広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和37年 1月1日発行 内容

快調に進む新幹線工事

完成は“東京オリンピック”まで

 東海道線は、日本の動脈です。その動脈が数年後には輸送力不足で行きづまるということは、発展途上にある日本の産業にとっては死活問題です。
 そこで東京−大阪間500キロメートルは広軌(1.435メートル、4尺7寸8分)でむすぶ新幹線工事の建設が進められたわけだが、着工以来3年、工事は急ピッチで進んでいます。
 すでに着工区間は160キロメートル以上をこえたというからもう3分の1以上にわたって工事の鎚音が響いていることになります。総工費1,972億、あらゆる点で世界的な規模を誇る世紀の大工事で日本の鉄道技術は未踏の道を次々と拓き完成へとまっしぐらにばく進つづけています。
 いま工事の重点は、長時間を必要とするトンネル堀さくや架橋などにおかれ、次第に雄大な構想の片りんをみせてきました。
 用地の買収も、もう65パーセントにあたる350キロメートルが確保され残る150キロメートルも本年度中には入手を終わるはずです。“東京オリンピックまでに”これが新幹線工事の合言葉だがその日まで工事はたゆまない努力をもって続けられていくことでしょう。

‐ 図表あり ‐
(図表説明)・・・新幹線線路略図

一足先にできる
綾瀬−小田原37キロメートル

 最高スピード200キロメートルで走る鉄道は世界にもまだない。新幹線のモデル線区として綾瀬−小田原間約37キロメートルをえらび一足先に完成させいろいろな試験が行われます。
 そしてお客さんを乗せて走らせるためにもさらにこれを確かめるテストが次々と行われます。
 したがってこの区間の工事は現在もっとも進んでおり明春には出来上る見通しです。
 もうすぐ目新しい姿の試運転車が吾々の前に姿をあらわす日もそう遠くはないようです。
 また昭和35年11月13日から22日まで東海道線金谷−藤枝間で高速度試験が行われましたが、試験車は最高時速175キロメートルで走り狭軌(1.067メートル、3尺5寸2分)の世界記録を打ちたてました。

輸送力の飛躍的増大

 新幹線には高速度の旅客列車、貨物列車と現在の東海道線には通勤列車、普通旅客列車、貨物列車を運転することによって、それぞれの線の列車の高度差を少なくさせることができますので、列車回数を著しく増すことができ、輸送力は現在の2倍以上に増加できます。

新幹線の工費と工期

 新幹線の工費は、用地費、工事費、車両費等を含め総額1,725億円になりますが、建設中の利子247億円を含めますと総額1,972億円となります。
 工程は5ヵ年で昭和39年(東京オリンピック)までに完成の予定です。
 なお新幹線に必要な主要材料はおよそセメント90万トン、鉄材45万トン、銅6,500トン、砂利500万立方メートル程度と推定されています。

旅客・ヨのサービス
東京−大阪は日帰り

 旅客列車は最高時速200キロメートルで東京−大阪間を超特急は3時間、特急は4時間でむすぶことができます。
 したがって東京から大阪への日帰りは常識となります。
 また超特急は1時間おきに、特急は20分から30分おきに運転しますので、駅に待たずに乗車できますし、車両の巾が広くゆったり座れ、さらに振動防止防音装置、冷暖房装置などを備えますので快適な旅が楽しめます。また新幹線の完成により長距離列車の大部分が新幹線に移りますので現在の東海道線列車の回数を大巾に増加できますし通勤輸送の混雑緩和、貨物輸送の円滑化など旅客、貨物とも輸送サービスが大きく改善されます。
 そして各駅停車の電車の増発により、新幹線とも乗継が便利になりますので、新幹線がとまらない現在の東海道線の各駅も新幹線を便利に利用できるようになります。

