広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和39年 6月1日発行 内容

部落ぐるみの成人教育 むすび会(上五貫島区)
晴れの県教育員会表彰

−写真あり−

 部落ぐるみの社会学級として過去10年余り常に明るい町づくり家庭づくりに挺身している上貫島区の「むすび会」が、このほど晴れて県下でも団体表彰としては、最高の名誉であるといわれると県教育委員会表彰を受けました。この部落は終戦より昭和25年頃まで青少年の犯罪は急激の増加を見て区内に盗難はおこり、公民館は荒れ果てて手のほどこしようも無い状態であったのです。
 そのころ区内の声として『今の子供は悪くてどうしょうもない』と強く叫ばれていました。
 昭和28年当時のPTA役員がこれをなんとか善導すべく部落担当者の高橋八重子先生と話し合い「子供会」を作り子供の指導にあたった。その結果子供はだんだんと良くなってきました。とくに子供との話し合いの中で子供の教育は家庭の中で影響の大きいのにおどろき両親の日常生活をより良くする事に気付き高橋先生は勿論当時の小学校長市川博海先生に相談し毎月1回の子供の親の懇談会を開いて向上に努力してきたという。
 昭和31年3月市川校長先生、高橋先生共に転任することになり懇談会も一時中断しておりましたところ区民の一部から懇談会を再開するようにとの声が出て昭和34年末に再び会合をもち、当時教育委員長の吉田甫先生の話を聞いたこの時吉田先生は『教育の仕事は一朝一夕に出来るものでは無い、皆さんがこうして勉強するのも一度で効果があるものではない。これからも長く続けなければ駄目である。皆さんも毎月開いてほしい、私も出席させてもらう。どちらが長つづきするか根気くらべをしよう』と申されました。この言葉にはげまされ区の目標に「明る ◇会の運営
 この会の運営は、区長を長に区の役員、PTA、婦人会、青年団役員、子供会世話人、部農会役員を幹事とし年間予算は僅かに1万円足らずでまかない、すべての経費は講師、助言者の謝礼、8ミリ記録映画作製費に当てていました。

◇学習は活発
 学習のテーマについては、希望のテーマを出しあいその中から1年間の計画を立案して実施するほか関係者機関から講師、助言者の派遣を依頼して話し合い学習(六六討議)をもって活発な意見の交換を行っています。また参加者は、区民全員を対象として性別年齢を問わず毎回参加人員は40名から80名を越える盛況さでありました。

◇講座の内容
 講座は毎月25日定例日ときめ夜6時から10時まで約4時間をみっちり学習に励んでいます。主な学習科目をあげてみますと
(1)市政について
(2)子どもの躾について
(3)嫁と姑の問題
(4)交通道徳について
(5)夏休みの子どもの生活
(6)家庭内における話し合いの進め方
(7)火災予防について
(8)時間を励行するにはどうしたらよいか
(9)社会の進歩に対して部落はどう変わっていくべきだろうか
などであります。

◇成果あがる
 明るい家庭作りを青少年の健全育成など成人振興を目標に開設以来一貫して実施しているが其の結果は、
(1)親として教育のむずかしさを良く知りまた何かと我が子だけでなく隣の子供も一緒にという気持ちで苦しみもがいている中で前途に光明を見い出して家庭教育(家庭の躾)に自信を取りもどしつつあります。
(2)区内からここ数年の間犯罪がなくなった。
(3)自己中心の考え方からお互いに協力し合い良い環境が作られた。

6月7日は計量記念日

市民のみなさんと共に歩んできました計量記念日も今年で13周年を迎えることになりました。ところで今日、消費革命或いは消費文明と呼ばれる新しい経済現象が生んだ歪みとして品質表示の不徹底、量目の不足など自然消費者の最大の関心事となっています。中でも量目の正確計量については計量法によって使用計量器の検査を毎年行っております。
そこで家庭においてメートル法を使いさえすればよいというのではなくメートル法によって正しい計量をして日常の計量観念を育てて文化や産業の発展に役立て完全なメートル法、きりのよい数量、正しい計量ができるよう特に力を合わせよう。

町をみんなの力で美しくしましょう

★ゴミを道路や川などに捨てるのはやめましょう。
★公園や広場など公共施設を大切にしましょう。
★見苦しいハリ紙はやめましょう。