広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和40年 12月1日発行 内容 合併特集号

世帯と人口(40年11月1日現在)

面積 30.55平方キロメートル
人口総数 5万4,438人
男 2万7,906人
女 2万6,532人
世帯数 1万1,929世帯

全世帯に配布
この広報紙は町内自治会を通じ市内の全世帯にもれなく配布されております。皆さんのお宅に届かないときは部落の区長または市広報係までお申し出ください。

合併特集号 岳南2市1町合併だより
煮詰まってきた合併協議
新市の名称 市役所庁舎の位置 議員の任期 目下協議中

 富士市、吉原市、鷹岡町の2市1町合併問題は、主要な協議が大詰めを迎えようとしています。当初の目標であった昭和41年4月1日の新市の発足ができるかどうかは、これからの1、2ケ月の動向如何にかかってまいりました。只今促進協議会では、新市の名称をどうするか、新市役所の位置をどこにするかなど極めて重要な問題と取り組んでおりますので、現在の状況についてお知らせしたいと思います。合併問題こそ私達富士市の今後の方向を決める最大な問題ですから十分関心を寄せていただきたいと存じます。

◇新市の名称
 新しい市の名称をどうするか、富士市としては、現在新市となっても名称は富士市が1番よいではないかという意見を出しています。それは富士市の富士をとるということでなく、世界の名峰富士山の富士をとって新市の名称とすべきだということです。まだ正式に決まったわけではありませんが、名称について余り異論なく最終的にはそのように決定されるものと期待しております。

◇市役所の庁舎の位置
 市役所の位置をどこにするかは1番むずかしい問題です。現在吉原市は国道添いの野球場用地を候補地として示し、鷹岡町は大月線の南、東名高速道路のすぐ北側を示し、富士市は潤井川添い(山川板金の北側)を示し、3者の意見が対立しています。これからは十分話し合って、お互いが譲り合い、どこか適当な場所1ケ所に決定されるわけですが、非常にむずかしい問題だけに、簡単に決まりそうにないのが現在の状況です。

◇市庁舎の建設
 新市の発足後すぐに市庁舎の建設をはじめなければなりませんが、まだ場所が決まっていないので、具体的な建設計画はできていません。しかし合併することが決まれば、一時的にせよ仮庁舎を建設しなければなりません。今のところ仮庁舎についても未定です。

◇議員の任期など
 市会議員と町会議員の総数は83名ですが、特例法によって現在の議員がそのまま2年の範囲内で新市の市会議員となることができます。また特例のない場合の議員定数は40名です。
この問題も協議を重ねておりますが、どの方法をとるか決定していません。合併の責任をもつため1年位の任期の延長案もあり、他の案もありますが、富士市の議会は1年案を主張しています。・「ずれの方法にか意見の一致をみませんと協議が整わないことになります。

◇新市の行政機構
 新市が発足すれば当然、新しい行政機構となりますが、今までと違って部課制になります。住民の利便と事務能率の向上を考えた新しい機構の検討をただいま慎重に検討しています。

◇各市町の継続事業
 新都市建設計画として将来の5ケ年計画を立案中です。大体のところ五ケ年で92億円位の投資的な事業を計画しています。ここでは市民生活に直結した仕事を優先して取り上げる予定です。

◆合併までのスケジュール 合併議決から新市発足まで

−写真あり−
(写真説明)・・・行政委員会々議風景

実際に合併し新市として発足するまでには、次のような法律的な手続きが必要です。
(1)2市1町の議会で合併の議決をする以前に合併に必要な事項24項目(裏面の下欄参照)について協議決定され、十分市民の声を聞いた上で、2市1町の議会で合併することを議決されます。
(2)2市1町から県知事に申請する
(3)県知事は合併の申請があったことを、あらかじめ自治大臣に協議する。
(4)県議会として合併を認めるかどうか議決する。
(5)県議会の議決があれば、県知事は合併を認め、ただちに自治大臣に届け出る。
(6)自治大臣ただちに告示する。
これらの手続きが完了して、はじめて2市1町は名実ともに合併することになります。

