広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和37年 10月1日発行 内容

目標は“東京オリンピック”

活躍した陸上水泳の王者
大串、岡本、早川の三選手

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・大串選手
(写真説明)・・・岡本選手

 インドネシアの首都ジャカルタで開かれました第4回アジア大会は、いろいろな問題を残しましたが、日本選手団は、数々の好記録をつくって金メダル73、銀メダル56、銅メダル23個をおみやげに帰国しました。
 中でも富士市からは若冠15才という富士中学校の早川一枝選手(水泳)をはじめ旭化成工業株式会社の大串啓二(400メートルハードル)岡本登(ハンマー投げ)の両選手の活躍はめざましいものがあり、大串、岡本選手はアジア大会新記録を出して1位に入賞して金メダルを獲得すれば早川選手は水泳競技の女子400メートル自由形で日本新記録を樹て堂々2位に入り銀メダルを獲得しました。
 以下、大串、岡本、早川三選手の最近の記録を参考までに記してみました。

◇大串啓二(28)400メートルハードル
最高記録 48秒2 第4回アジア大会記録 52秒2(大会新記録)

◇岡本 登(25)ハンマー投げ
最高記録 66メートル48(日本新記録)
第4回アジア大会記録 63メートル88(大会新記録)

◇早川一枝(15)水泳
400メートル 5分26秒6
800メートル 10分33秒2
1,500メートル 21分9秒4
(いずれも日本新記録)


水泳の早川嬢
400、800、1,500メートルに日本新記録

 水泳の早川一枝選手は、富士中学校三年生で現在、400メートル自由形をはじめ800、1,500メートルと3つの日本新記録を持っております。
 第4合回アジア大会では、水泳競技の女子400メートル自由形に出場、5分2秒6の日本新記録を出し惜しくも木村トヨ子選手に破れましたが2位に入賞しました。
 また早川選手は、本年6月16日浜松市で開かれたオール静岡とオール明治の対抗戦で1,500メートルに出場してタイム21分9秒4の日本新記録、続いて去る7月30日大阪市で開かれた全日本水上選手権大会には800メートルに10分33秒2というこれまた日本新記録を打ち樹ていまや水泳界の王者として今後の活躍が大いに期待されております。
 もちろんこの早川嬢の好記録の蔭には富士中の名コーチ田中正一先生の親身もおよばぬ努力にほかならないと思います。
 今後は目標を“東京オリンピック”におき400メートルで5分のカベを破るためスタミナと泳法にもっぱら力を入れていきたいと田中先生は語ってくれました。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・金、銀メダルを胸に漆畑市長と握手する早川選手

「健康優良児」決る
代表6名が県東部大会へ

 昭和37年度の“優良健康児”をきめる赤ちゃんコンクールは去る9月5日から17日までの7日間、市内5会場でそれぞれ実施しました。
 対象児は、昭和36年4月1日から昭和37年3月31日までに生まれた満1才と満1才6カ月の赤ちゃん約500名が厳重な審査を受けました。
 発育状況は年々向上し、いずれも全国平均を上回る健康優良乳児ばかりで、お母さんたちが熱心に育児した努力がうかがわれました。
 また審査にあたった市立中央病院の先生も採点には、たいへん苦労した結果、15名が晴れて富士市の健康保険優良児に決定しました。(11月号に掲載)
 なお市では、9月29日午後1時から議場で入賞した赤ちゃんコンクールの表彰式を行いうち6名が富士市代表として10月4日三島市で開かれる東部大会に出場することにまっています。
 また参考までに満1才の全国平均の基準はつぎのとおりです。

◇男(1)体重8.95キロ (2)身長 73センチ7
◇女(1)体重8.46キロ (2)身長 72センチ2

◇健康保険優良児
▽富士田耕作(勝 長男)柚木10
▽佐野洋美(嘉信 長女)柚木12
▽村松智英(豊 長男)東宮島3
▽米山恵子(肇 二女)東田2
▽石川英喜(勝己長男)上横割3
▽杉沢ちづる(清孝 長女)本市場7
(以上6名が県東部大会へ出場)

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・赤ちゃんコンクール審査風景

正しい歩行の指導
秋の交通安全運動

 秋の交通安全運動は、10月11日から10月20日までの10日間にわたって実施されます。
 いうまでもなく、この運動はすべての国民に正しい交通のあり方と、交通安全の思想を周知させ交通道徳の高揚と交通秩序の確立をはかるためのものであります。
そこでまず実施目標は
(1)正しい運転の遵守
(2)正しい歩行の励行
(3)児童、幼児の安全確保
(4)雇用者等の義務観念の向上
(5)交通環境の整備
(6)踏切道の安全通行の徹底
の6項目をあげこれらを強力に推進することになりました。
 一方、富士鷹岡地区交通安全対策協議会では、とくにこの期間中、ラッシュアワー時の街頭交通指導をはじめ交通事故防止の座談会や映画会などを開き事故防止について積極的に市民に呼びかけます。主な実施計画はつぎのとおりです。

◇PR活動
(イ)管内の幼稚園、小中学校生徒児童全員にクイズ入りの広報紙をくばり各家庭へ持参させる。
(ロ)管内の小中学校生徒に対して期間前にポスター作成を依頼各町内部落に掲示する。
◇街頭指導
期間中10日間午前7時から同8時30分までの通勤通学時に、(鷹岡5ケ所延250人、富士20ケ所延1,000人を予定)街頭指導を行う。

