広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和39年 10月1日発行 内容

世帯と人口(39年9月1日現在)

面積 30.55平方キロメートル
人口総数 5万2,169人
男 2万6,596人
女 2万5,573人
世帯数 1万1,464世帯

待望の市民会館を建設 年内には着工の予定
総事業費2億6,400万円

−写真あり−
(写真説明)・・・市民総合文化センター(市民会館)の模型図

 待ちに待った市民総合文化センター(市民会館)の建設が、おそくもこの12月末までには、起工式を行ない一部工事に着手する計画で諸準備を進めています。

 市では、本年度春より総合文化センタ−(市民会館)の建設計画を進めておりましたが、このほど200分の1の模型も出来あがり9月21日開かれた議会特別委員会で検討した結果、本設計を久米建築事務所に発注することに正式に決定、いよいよ市民会館の建設は本格的軌道に乗りました。

 この写真のような近代感覚にあふれた市民会館は総事業費2億6,400万円にのぼり現在の市役所広場西側に正面玄関を南側に面し建てられ、総建坪約1,250坪(間口72.38メートル 奥行32.58メートル)の鉄筋コンクリート地下1階、地上一部3階建の冷暖房つきであります。

 地下1階には冷暖房機械室と発電室、変電室、倉庫が設けられ、地上1階には大ホール(固定イス1,000脚)舞台(オーケストラピットおよび花道なども備えつける)大集会室、中集会室、監理事務室、食堂、手洗、便所、中庭など、2階には小会議室、応接室、結婚式場、写場、化粧室、便所、屋上庭園など、3階には映写室、調光室、控室などで文字どおり市民会館にふさわしい、内外ともデラックスなモダンな建物であります。

 さてこの市民会館建設の大きな理由としては、東駿河湾工業整備特別地域の指定を受けた本市は、岳南工業都市の中心地として逐年めざましい発展を続け、更には富士川用水事業の完成、田子浦港の重要港湾の指定を始め、富士駅周辺の都市改造事業、加えて関係都市との大同合併問題など、本市はますます大きく伸展しようとしています。

 このときにあたって今日まで文化施設に恵まれず、一般市民はもちろん青少年、勤労者などが一堂に会し話し合う公会堂、集会場のようないわゆる市民会館的施設がなく、ひとり市内小中学校の講堂や体育館などを使っており、地理的にも設備的にも甚だしく不便を感じているのが現状であります。

 そこで数年来より市民の文化交流や文化水準の向上の“場”として市民会館の建設が強く叫ばれ、ようやく昭和39年度重要事業の一つに取上げ、市制10周年の記念事業と銘打って鋭意、市民総合文化センター(市民会館)建設事業を進めてきたのであります。

 なお、財源については、国民年金特別融資による起債(特別地方債)を借入れ、更に市内の大工場からの特別寄附金などをあてることになっています。

 市民の皆さんにご利用していただく時期は、昭和41年春ごろになるのではないかと予想されます。