1月15日は成人の日

市民あげて参加しよう
服装は全員そろってふだん着で

 1月15日は「成人の日」です。この日は国民祝日にあたり市民あげて日の丸を掲げ、20才になられた成人を心から励まし祝福いたしましょう。
 富士市では、今年もまた1月15日午前9時から富士中学校体育館で市内に住む昭和16年4月2日より昭和17年4月1日の間に生まれた人たちを招き成人式を開きます。
 ことしはとくにこの成人式を有意義な立派なものに飾りたいため成人者や成人者父兄を招待するのをはじめ市民全員の参列をのぞんでおります。
 また例年問題となっております成人者の服装ですが、参加者全員が服装は洋服(ふだん着)で出席して下さい。この問題はさきごろも成人者代表会議を開き全員が洋服で成人式に参列することの決議を行い。新調した晴着は家庭で着ていただくことになりました。
 もう一度重ねて申し上げますが成人式の服装は洋服(ふだん着)でという合言葉で一人残らず実行して下さい。
 なお本市に住民登録をしない方や本市出身で大学在学者、他市町村に勤務されている方で休暇等で帰省されている方々も共に成人を祝したいと思いますのでこれらの方々は遠慮なく市教育委員会へご連絡ください。あらためて招待状をお手元におとどけします。

移り変わる田子浦地区を
NHK総合テレビで全国放送

 1月12日(金)午後1時20分からNHK総合テレビ「婦人の時間」で富士市田子浦地区が全国に紹介されることになりました。
 これはこの農村地帯が最近大工場の進出とあわせ田子浦港の開発等によりにわかに工業地帯としてクローズアップされ次第に移り変わっていく姿をカメラにとらえ、更に同地区の生活の変化や婦人たちがいまどのような考え方をしているか、子供たちに対して今後どのような教育をしていくか等について現地ルポしたものを電波に乗せて全国に紹介しようというもの。

児童画コンクール

富士一小と岩松小が入賞

 電信電話児童画コンクール地方予選(静岡・愛知・三重・岐阜)がさき頃拓かれ富士一小と岩松小が入選、富士電報電話局長室で賞状の授与式が行われました。
入賞者はつぎの10名です。
◇富士第一小学校
6年加藤信子 竹光峯子
◇岩松小学校
6年芦原正江 遠藤歌子 稲葉道憲 加藤芳和
5年若竹秀信 田辺容子 中司知一 稲葉広昭

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・賞状を手によろこび合う良い子たち

工業統計調査を実施

 通商産業省では、毎年12月31日現在で、工業統計調査を実施します。
 調査の対象は製造事業所について、会社名、従業者数、給与、有形固定資産、製造出荷額等過去1年間の状態を詳細にわたって調査し、製造工業の面から現在の経済活動の実態を把握すると共に、国および地方公共団体の諸施策を推進する資料として、広く利用されております。また本年は従業員30人以上の事業所については附帯調査もあわせて行います。工業統計調査にご協力下さいますようお願いします。

消防出初式
7日 富士一小で

 富士市消防団の新年出初式は、1月7日午前10時から富士第一小学校校庭で挙行されます。 この日は消防団員の分列行進をはじめポンプ操法など連日訓練を重ねた実技などが披露されます。
 また当日は優良団員の数々の表彰も行われます。
◇県消防協会表彰
顕功章1名 特別功労章3名
25年以上勤続功労4名 20年以上1名 15年以上14名
◇支部表彰
特別功労章7名 功労賞30名 5年以上勤続功労17名

昭和37年度
富士職業訓練生を募集

◇募集人員
(1)溶接工 40名
(2)自動車整備工 40名
(3)ブロック建築工 30名
◇資格
新制中学校卒業程度の学力を有する男女で制限はありません
◇申込期間 昭和37年1月20日まで
◇提出する書類
(1)入所願 1通
(2)身体検査所 1通
(3)成績証明書 1通
◇筆記試験(第1次)
国語、数学
◇日時 昭和37年2月11日(日)午前9時
◇場所 富士職業訓練所
◇備考
(1)入所選考の発表はそれぞれ選考日の翌日午前9時該当職業訓練所で行います。
(2)選考日には筆記用具、昼食を持参して下さい。
(3)提出する書類の用紙は吉原公共職業安定所および富士職業訓練所にあります。

お知らせ

陸海空 自衛官採用
受付期間 1月25日まで
詳細については市民課へお問合せ下さい

国民年金の保険料
有利な前納制度をご利用下さい
‐ 図表あり ‐