広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和39年 6月1日発行 内容 財政事情の公表

特別会計のあらまし

−図表あり−
(図表説明)・・・特別会計予算執行状況
−円グラフあり−
(グラフ説明)・・・未償還額

◆財産、地方債及び一時借入金の現在高

−図表あり−
(図表説明)・・・市有財産の状況

◇財産
 下の図表は昭和39年3月末日現在の市有財産の現在高を示すものであります。

◇市債
 市では、県へ納める港の負担金や、道路の整備拡張、学校建設、住宅建設等、主要な事業を推進するために、一度に多額な財源を必要とします。もちろん市の自己財源、つまり税金をはじめとする市だけで捻出できる財源のみでは、到底まかないきれません。そこで政府の資金や市中の金融機関等から長期の借入れをするわけです。これが市債であります。しかしこの借金はみだりにできるものではなく健全財政堅持の建前から国や県の承認が必要であります。3月末日現在における市債の未償還元金は、6億8,525万7,000円で、これを借入目的別に示し ◇一時借入金
現在においては借入金はありません。

◆企業会計
投薬の待時間を短縮 好評の自動薬剤分包機 市立富士中央病院事業

◇事業の概要
(1)入院、外来診療人員
 昭和38年度下半期における診療人員は入院が4万515人、外来が9万4,649人を数え年間実績では8%増加しています。

(2)建設改良事業
 これについては、すべて市の一般会計からの繰入れに依存せざるを得ないので十分の整備はできなかったが外来者の自転車置場の新設を始め小児科の暖房工事や特に薬局に待望の薬剤分包機を購入し投薬の待時間を短縮するなど総合病院としての機能を発揮するよう努めました。

◇収入支出の状況
 この年度下半期の収益的収入は1億8,117万4,000円に対し、支出は1億1,414万8,000円でありました。また資本金収入は121万6,000円、支出は190万8,000円となりました。いずれにしても一般会計からの繰入れにより公共の福祉を増進できるように運営してまいりたい。

◆水道事業の業務状況
◇事業の概要
(1)給水状況
 昭和39年3月31日現在の給水戸数は、9,226戸で普及率は、81.6%であります。また給水量も年々増加し、年間1日平均の給水量は1万69立方メートルを記録しました。この分でいきますと、給水量の増加に伴い近い将来現有給水能力の限界に達しますので、その対策を現在検討中であります。

(2)建設改良事業
 昭和38年10月1日から昭和39年3月31日(昭和38年度下半期)までに施行した主な工事は、県道柚木、鷹岡線配水管布設工事を始め岩本上町地元および下中、上中、瀬戸河原地内の配水管布設工事などであります。

◇収入支出の状況
 昭和38年度下半期の収益的収入2,458万1,000円で、支出は3,470万4,000円となり、差引1,012万3,000円であり、また資本的収支は市の一般会計からの繰入金797万円および県その他の工事負担金137万円を財源として前記事業や企業債元金償還等の支出にあてました。

◆あとがき
 以上が昭和38年10月1日から昭和39年3月31日までの下半期における財政の概況であります。今後の市政の運営にあたっては数多くの困難が予想されます。今後の市政の運営にあたっては数多くの困難が予想されますが財政健全化のため、極力消極的経費の節減を図りつつ、重要事業の推進に当たっては、慎重に又速やかな決断をもって、懸案の諸施策の早期実現を図るべく最善の努力を傾注し、より効率的な予算の執行に万全を期する所存であります。この間にあって事業の執行の原動力となるのはやはり皆様に収めていただく市税であります。この財政