広報よしわら 昭和41年11月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和36年 8月1日発行 内容

季節の話題

 体力の鍛錬には最適な夏を迎えました。しかし毎年悲しい水の犠牲者や山の遭難が絶えません。 お互いに充分な予備知識と周到な計画のもとに楽しい夏を過ごしまししょう。

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( 写真説明)・・・"夏"ジリジリと焼きつくような炎熱の光り、雲は厚く山は遠い。キラリと涼風に銀糸が躍れば、彼方の海面に希望の飛沫があがる。快哉。(鈴川海岸)

発刊のことば

 吉原市長 金子彦太郎
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 御承知の通り、本市は他都市にさきがけて広範囲の無線広報施設を早くから実施し、更には、広報車による末端の連絡にも意を用いて参りましたしかも他面、社会の公器である「新聞」があり、又、ラジオ、テレビを初め各機関紙或いは文化団体等の機関紙によって、特殊な問題については、其の都度知らしめられては来たものの、各種の実状から、其のいずれもが一部市民に限られ、広く「全世帯を対照とした広報」とは申し難いものがありかねて、「目で見る広報」しかも「家庭にのこる広報」の必要性を痛感しておりました。
 幸いにして、このたび理解ある市議会の御協賛を得て予算措置も終り、この8月1日付創刊号から「広報よしわら」の誕生を見、全世帯もれなく配布されるのみならず、本紙の発行により、従来嘱託員各位に多大の御手数を煩わせておりました回覧文書が、多少なりとも減ぜられて参りますことは、市長としてこの上もない喜びであり御同慶に耐えません。
 しかしながら、本紙が真に皆様の御満足を得る充実したものとなる迄には、其の企画に、内容に今后大いに研究努力を要するものと十二分に承知をいたしておりますので市民各位の建設的な御意見、御希望をおきかせ願うと共に、積極的な御支援御協力を希いまして御挨拶といたします。

田子の浦港近く

“開港祝賀” 4日現地で

 田子の浦港の開港祝賀式典は、来る4日午前11時30分から旭化成専用埠頭で盛大に開催されます。
 この式典は、静岡県主催、吉原、富士両市協賛で行われ、式には、関係大臣を始め、運輸、建設、大蔵、自治、通産の各省、或いは海上保安庁などの関係者、それに国会議員、県議会議員その他地元官公署及び港用地の旧地主の方々など約850人を招待し1時間にわたって盛大に行われます。又、開港を記念するために入港する船は、海上保安庁の巡視艇を始め、官公庁の2,300トン級の船が数隻予定されこの式典に参加いたします。この他、地元中学校ブラスバンドや、両市商工会議所協賛の多彩な各種の祝賀計画が実施され、はなやかな式典になお一層の色彩をそえることになっています。

■港まつりに無料バスを運転
 開港まつりの当日、吉原商工会議所では、港見学市民の便益をはかり、午前9時から午後6時まで吉原市駅より3台、吉原駅より2台の巡環無料バスを港湾まで常時運転いたしますのでご利用下さい。
 この他、当日の祝賀行事としては假装自動車50台を連ねて吉原、鷹岡、富士をパレード、又日産自動車提供の演芸大会は市民会館で夜催されるほか、花火大会も行われます。

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(写真説明上)・・・完成急ぐ田子の浦港
(写真説明右)・・・日本最大の波浪に堪える特殊防波堤潜函工事

青少年を犯罪から守ろう

 吉原市内の青少年犯罪(19才以下)が増加の一途をたどっています。吉原警察署の調べによると本年1月から6月までの犯罪者は、95名で昨年同期の75名にくらべ20名の増、特に目立つことは窃盗事犯の73名で、これは昨年の倍近い激増ぶり、またその年令は著しく低下し極端なまでで14歳以下が31名(昨年9名)となっています。
 これらの青少年について調べてみますと、犯罪不良化の第一歩はほとんどが家庭の無頓着、放任によるもので、なお16、7才のものについて共通していることは、夜遊びがいずれも転落のキッカケになっているということです。
 夏期は特に性犯罪をふくめて青少年犯罪の多発が予知されますから各家庭では充分注意するようお願いいたします。なおこれらについてお困りの方は地域の青少年関係役員、民生児童委員、学校要すれば警察などに早目に連絡をとり保護輔導措置を講ずるようにいたしましょう。また、市役所では青少年保護育成室がそういう問題の相談を受けています。(社会課)

