富士市議会議長 佐野喜郎
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明けましておめでとうございます。ご健康で明るく新春を迎えられましたことを心からお喜び申し上げます。希望に明けた昭和40年も、一昨年来の不況風にさらされ、多事多難な1年間でありました。
しかし、岳南地域にとりましては、完成間近い田子浦港に待望の1万トン級船舶と、更には客船の初入港を、また旧ろう18日には魚市場の竣功を見、新年早々開市のはこびとなっており、ますます将来が約束づけられた感がいたします。
低迷を続けた産業経済界も、徐々に景気回復の兆は見えはじめたとは申せ、国債政策への転換に伴いその危機感はなお去らざるものと予測されます。
当市の財政事情をみましても、収入に比し、重要は逐年増大され、継続事業の富士文化センターがいよいよこの3月末に完成。その偉容は霊峰富士を背に富士市の文化を表現するにふさわしいものと期待されますが富士第一小学校の改築、都市計画、身延線の付け替え、東名高速道路建設に伴う関連事業をはじめ、市民の福祉向上に直結する幾多の重要事業が山積しており、相当至難な年であると覚悟いたさねばなりません。
また、市民ひとしく関心を寄せております都市合併問題も、ただいたずらに大都市建設の夢を追うことなく、真に地域住民の福祉が増進される根拠に基づいて推進されるべきであって、慎重にも慎重を期し、なお十分なる論議が必要とされておりますが、満10有2年を迎えた富士市にとっては昭和41年こそ市政史上にその類例をみない奮起躍進の年であると痛感し、あらためて各位のご高見を期待するものであります。
今年から来年にかけましては、ご承知のように、地方の首長、議員の改選が予定されております。この際県、市政に対しまして十分なるご研究をお願い申し上げる次第であります。
昭和41年の年頭にあたり各位のご健康とご多幸を祈念いたしますとともに、旧ろう4日正・副議長の辞任に伴い、はからずも私が議長に、服部国太郎君が副議長に満場一致をもって推挙されました。
もとよりその器ではありませんが各位のご期待にこたえるべく努力いたす覚悟でございます。何とぞ御指導を賜わり、地域発展のため大局的見地から格別のご協力を切願申し上げ、私の挨拶といたします。
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昭和40年11月定例市議会は、11月29日から12月7日まで会期を延長して開かれました。
今回の主な提出案件は、昭和40年度一般会計第4回補正予算を始め39年度一般会計および特別会計歳入歳出決算など18議案を原案どおり承認議決しました。
続いて正副議長ならびに各常任委員の選挙を行ない新議長には、佐野善郎議員が、15代目議長として就任。
また新副議長には、服部国太郎議員が・A16代目副議長としてえらばれました。
なお、改選された各常任委員は別表のとおりです。
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(図表あり)・・・富士市議会常任・特別・委員会委員名簿
富士市では、市内の官公署および事業所、各種団体代表200余名を招き1月1日午前10時30分から新年挨拶会を富士市議事堂で開きます。
とくに、ことしはこの新年挨拶会の席上、自治の進展に貢献した松永安衛氏を始め、産業開発および社会福祉に尽力した斉藤新作、秋山てる三氏などを市の表彰条例に基いて表彰することになっています。
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ことしもまた、成人の日がまいりました。この日は大人になったことを自覚しみずから生き抜こうとする青年を祝い励ますために設けられたものです。
新しく成人になられたみなさんに心から「おめでとう」を申しあげるとともにきょうのよろこびの日を迎えるまでの、みなさんのご両親のご苦労に対し、みなさんとともに、改めて心からお礼を申し上げたいと思います。
かえりみると、みなさんがこの世に生をうけたのはわが国が敗戦という有史以来の大試練をうけた翌年でした。田畑は荒癈し、都市という都市はほとんどが焼野原と化し、生産手段も流通機構も完全に破壊しつくされて、日増しにつのる食糧不足と悪性インフレの荒波の中に明け暮れた時代でした。こうした中で生まれたばかりのみなさんと抱いて必死に生きつづけたみなさんのご両親の苦難はいかばかりだったことでしょう。
やがてみなさんは、少年として、また少女として敗戦の苦しみをなめつつも、次第にたくましく成長して行ったわけです。
こうして私たちの郷土は今日みなさんが見られるように、経済的に、また文化的に世界の人々が目をみはるような復興を遂げ、みなさんもまた見るからに頼もしい「はたちの若者」に成長して今日を迎えたわけで思えばまことに感がいひとしおのものがあります。
成人を迎えられたみなさんは、今日今後、社会的に独立したひとりの大人として選挙権が得られ多くの法律上の能力をそなえることになり、反面それに対応する社会的、法律的責任を負うことになったのです。
むかしは、よく「その国の将来は、その国の青年をみればわかる」といわれたものです。どうか、みなさんにつづくさらに若い人たちのためにも、より豊かなより明るい平和な郷土の建設に向って「はたち」のたくましい生命と情熱が今日を期してたくましく始まることを期待して、みなさんの晴れの門出を心から祝福したいと思います。
◎申出のできる人
1.新しく富士市に転入して来た人
2.満20才に達した人
◎申出をするところ
富士市役所市民課窓口
転入、転出または会社、工場へ入退社したとき出産、死亡のときはかならず市民課窓口へ届けてください。