◆決定された事項−合併協議会の各委員会で−
◇農業委員会の委員の任期等
 各市町に設置されている農業委員会の委員のうち
(1)選挙による委員は任期を1年延長
(2)団体推せんの委員は新市が発足してから新しく選任されますが、その数と委員は現在の委員があてられます。
(3)議会推せんの委員は、新市が発足後、議会で推せんされます。(現在9名が5名に変更)

◇選挙管理委員会の委員
 地方自治法の定めにより新市が発足してから最初に開かれる議会で新しく委員が選挙されるまで、現職の委員の中から4名が互選により暫定的に選出されます

◇教育委員会の委員
◇固定資産評価審査
◇委員会の委員
 新市発足後、市長職務執行者(新しく市長が選挙されるまでの間、暫定的に市長の職務を行う者)が現職の委員のうちから、教育委員については、5名、固定資産評価審査員については3名を暫定的に選任します。

◇その他監査委員、
◇国民健康保険運営協議会委員、
◇防災会議委員、
◇社会教育委員など
(非常勤の特別職)については、新市が発足してから関係条例などを制定して委員の選任がおこなわれます。

◇各種公共的団体の取り扱い
 現在2市1町に農協、商工会議所、青年団、婦人会など公共的団体が243団体ありますが、その存立の基礎、活動状況などが、それぞれ異なり、これを画一的に取扱うことは困難です。従って(1)法律によって必然的に統合すべきものと、(2)新市発足後において、統合調整することが好ましいものとにその取り扱いが決りました。

(1)法律により統合すべきもの。
民生委員協議会、農業共済組合、商工会議所
(2)統合することが好ましいもの
遺族会、青年団、婦人(連絡協議)会、体育協会など25団体

◇一部事務組合の取扱いに就て
 吉原市外2ケ市町教育植林組合、鷹岡町・吉原市用水組合、鷹岡町・吉原市道路組合、富士市・鷹岡町火葬場組合、田子の浦港魚市場組合は解散
 静岡県6市競輪組合、岳南食肉センター組合は存続  富士宮市外3町伝染病組合は脱退

◇一般職員の身分の引継ぎについて
 現在2市1町に雇用されている一般職の職員はすべて新しい市に引継がれます。また、新市の職員間に給与その他身分上の取扱いに不均衡を生じないよう合併前に2市1町の市町長の間で協議され調整がとられます。

◇市町税の取扱い
(1)合併後の市民税の均等割の税率は、昭和41年度は旧富士市、旧鷹岡町については200円、昭和42年度以降は全市400円となります。その他所得割の税率納期限などは現行通りです。市民税の均等割の税率が高くなるのは富士市においては、合併に関係なく、本年10月1日現在をもって実施された国勢調査の結果が官報に告示されると、昭和42年度以降は400円となります。
(2)法人の市民税の税率は法人税割は現行通りですが法人の均等割については昭和41年4月1日より年額1,800円となります。
(3)固定資産税の課税標準税率、免税点については現行通り、納期限は4,7,9,12月になります。(現行富士市4,7,12,2月)
(4)軽自動車税は現行通りの標準税率と納期限(4月末日)です。
(5)市町タバコ消費税、電気ガス税、木材引取税も現行通りです。
(6)都市計画税の課税範囲は、都市計画区域外を除いた全域が対象とされます。税率は1,000分の2(現行通り)納期限4,7,9,12月

◇使用料・手数料の取扱い
使用料、手数料については、次のように調整されました。

使用料
現行の使用料によって当分の間、取扱うものは
○吉原市民会館使用料
○富士市勤労者会館使用料
○吉原市立体育館使用料
○吉原市立商業高校授業料
○富士市立中央病院特別入室料
○霊柩自動車使用料
○住宅使用料
○保育園保育料
○火葬場使用料
○幼稚園保育料
○水道使用料
○道路占用料
等ですが、幼稚園保育料、水道使用料、道路占用料などは新市が発足してからできるだけ早い時期に調整するように配慮することになっております。

手数料
(1)諸証明手数料は戸籍関係が、40円、その他の諸証明手数料が、50円に調整されました。
(2)水道関係手数料は調整案を定め新市発足と同時に適用することになります。
(3)その他の証明の転出証明、戸籍手数料(書類の閲覧、謄、抄本の交付)危険物手数料、旅行証明書交付手数料などは現行通りです。