広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和38年 9月1日発行 内容

台風 備えあれば憂なし 気象情報をよく聞く

−写真あり−
(写真説明)・・・田子浦港西灯台打寄せる高潮

 いよいよ9月の声をききますと、さわやかな秋風吹く暮らしよい季節に入りましたが、反面、9月は210日とか220日といういやな台風の本格的シーズンの到来であります
 毎年きまってやってくる台風そして数多くの被害と尊い人命を奪っていくのです。毎年このようにくりかえす“天災”に対して国や県および市では、あげて防災の対策をたててはおりますが、この恐るべき天災台風に対する知識を私たちはより一層高め被害を最小限にくいとめ豊な生活を守るために“台風”についてあれこれを特集してみました。

■風向き…
台風の風は“目”を中心に左巻き(時計の針と反対方向)にウズ巻いています。従って台風圏内では進行方向に向かって中心の右半円では風の速さに台風自体のスピードがかわりますので、風力は比較的に強い。地形の影響の少ないところでは、風を背後から受けその姿勢で左手を真横にあげればその方向に台風の中心(目)があるとこになります。

■風速と被害規模
風速10メートル=雨傘がこわれる程度です。
15メートル=取りつけの悪い看板やトタンが飛びます。
20メートル=大人は上体を30度ぐらい傾けないと風に向かつて歩けない。子供は飛ばされそうになります。
25メートル=屋根ガワラが飛び煙突などが倒れます。
30メートル=雨戸いがはずれ、補強をしないと家は倒れます。
40メートル=列車が倒れ、小石が飛びます。
50メートル=たいていの木造家屋は倒れ、樹木は根こそぎになります。

■家屋の防護策…
 屋根は風でめくられそうなカワラはしばりつけ、風の入りそうな部分はシックイを詰めます
窓、出入口=吹き抜かれないよう板やカンヌキで補強する
カベ=建物の南東のカベや軒裏の小カベが被害を受けやすいので防水剤入りのモルタル材で補強し、板カベは風の引く力も考慮してクギ打ちを厳重にする。

■家庭の防災常備品
照明具(ヒモつき懐中電灯、ローソクなど)大工道具食材品、(飲み水、水筒、パン、カン
詰)医薬品、ふろしき、地図、鉛筆、トランジスターラジオ、ヘルメット、ずきん、座ぶとんなど

■災害を未然に防止 市に防災会議を置く
 市は災害対策基本法にもとずいて「市地域防災計画」を関係機関の協力によってまとめました。
 それによりますと、
(1)防災の基本計画の設定
(2)防災のための調査研究
(3)防災訓練
(4)災害応急対策
(5)災害復旧計画法などが定められています。
 まず防災の基本計画の設定については、このほど新たに市災害対策本部の強化などによって市における防災の基本計画が設定されました。

■防災のための調査研究・ヘ、市内における災害発生の態様から自然災害に重点を置いて災害防止の基礎資料を作成します。

■防災訓練は、災害が発生した場合において災害応急対策の完全遂行を図るために総合的な計画的な防災体制の装備と水防救助訓練、流木対策、避難、救出、通信情報連絡などを行います。

■災害応急対策これに関して市では、もっとも重点を置いて検討しており、とくに動員計画については対策本部長(市長)が必要と認めたとき動員対象者(市職員、消防団、水防団、警察官、自衛隊、医師その他)のうちから必要とするものについて行います。自衛隊の派遣要請は原則として人命及び財産の救援のため必要である場合に限られています。

■災害復旧計画これは災害発生後、被災した各施設の原形復旧にあわせて、再度災害の発生を防止するため必要な施設の新設、改良を行い将来の災害に備えます。
 以上、5つの柱からなります防災計画をたて万全の防災対策をととのえています