広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和38年 3月1日発行 内容

もめごとは
まず「調停制度」を利用

 金を貸したが返してくれない貸した家を明けわたしてくれない。自動車にはねられてけがをしたから治療代がほしい。親子や夫婦の間がうまく行かない。
 こうしたいろいろの争いや請求は、訴をおこして裁判を受ければいいのですが、裁判の手続にはいろいろむづかしい規則があって法律の知識が必要ですし費用や時間がかかります。そのうえ法廷へ出て争うことも、親せきや昔なじみの間がらでは、はばかられることもありましょう。
 このような場合、手がるに早く話し合い譲り合って解決をあたえてくれるのが調停です。 調停も裁判所の公正な手続でありますが、法律的なむづかしいことはないし、また公開の法廷ではなく、裁判官と調停委員と膝つき合わせて話しあい、納得ずくで解決するのですから、いやな後あじも残らないし、法律論では片づかない妙味も出せるというわけです。

調停を申し立てるには
 そこで争いの種別によって、それぞれ裁判所へ調停の申立をするわけですが、当事者の合意によって便利な裁判所をえらぶこともできます。
 さて申立をするには、当事者の住所氏名と、どのような争いについてどのような調停をしてもらいたいということを書いた申立書を裁判所へ出します。もしそれができない場合は、裁判所へいって口頭で述べてもよいことになっています。そして収入印紙で一定の手数料を納めます。

調停のすすめ方
 調停が申し立てられると、裁判官と民間からえらばれた2名の調停委員によって調停委員会が開かれます。その2名の朝廷委員のうち一人は、とくに女性の気持などを理解するために、婦人がえらばれるように扱われています。
 やがて申立者と相手方に調停期日の知らせがありますから、その日に裁判所の調停室へ出向きます。そこで裁判官と調停委員が、事件の内容をよく聞きます。調停では本人が出頭することが原則となっています。
 当事者のいうことだけで、内容がよくわからないときには、第三者に来てもらうこともありますし、朝廷委員が現場を見に行ったり、専門家に鑑定を依頼するようなこともあります。
 事件の事情がよくわかると、調停委員会としては、その解決のためにもっと適当な方法を考えて、当事者にすすめます。
 このとき調停委員会は、その事件の法律的な解決を考えるだけでなく、実情にかなうよう広く一般の慣習や常識もとり入れて、当事者のために真に公平で正しい解決を見出すよう努力するわけです。
 たとえばすぐ一時に支払わなければならないような借金でも事情が許せば分割して返すことにし貸した方も借りた方も都合のよくいくような結果になることもよくあることです。
 しかしどうしても双方の当事者が納得して譲り合わない場合調停委員は強制的に解決を押しつけるようなことはしません。
 このような場合は、調停成立の見込みがないものとして、その手続を打切りますから、あとは裁判できめるより仕方がありません。

秘密は守られる
 調停は、関係人以外の人のいない部屋で一つのテーブルを囲んで行われますから、外部に秘密がもれる心配はありません。
 なお調停には、現在つぎのようなものがあります。
◇宅地建物調停
 宅地や建物の貸し借りなどに関するもめごとを解決するもので簡易裁判所で扱っています。
◇農事調停
 小作関係や農地に関係あるもめごとを解決するもので地方裁判所で扱っています。
◇商事調停
 売却代金その他商事上のもめごとを解決するもので簡易裁判所で扱っています。
◇家事調停
 身分関係上のもめごとや家族親族間の争いを解決するもので家庭裁判所で扱っています。
◇一般調停
 すべての民事上のもめごとを解決するもので簡易裁判所で扱っています。

富士市沿革史
資料年表がまとまる

 本年1月から市史編さんのため諸先輩が集めて下さったいくつかの資料を整理し、ここに「富士市沿革史資料年表」を作成しました。
 この年表の終期は、昭和29年3月31日市政施行の日までとし、更に一読して判るよう日本年号と西暦年号を年代順に併記してみました。
 この際、一人でも多くの市民の皆さんに知っていただくため次回から号を追って掲載していきたいと思います。
 なお皆さんの中で更にくわしい資料をお持合わせの方は、市長公室の係まで御提供下さる様お願い致します。

お知らせ

市民税 事業税の申告は3月20日まで
期日までに申告書の提出がないと控除が認められません。
忘れずに申告いたしましょう。
※確定申告の提出期限は3月15日までです。

三輪トラック運転手募集
ご希望の方は履歴書ご持参の上3月20日までに市長公室へおいで下さい。
給与その他は面接の上決定します。
富士市役所市長公室