広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和38年 12月1日発行 内容

昭和37年度一般会計決算
電気ガス税などで4,000万円が減収
最終予算の総額は9億4,000万円

 昭和37年度は、ご承知のとおり市長の改選年度でありまして、その当初予算は前市長から受けついだものであります。その後議会において私の意図するところを極力取入れていただきましたが、前述したとおりの財政事情のため、各種事業の実現につき市民の要望に充分応えられなかつたことは誠に残念でありました。
 こうした中で当市の昭和37年度の主要事業を掲げますと次のとおりであります。

◇田子浦小学校移転新築事業 7,799万円
◇道、橋梁な土木事業、7,196万円
◇市営住宅及び保育園建設事業、6,299万円
◇田子浦港整備事業地元負担金、3,800万円
◇南中学校新設事業(第二期工事分)、3,477万円
◇都市計画街路整備及び都市改造事業、3,421万円
◇農業生産基盤整備事業1,883万円

 と各種事業の推進を図り、市民の福祉のため積極的に諸施策を行ってきたのであります。このことは、市民各位のご理解あるご協力によるものと深く感謝いたします。

次に各会計に決算状況の概要を説明いたします。

−図表あり−
(図表説明)・・・昭和37年度一般会計決算

■一般会計
 昭和37年度の予算編成に当たりまして、特に主要財源であります。電気ガス税の税率引下げとパルプ製造に対する非課税などで約4,000万円が減収とみられ、加えて経済界の不振に伴います法人市民税の減収も必至とされ、市の財政事情の極めて悪条件の下に編成されたものであります。しかし乍ら当市は、今や飛躍的発展途上にありまして、各種重要事業が山積しており、産業基盤であります田子浦港をはじめとし教育、土木、更正関係など各般の継続的主要事業は、あくまでこれを積極的に推し進めていかなければならないのでありますこのような状況下  まづ本年度の一般会計当初予算は、7億9,875万6,500円計上いたしました。しかし乍らこれを執行する過程には、現実的にはなかなか意に添わない点が数多くあり、土木費をはじめとする投資的経費並びに給与改訂に伴います人件費、その他物件費などを6回にわたり予算の追加更正を行いこれを執行したのであります。従いまして最終予算額は9億2,475万2,300円と当初予算額より1億2,599万5,800円の増加となりました。
 これに対し才入決算額は9億4,763万9,560円、才出決算額9億1,343万2,773円で差引差3,420万7,387円が翌年度へ繰越されました。  次に才入、才出について記すと。

■歳入
 歳入決額は、予算額にたし102.5%で前年度に比し若干減率を示しております。又調定額に対する収入割合は、99.58%で前年度とほぼ同率であります。この内大半を占めております市税については、4億9,964万5,841円の決算額でありますが、前述しました通り電気ガス税の税率引下げ及びパルプ製造に対する非課税などによる減収額は、前年度と比較しますと実にこの税目だけで約4,000万円(自然増は見込まず)の減収でありましたしかし乍らその他の税目で若干伸びが期待できました。この外依存財源であります補助金、起債、地方 ■歳出
 当初予算額7億9,875万6,500円に対しまして最終予算額は、9億2,475万2,300円となります、当初予算に比し1.16%を示しております。ただし田子浦港整備事業地元負担金については、前年度同様その額は相当額であり、本年度分としては8,315万5,000円でありましたが、この財源、即ち起債の充当可能範囲であります3,800万円を予算計上しこれを執行しましたが、残額分4,519万5,000円については、やむなく支払繰延べざるを得ない結果となりました。

−図表あり−
(図表あり)・・・昭和38年度市税の収入状況 38年9月30日現在

■市税の負担状況 1人当たり9,200円
 本年9月30日現在における市税の調定額は3億9,753万4,600百円であり、収入済額は2億2,869万579円で、これは調定額に対して57.52%でありまして前年度同様の収納状況であります。
 市税の徴収成績の如何は、当市の財政に及ぼす影響はすこぶる大でありますので、市民の皆さんの一層のご協力をお願いします。
 又、昭和39年度市税決算額は4億6,964万5,841円でありまして年度中に皆さんの収めました平均負担額は、1人当り9,243円、一世帯当り4万2,796円となっております。