今が赤痢の流行期

食物の保存に注意

 夏の恐ろしい伝染病である赤痢は今が流行期です。
 吉原市でも、すでに44名が赤痢にかかり、このうち1名が死亡しています。
 これから尚一層厳しい暑さが続きます。とくにお子さんの食べもの飲みものには気をつけて赤痢を予防するために次のことを守りましょう。
1.食前には、必ず手洗を励行すること
2.川の水で食器を洗ったり「なま水」を飲んだりしないこと
3.弱った生魚は食べないこと
4.暴飲、暴食はしないこと
5.発熱、頭痛「はきけ」下痢の症状が起きたらすぐ医師の診断を受けること

旧軍人等の恩給改正

 このほど恩給法が改正され旧軍人などの恩給が加算復活されることになりました。このため市ではこの相談受付を地区毎にわけておこないますので次に掲げる改正事項に該当する方はお忘れなく関係の相談受付所へお出で下さい

◇旧軍人等恩給の加算復活
 普通恩給末裁定および一時恩給裁定者で戦地勤務加算により普通恩給年限に達するもの

◇傷病恩給の改正
 増加恩給受給者の家族加給員の制限廃止

◇特別扶助料などの給与条件の緩和
 内地死亡の準軍人(陸海軍学校生徒)に特別法の適用

◇旧日本医療団職員期間の通算

◇外国政府職員期間の通算
 相談受付の日時、場所
 8月3日〜5日=今宮一色、神戸地区(神戸小学校)
 8月7日〜9日=元吉原地区(元吉原支所)
 8月10日〜12日=大渕地区(大渕支所)
 8月14日〜16日=伝法地区(伝法小学校)
 8月17日〜19日=今泉地区(今泉小学校)
 8月21日〜23日=吉原地区(体育館)
(時間は毎朝9時から午後3時、なお土曜日は午前11時まで)

デコボコ道のなやみ解消!!

簡易舗装機械の購入で

 市内の道路の補修は4台のトラックとグレーダーによって常時実施しておりますが、一時降雨に遇えば元のもくあみ。再びでこぼこ道路と化し全くなやみの種となっています。そこで今年度市においては370万円を投じて舗装機械を購入し、交通量の比較的少ない路線は全面的に簡易舗装を行うこととなりました。
 旧市内の市街地は下水道工事施行の計画があるので一時保留し、その他の区域を重点的に今年度から三ヵ年計画で順次工事を進めて行く方針です。

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(写真説明)・・・期待される簡易舗装機械

農村有線電話工事

今泉農協管内で近く着工

 今泉農協管内の農家に国の補助する新農村総合施設事業として特殊装置付電話施設工事が近く関係官庁の承認を得て着手する運びとなりました。既に大渕、吉永の農協管内において農事放送設備として農家の皆さんの生活の向上に、経営の合理化にこの施設は大きな貢献をしています。

水防演習

潤井川山橋付近で近く実施

 吉原市水防団(団員150名)は、台風期を控え来る8月7日午前8時から、山本組頭(議会議長)総指揮のもとに潤井川山橋付近において恒例の水防演習を行い、金子水防長(市長)の視閲を受ける予定。

雷鳴時のお願い

水道課から

 いよいよ盛夏に入って雷雨の季節となりましたご承知のように水というショートしやすいポンプ室には落雷、入電の危険が多分にありますので、水道の生命であるポンプを守る意味から、雷鳴時にはその状況を見計ってスイッチを切ります。このため、鈴川地区等では一時断水をまぬがれませんので、雷鳴時に早めに水のご用意を戴きたくお願いします。

おしらせ

公営企業法の適用を受ける“水道料”は必ず納期限迄に

建築は先ず確認申請を

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NHK吉原だより”は毎週木曜日午後3時45分から(静岡第一放送)“無線広報”のお知らせは毎日午前7時45分と午後4時45分。

この広報発行により、回覧文書は少なくなります。必ずお読みになっておいて下さい。

住所はいつもはっきりと!住所を移動したときは、必ず14日以内に住民登録の届出をいたしましょう。(市民課又は支所へ)

人口の動き(36年6月末日)

男 8万2,075人
女 4万1,077人
計 4万998人
世帯数 1万6,257世帯