースになるだろう、と期待されています。

‐ イラストあり ‐
( イラスト説明 )・・・吉原市清掃作業所完成予想図

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( 写真説明 )・・・現在の塵芥焼却場

◎市長の挨拶(要旨)
 市議会や地元の皆さんのご協力で、起工式を迎えることが出来ました。財政的に負担の大きいこの建設事業が、なんの支障もなく着工出来ますことは、この上ない感激です。ここは全国にもまれな環境に恵まれています。工事を請負われた日本衛生工業や岩本工業の、高度の技術と誠意に期待して、日本一の処理施設ができますように念じてやみません。

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(写真説明 ) ・・・市長の鍬入式

◎施設の説明
1.投入口 2.脱臭室 3.投入槽 4.第一消化槽 5.第二消化槽 6.ポンプ及び操作室
7.撤布ろ床 8.最終沈殿槽 9.塩素減菌室 10.ガスタンク 11.塵芥焼却炉 12.自動灰掻上装置

- 写真あり -
( 写真説明 ) ・・・
(1)清掃作業所水源のさくせん工事
(2)進入道路建設に活躍するブルトーザー
(3)9月2日現地で行われた起工式
(4)工事完工の抱負を力強く語る日本衛生工業社長

乳牛定期結核検査

 家畜伝染病予防法によって、乳牛の定期検査を家畜防疫員が巡回しておこないます。
 なお、猶予牛(病気、引付不可能な牛)は、検査の当日猶予申請書を提出して下さい。日程は次のとおりです。
◇10月2日=伝法家畜市場(午前11時)島田農業協同組合(午後2時)元吉原農業協同組合(午後3時 )須津農業協同組合(午後4時)
◇10月3日=原田滝川観音堂境内(午前9時)神戸小学校西側(午前11時)大富町集乳所(午後2時)
◇10月4日=大渕農業協同組合(午前9時)富士本西町共同集荷場前(午前11時)八王子1丁目下原(午後2時)

結核健康診断 大淵・元吉原地区を巡回

家族そろって受けましょう

 衛生課では「一年に一度は家族全部が健康診断」も目標に、全世帯の結核健康診断を実施していますが、9月は11日から21日までを大渕地区20日から10月1日までを元吉原地区を対象に、レントゲン車が巡回して間接撮影・ツベルクリン注射を実施致します。そしてその判定によって陰性者に対してはさらにBCGの接種を行うことになっています。すでに該当者には個人宛に通知書をさしあげてありますから該当の当日はお忘れなく健康診断を受けて下さい。なお、実施の当日受診しなかった方には、再び通知書を出して、指定された日に吉原保健所で健康診断を受けていただきます健康診断は次の日程で行っていますから、家族そろって健康診断を受けて結核のない明るい家庭、明るい町にいたしましょう。
1.受けなければならない人
(1)0才から入学前までの幼児(ツベルクリン注射と陰性者にBCG接種)
(2)中学校卒業より29才までの人(ツベルクリン注射と陰性者にBCG接種、レントゲン間接撮影と必要ある人に精密検査)
(3)30才以上の人(レントゲン間接撮影と必要ある人に精密検査)
該当者で通知が届いていない人があっても必ず受けて下さい。
2.受けなくてもよい人
(1)幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学に行っている人、(2)官庁、会社、工場などで毎年行っている人、(3)飲食業、接客業などの従事者で毎年保健所で行っている人、(4)現在結核で治療を受けている人
▽以上の該当者で、もし個人宛の通知が届いた場合は、衛生課又は支所へ連絡して下さい。
3.その他
(1)間接撮影の結果、精密検査を必要とする人には、後日郵便で本人宛に通知します。
(2)各自の都合で、どこの会場でも受けられます。
(3)料金は無料です。

◇日程(間接撮影とツベルクリン注射)
▽16日=中野町1・2、八王子町2=大渕第一小学校(10時〜4時)
▽18日=大久保町=大久保公会堂(10時〜12時)
若松町=若松作業所(2時〜4時)
▽19日=落合町=落合町勝又さん方(9時30分〜10時30分)・片倉町=片倉共同作業所(11時〜12時)・久保町、三倉町、末広町、三倉南町=法蔵寺前(2時〜4時)
▽20日=柏原町1・2=柏原幼稚園(10時〜3時)
▽21日=田中町、西田中町、桧町=田中公会堂(10時〜3時)
▽22日=大野町=大野公会堂(10時〜3時)
▽25日=未受信者=吉原保健所(10時〜3時)
▽26日=今井本町、東町、毘沙門町=今井公会堂(10時〜3時)
▽27日=鈴川浜町東中、西通り=砂山日産生協前(10時〜3時)
▽28日=鈴川町3、4、5=鈴川町3鈴木佳久さん方(10時〜3時)
▽29日=鈴川町1、2=大昭和クラブ前(10時〜3時)
▽30日=未受診者=吉原保健所(10時〜3時)

‐ 写真あり ‐
( 写真説明 )・・・家族そろって健康診断

お知らせ

“私達の街”を“私達の熱と努力”で明るい住みよい街にいたしましょう。川やミゾには絶対にゴミを捨てないで下さい。

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