広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和37年 1月1日発行 内容

昭和36年を振りかえって

新規事業など完成へ

 今年こそ最良の年でありたいと念じながらいつの間にか1年、365日が過ぎまた新しい昭和37年(西紀1962年)を迎えました。
 ここに過ぎし1年をもう一度、静かに振り返ってみましょう。
 昨年はいろいろな事業が施行されました。
 市長の施政方針にもありました通り健全財政を基盤に積極的予算をもってまず田子浦港整備事業をはじめとして富士川用排水、し尿処理場、南中学校、市営住宅、道路橋梁、都市計画街路、消防署など一つ一つを堅実に推し進め完成してまいりました。
主な事業はつぎのとおりです。

◇富士大橋が開通
 多年の懸案でありました東海道本線を横断する立体交差の富士大橋が昨年1月15日関係者多数をむかえ盛大に開通式を行いました。この富士大橋は都市計画街路富士−鷹岡線の一部で駅南地区と駅北地区をむすぶ唯一の主要道路でもあります。
 工事費は約1億円を要し、昭和33年より2ヵ年の歳月をかけて完成しました。
 橋長(跨線部)24メートル、取付部延長168メートル、巾員は街路18メートルうち車道10メートル、東西側道各4メートルで、とくに橋の両側には自動点滅つきの高圧水銀灯21基が取りつけられ夜間は恍々と付近を照らしまたこの橋の上から富士を眺める景観はすばらしくいまでは富士市の新しい名所の一つとなっています。

◇行政事務改善
 市民へのサービス向上と事務の簡素化、能率化をめざし、昨年2月大幅な事務改善を行いました。これで国保、配給、住民登録謄抄本、諸証明など各課で扱っていましたこれらを1ヶ所(市民課)に集めて窓口事務がその場で簡単にかつ正確にスピード処理できたいへん市民からよろこばれています。
 そればかりか市全体からみた場合大きく経費の節減になり加えて事務の能率が倍増しました。
 また市民課の新設と同時に「市民相談室」が設けられ市民のご希望や苦情、陳情その他なんでもご相談に応じておりこれまた市民から好評を呼んでいます。
 今後もどんなご相談でも気軽に「市民相談室」をご利用下さい。
 このほか市役所内には事務の機械化をはかり会計機、金銭登録機、複写機、宛名印刷機、和文用タイプ、輪転機(印刷機)などいろいろな諸機械器具が完備され事務の能率化をはかっております。

◇富鷹線が完成
 富士市と鷹岡町の境界に架けられている富士−鷹岡線の「富鷹橋」が昨年5月24日立派にできあがり竣工式をかね渡りぞめが盛大に行われました。
 この富鷹橋は昭和26年に木橋で架設して以来、老朽化し危険な状態にあって早期改修が叫ばれていたもの。
 ようやく昭和35年度に入って国庫補助の対象を受け工費約3,100万円で鉄筋コンクリートの橋に改築、現代では自動車の荷重20トンに耐え得る永久橋になりました。

◇上水道事業完了
 富士市の上水道事業は、市制施行後の昭和30年度より工事に取りかかり昭和35年度まで過去6ヵ年の歳月を要し全市水道工事を完了しました。
 このため市ではこれを記念して昨年6月9日富士中体育館で関係者多数を招き祝賀式を挙行しました。
 すなわち市の上水道の普及状況は全国でも稀にみるすばらしい好調振りをみせ給水戸数7,200戸給水人口3万6,200人を数え同市の全人口の75%に達しています。
 また配水は水源地より直送方式をとっており1日の総給配水量は約8,000トンが使われています。なおこの水道事業に要した費用は建設事業費総額約3,700万円となっています。

◇し尿処理場を建設
 市内三四軒屋地先の汐除堤防西側の敷地1万9,870平方メートル(約3,330坪)に加温式化学処理方式によるし尿処理場が昨年9月5日工事に着手しました。
 この処理場には(1)投入槽(2)消化槽(3)撒布ろ床(4)沈殿槽(5)滅菌槽(6)ガスタンク(7)ボイラー室及び電気室(8)弁操作室(9)事務室が完備されます。またこのし尿処理能力は約5万7,000人を対象とし、1日の処理量は54立方メートル(約300石)が処理できます。
 ではこのし尿処理方法を参考までに簡単に説明してみましょう。投入槽にある糞尿から発生するメタンガスを利用してボイラーを動かしここで蒸気をつくって消化槽内におくり30度から35度ぐらいに糞尿を加温して30日以上おきます。
 そこで消化されたものは更にいろいろな工程を通って最後に滅菌槽で塩素滅菌された上で衛生上安全無害にして海中へ放流されることになっています。
 なお工費は約7,100万円で完成は今春2月末の予定。

◇田子浦港に第一船が入港
 待望久しかった田子浦港に昨年8月4日1万余人の観衆の拍手にむかえられ300トン級の小型船が一斉に祝賀の汽笛を鳴らしながら続々と入港しました。
 田子浦港の建設工事は、工費60億円の巨費を投じ昭和26年ごろから着工し、その後県の総合開発事業の一つとして取りあげられ更には駿河湾工業地帯にも指定されるなど田子浦港の建設は大きくクローズアップされてきました。
 すでに第一期工事を終え東西防波堤をはじめ航路護岸、消波堤なども出来あがり次第に港らしく形成され引続き第二期工事として公共埠頭やしゅんせつ工事に拍車をかけ近く3,000トンの船が出入港する日も近いようです。

◇消防署を設置
 昨年10月1日をもって消防署が新発足しました。
 消防署の設置に伴い従来の消防職員15名を更に強化し消防長以下23名に増員して火災から尊い市民の人命や財産を守っています。
 また消防車も昨年9月に新車1台を購入すると共に同じく損害保険協会から新鋭消防車「火災保険号」1台が寄贈されこれで市の消防車は8台になりました。
 今後は更に消防署員の増員と消防行政の強化をはかり初期消火の完璧を期しています。

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・新名所となった富士大橋
(写真説明)・・・連日多忙の市民課窓口
(写真説明)・・・3,000トンの船も間近い田子浦港
(写真説明)・・・岩松配水池
(写真説明)・・・近く完成予定のし尿処理場
(写真説明)・・・富士−鷹岡線をむすぶ富鷹橋

成人者の感想文募集

 成人の日を迎えるにあたり、あなたの日頃感じていること、あるいはまた意見、希望、決意、抱負、反省などさらに自分の進むべき道についての考えを訴えることなどの感想文をつぎの要領で募集します。
◇募集対象 成人該当者
◇締切 1月5日まで
◇提出先 富士市教育委員会
◇制限 400字詰原稿用紙に5枚以内
◇賞品 入選者(3名)に賞金、全員に記念品贈呈
◇発表 入選者は成人式当日に発表します。

お知らせ

日曜日の診療
医師の診療は急患、重症でない限り日曜日はさけて下さい
‐ イラストあり ‐

火災を発見した時は すぐ電話で「火事」と
火災を発見したときはいち早く電話で「火事」と呼んでください。
ですぐ消防団本部へつないでくれます。出ましたら簡単に火災の発生場所と状況をお知らせ下さい。
富士市消防団本部常備部
電話(富士)1380番