広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和38年 4月1日発行 内容

施政方針に対する
各議員の総括質問

 3月11日から始まりました3月定例市議会は、休会あけの3月14日再び本会議に入り16日までの3日間にわたって市長の施政方針に対する総括質問をはじめとし、各課長に対する総括質問および一般議案の説明質問などが活発に行われました。
 以下、総括質問の内容についてその大要を列記してみたいと思います。

(A議員)
富士第一小学校移転買収費として1,000万円の予算を取ったが、本校は移築するのか、それともあのまま置いて分校を建設するか。
(市長)
施政方針で述べた通り基本的な考えとしては二校に分校し、一校は現在地に、他の一校は別の場所については、最も重要な問題であるので議会および教育委員会とも充分な協議を重ね慎重に善処してゆきたいと思っております。

(B議員)
富士第一小学校の国道横断について
(市長)
現況は学校側およびPTA役員等の自主的な措置により横断歩道を黄色い旗を持って誘導横断を行っており敬意を表するものであるが現状では何れの方法も講じても充分とはいえないので横断地下道を建設すべく早急に準備を進めております。
大体の設計も出来ており、用地の一部買収や工事の施行認可等に努力したい。

(B議員)
富士第二小学校に講堂建設いかん
(市長)
第二小の講堂については、先日も地元から陳情があり、その必要は充分に認められるがいま直ちにこれを建設することは、財政事情が許さない。早急に教育施設の年次計画の成案を進めてまいりたい。

(B議員)
富士川用水事業の完成に際し、その用水量の権利は市の所有になるか。
(市長)
富士川用水の取水計画は、芝川より10.1トンの水を取り入れ農業用水に8.8トン、工業用水に1.3トンを配分する予定である。
この事業は県営ではあるが当市としても隧道工だけにすでに6,000万円を負担している。従って農業用水、工業用水の水利権を県と市で持つようにするか、又は工業用水の収益金の配分を受けるか、何れにしても、何らかの方法で対処していきたい。

(C議員)
道路舗装を重点的に取り上げているが物価の値上りを勘案すれば道路新設を重点的に取り上げるべきではないか。
(市長)
現在、市民から一番要望の多いのは道路のデコボコやほこりの舞立つことに関連しての舗装の要望である。一方、新設道路については、陳情道路であっても用地買収に直面すれば仲々話し合いが出来ず当局はもちろん地元議員等には並々ならぬ苦労をおかけしている。
市の用地買収費も逐次是正しているが到底個人の取引値段にはついてはいけません。そこで当局としては、現在の道路の幹線を一日も早く簡易舗装を主体に施行していきたい。新設道路についても決してゆるがせには、できないが当面は舗装に重点を置くという考えである。

(D議員)
教育行政について年次計画があるか。
(市長)
本件は、最も重要な問題の一つであるので、市当局、市議会、教育委員会等と一体となって充分に検討し、慎重を期しなるべく早い期間に成案を得たいと考えている。計画の期間は、5年から7年間ぐらい考えている。

(D議員)
合併問題についてどう考えているか。
(市長)
富士、吉原、鷹岡の二市一町の合併問題については、将来この岳南地域は、当然大同団結すべきであると思われますが、いま直ちにこれを進めてまいる考えはありません。合併問題は重要問題であるので市民の声を充分きき与論の動向を察知して進めたいまた広域都市計画や、新産業都市建設の構想とも関連し充分研究していきたい。

(E議員)
住宅政策について。
(市長)
住宅の必要性については、今までしばしば申し上げた通りである。従って今後の住宅施策としては、単に市費をもって建設する住宅のみとせず住宅公園等の行う集団住宅建設について市内への建設をお願いしたり、用地の斡旋等も積極的に行ってまいりたい。
また今まで工場等で行ってきた厚生年金の還元融資による住宅建設については会社から希望があれば協力する立前よりも、もっと前進して建設をしようとするようにしてまいりたいと思っている。
なお住宅建築について一番の難点である宅地については、なんとか岩本山の台地等を利用できるよう飲料水の問題とも合わせ考えてまいりたいと存じております。37年度は一般市営住宅26戸改良住宅36戸、福祉住宅10戸の計72戸を建設したが、38年度は市営住宅22戸と改良住宅18戸を建設したい。

(F議員)
人件費を含む消費的経費の増大に関連し、これが対策としては当然市役所の機構の徹底した合理化が当面第一条件と考えるのがその具体策について。
(市長)
昨年7月市役所の大巾な機構改革を行い、事務能率の向上と経費の節減、市民サービスの徹底等をはかってきた。その結果、物品の集中購売、車両の集中管理、契約事務の一元化等により相当の好成績をおさめている。従来とやり方が一新しただけに、100%良かったとはいえないが、まずまず成功したと考えている。
人件費は益々増高するばかりであるが、これは給与の改訂やその他待遇の改善によるもので止むを得ないと思う。今後は職員の増員を避けてまいりたい。

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(写真説明)・・・熱心に討議する本会議風景