広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和40年 3月1日発行 内容

春の火災予防運動はじまる 昨年は約1億2,000万円が灰

−写真あり−
(写真説明)・・・火災の現場

 春の火災シーズンを迎え2月28日から3月13日まで恒例の火災予防運動が行われています。この運動が予防思想の普及向上による出火の防止と、出火時における早期通報、初期消火及び避難管理の徹底とによって市民の生命、身体及び財産を火災からまもることを目的としております。特に最近の火災の傾向は尊い人命の焼死事故が急増しており、又各地に発生した火災もその事例の大半がわずかの油断、不注意から生じております。このためこの運動は
◇「たばこ」による火災の防止
◇焼死傷事故の防止
◇大火の防止
◇特殊火災の防止
を重点目標として行われています。

◆火災損害 県下第2位 ありがたくない富士市の火災
 昭和39年1年間における富士市の火災発生状況を次の通りおしらせします。

◇火災件数 35件
 建物火災 24件
 車両火災 3件
 其の他の火災 8件

◇焼損面積 7,566.45平方メートル

◇損害見積額 1億1,835万9,000円

◇罹災世帯 全焼 1世帯  半焼 18世帯

◇死傷者 死者 1名  傷者 10名

◇火災件数は前年よりも4件減ったが逆に焼損面積は20倍強、損害見積額は11倍強となっております。これは損害3,000万円以上の工場火災が2件もあったためであります。

◇火災発見の種類別では、電話によるもの29件、望楼発見4件、鎮火後届出のあったもの1件、その他1件となっております。

◇月別では2月が6件、1月、3月、4月、5月が5件、8月が3件、11月が2件、6月、7月、8月、9月、12月が1件、10月が無火災でした。

◇原因別では「たばこ」が4件、「コード」が4件、ついで「マッチ」「かまど」がそれぞれ3件、「焚火」「コンロ」「花火」「熔接断の火花」がそれぞれ2件の順となっております。

3月のお天気 山登り(なだれ)に赤信号

 冬の間、続いていた西高東低の気圧配置も3月の声をきくと崩れだし、風も割合おだやかになり日中の気温もどんどんあがってきます。しかし昨年の3月にはきびしい寒さがやってきています。すなわち12月8日には関東南部一帯は大雪に見舞われ27日にも東京地方ではボタン雪に見舞われ春の訪れで寒さに気をゆるしていた都民をすっかりふるえあがらせました。
 そこで3月に警戒しなければならない気象現象としては、次のようなものがあげられます。

◇春の荒れ
 春はよく大風が吹きますがこれは低気圧が日本海を通るとき起こります。この時期の低気圧は、急激に発達したり、また速いスピードで移動したりするのでとくに海上の一般船舶、漁船などは気象情報に十分注意してください。

◇春の火事
 南風が・≠ュと、急に気温があがり、空気が乾燥してくるので、大事が起きやすいし、さらに暴風は、小さなボヤも大火に発展させてしまいます。鳥取市、飯田市、青森、秋田両県下などで戦後おこった大火はいずれもこのような気象条件でした。

◇なだれ
 今冬も山の遭難が多い。とくに南アルプスでなだれによる大量の犠牲者が続出しています。
 なだれは、積もっている雪がくずれて傾斜面をすべり落ちる現象です。その分類は複雑でいろいろな分けかたがありますが積雪全体が地面の上をすべり落ちる「全層なだれ」と積雪の上の方の部分がその下の雪積の上をすべり落ちていく「表層なだれ」の2つに大きく分けることができます。全層なだれは、気温が上がって雪どけがさかんになった時に多いもので、また、表層なだれは前に積もった雪の表面が新しく積もったときちょっとした刺激で新雪が積雪層の上を非常な速度ですべり落ちるものです。3月に入って山登りする人たちはくれぐれもこれらの点に

民意を反映 これが検察審査会の仕事

 新しい憲法のもとに、日本の政治を明るくするために、いろいろの民主的な新しい制度が生れました。検察審査会も、この新しい制度の一つとして「司法の民主化」という大きな使命をもって昭和24年に生まれことしで15年目を迎えます。
 公務員は、みな国民からまかされて国のしごとをしています。ですから公務員のしごとをしています。ですから公務員のしごとのやり方は、常に国民の監視を受けていなければなりません。
 わたくしたちの中から選ばれた検察審査員11人が国民の意見を検察庁のしごとの上に反映し、これを正しく監視するのが検察審査会です。

◆検察審査会のしごと
 犯人を裁判にかけるのは検察官だけしかできません。それでは、窃盗、詐欺、暴行とか交通事故などいろいろの犯罪で被害を受けた人が、警察や検察庁に訴え出たが、検察官がその事件を裁判にかけてくれない、どうも納得がゆかないという場合、どうしたらよいでしょうか。そのようなときには、すぐに検察審査会に申し出て下さい。
 検察審査会では、その事件の真相をよく調査し、検査官が裁判にかけなかったことが正しいかどうかを判断し、場合によっては、その事件を裁判にかけるようその検察官の監督者である検事正に対して意見を述べます。また検察庁のしごとのやり方全体にわたって改善すべき点があれば、検事正に勧告することもできます。

◆検察審査員はどうして選ばれるか
 検察審査員は11人から成り立っておりますが、衆議院議員の選挙権を有する満20才以上の男女のうちからくじでえらばれます。そして任期は6ヶ月です。

◆審査の申立の費用は無料
 検察官が裁判にかけなかった事件について、告訴や告発をした人または被害者など誰でもできます。
 申立には、一切費用はかかりません。皆さんのうちで犯罪によって被害を受けたりして困っている方がありましたら遠慮なく沼津市の裁判所の中に検察審査会事務局がありますのでご相談にお出かけください。

期限内に申告 3月は税金の申告月

 もうみなさんのご家庭には、申告書が届いていることと思いますが、所得税の確定申告と納税は3月15日、また個人の事業税や、県、市町村民税の申告は3月20日までです。
 この申告を怠りますと、いろいろな控除が認められず、税金が高くなります。
 忘れずに期限内に申告してください。
 申告書は、主として前年に課税のあった人にお送りしておりますが、送付されなかった人でも、納税義務のある人は申告する必要がありますからそれぞれ申告用紙を請求してください。
 なお、3月15日まで富士税務署で共同納税相談所を開き所得税、個人の事業税、県市町村民税の申告を同時に受付けておりますからご利用ください。

公共施設を暴力団の興行から守りましょう

最近あいつぐ警察署の取締りによって資金源に窮した暴力団は、廉価で収容力の大きい公会堂、公民館、学校等の公共施設を利用して各種の興行を行い、その収益によって活動資金を得るという窮地の策に出ております。そこでこの公共施設は、あくまでも地域文化の向上と住民の福祉の増進を目的として設けられているので、今後は暴力団が主催し、あるいは介入する各種興行には公共施設を絶対に貸さないことになりましたので市民のみなさまのご協力をお願いします。

火災の通報は「119番」

 2月14日から電話が自動化され、火災の通報番号が局番なしの119番となりました。この電話は緊急(火災)の場合以外使用しないで下さい。
 尚、消防署の加入電話番号は、61-3518番(代表)です。

−イラストあり−
(イラスト説明)・・・4コマ漫画(泰平一家 ・黷さい 森 比呂志)