◇交通モデル教室
期間中、管内の事業場、町内、各種団体の希望により交通安全の映画会または講習会を開く。

◇交通事故防止座談会
富士、鷹岡地区各1回、各関係者代表と交通事故防止について座談会を開催する。

◇その他
この期間中、官公署および工場事業場の正門に「全国交通安全旬間」の立看板を立てるほかポスターの掲示を自発的に行う。

 なお交通安全運動に関する照会、連絡などは富士警察交通課、鷹岡派出所、富士市、鷹岡町の教育委員会へご一報ください。

富士市社会福祉協議会のあらまし

 富士市社会福祉協議会(会長漆畑五六)は、昭和29年5月発足して以来、防貧対策をはじめ老人福祉および社会を明るくする運動を推進し各種社会奉仕者間の連絡調整を実施してあらゆる社会問題を円滑に処理しております。
 現在会員でない方も、一人でも多くこの趣旨にご賛同いただき会員に入会されますようお願いいたします。会費は年間100円です。
 参考までに昭和36年度富士市社会福祉協議会の歳入歳出決算はつぎのとおりです。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・昭和36年度歳入歳出決算状況

「川・道路」へゴミ等を捨てないで下さい

 最近「川」が非常に汚れています。ゴミ、厨芥、草、ヒエ等が捨てられ、都市美を損するは勿論、不衛生、不潔さが甚だしく、農業用水の潅漑上にも、管理上にも全く困却しております。
 これら投入物は下流に行くに従って量が増し、川を堰止め、川底を埋める結果となり、道路、土手の決潰、家屋浸水の原因ともなるものでありますから、絶対に捨てないで下さい。
 又道路にヒエ、草が捨ててありますので、グレーダーの作業上非常な支障を来しております。作業能率を低下させないよう是非とも御協力下さい。
 市民の皆様、清潔な美しい市を作るためにお力添下さるようお願いします。

畜産共進会ひらく

 第8回富士市の畜産共進会は10月10日午前8時30分から市役所広場で挙行します。  出陳頭数は、乳牛25、和牛15、種豚(ヨークシャ)30、種豚(ランドレース)6、鶏など合計100余点でいづれも農家自慢の折紙つきのものばか・閧ナす。

排水堀などの作物は撤去

 最近の集中豪雨、台風等による出水時に危険箇所を巡回しますと土手や排水堀(平常時は干堀となっている)を耕して農作物を作付けてあるのが見受けられますが、平常は何等支障がないように見えても出水時には大きな役割を果たすものですから、現在作付けてある方は必ず撤去して下さい。
 決潰又は溢水ともなると人家人命は勿論折角丹精した農作物が冠水、浸水等の被害を受ける結果となり甚だ危険なことであります。

安全有利な中退金制度 そろって加入しましょう

 中小企業に働く従業員の人たちは、賃金をはじめいろいろの労働条件が大企業に比べてたいへん劣っているため、中小企業に就職することを嫌う傾向にあります。
 中小企業退職金制度は、この人たちに安心して永く働いていただき、企業の発展をはかるため、法律に基いて発足したものです。
 本制度の発足以来、3年目をむかえた本年5月31日現在の全国加入事業数は、4万8,063事業所、加入従業員数6万6,196人、掛金総額約35億円に達し、また本県は加入事業数1,704事業所、加入従業員数2万800人となっております。
 これは本県の対象従業員数の約43万人に対し約5%の加入率となっていますが、本年度より掛金の一部を福祉施設改善資金として商工中金より還元融資の道もひらかれました。こうした手軽で有利でしかも安心なこの制度により一層多くの中小企業の方たちに加入していただき労働福祉の向上をはかるため県では9月10月を中小企業退職金共済制度促進期間として運動を実施しています。

本制度のあらまし
 本制度のあらましは(1)毎月の掛金は事業主の必要経費または損金扱いになり退職金は2年で元金以上、3年以上にかけた場合は5%から10%の補助金がつきますので大変有利です。(2)この制度は、国の予算で経営する中小企業退職金共済事業団があたるのでつぶれる心配がなく、退職金の支給額が法律で明らかになっているので安心です。(3)事業主は、最寄りの金融機関に毎月掛金を払込んでおけば、従業員が退職したとき直接従業員に退職金が支給されますので、専門の係員とか特別の経費もいりません。(4)この制度に加入できるのは、従業員  なおこの制度についてわからないことや知りたいことがありましたら吉原労政事務所か県庁労政課へご連絡ください。

市民の声

道路の拡巾についてお願い

 市役所正門前の東西にのびる道路についてお伺いします。甲子神社前の交差点は、よく交通事故が発生しておりますので同交差点から市役所正門までの北側道路を削って見通しをよくしていただきたい。
 聞けば甲子神社南側は、官有地でありますので出来得れば近々道路を拡巾し、交通の緩和をはかって欲しい。
 また希望事項として区画整理事業計画によりますと、
(1)役所正門前の東西にのびる道路は、巾員11メートルになるようですが、必ず歩道を設置してください。
(2)第二工区は減歩率25%となっており、第一工区の18%に比べ甚だ多大でございますので市役所の土地その他の土地を整理対象としていただきたい。(一市民)

(答え)
 甲子神社敷地は、官有地ではありません。加藤新太郎さん外5名が登記上の名義人であって甲子神社氏子一同の共有管理(区有財産)している土地であります。
 本土地は御承知のとおり「富士駅周辺土地区画整理事業」の区域になっておりますので、本事業実施年度に巾員11メートルに完成されます。
 つぎに「希望事項」中の歩道設置のことですが、道路構造令等の制約と車両の大型化等を考慮するとき巾員15メートル以下の道路には歩道の設置はできません。
 区画整理事業の減歩率について当初の全体計画に第一工区25%と予定しておりますが、本地区の特殊性を考慮し、関係者の負担を極力緩和いたすべし努力いたしております。
 なお詳細については、実施中の確定測量完了後に決定いたします。