広報ふじ 昭和41年11月に吉原市と鷹岡町と合併した富士市広報紙の全記録

昭和37年 1月1日発行 内容

迎春 1962年

‐ 写真あり ‐

年頭の御挨拶
富士市議会議長 時田義次

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 昭和37年の新春を迎え、市民各位の御健康と御一家の御繁栄を心よりお祈りいたします。
 国際緊張の緩和をめざす大国間の話し合いは昨年来引き続き行われているものの、ソ米両国の核爆発実験によって不気味な雲行となり、世界の恒久平和は今日なお途遠しの感があります。しかし史上最初の原爆の被災を受けた我が国民こそ、平和への努力を惜しみなく続けねばならないと思います。
 さて、富士市政の今年の課題を見てみますと、まず国鉄新幹線については設計協議もととのい、愈々用地買収、物件補償の段階となり、この交渉の纏まり次第突貫工事が着手されるでありましょう。身延線西廻りを中心とした富士駅総合改修も急進展が期待されております、昨年8月開港した田子浦港は、本年後半には3,000トン級の船舶が入港できる見込みであります。さらにまた昨年来話題となっていた東海道高速自動車道路も、本年は路線の決定測量等が行われる可能性があると存じます。以上の重要課題と関連して都市改造、都市計画、下水道等の諸事  私ども市議会は、これらの客観状勢を把握しながらも、なおかつ積極的な市政の進展をすべきと信じております。旧ろう市議会は、役員の改選が行われ不肖私が議長に、芝田君が副議長にそれぞれ就任いたしました。私ども議会議員は本年一年をもってその任期も終了いたします。私は議長の職責の重大さにかんがみ、議員諸君とともに市民各位の期待に応えるよう最善の努力を傾注いたす所存であります。
 茲に昭和37年の新春を迎えるに当り、各位が市議会の上に、倍旧の御支援御協力あらんことをお願いいたし年頭の御挨拶といたします。

年頭のことば
富士市長 遠藤脩治

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 年改まり、ここに昭和37年の新春を迎え、市民の皆様に、心からお喜び申し上げます。
 過ぎし1年を振り返ってみますと、昨年は夢のように駈け足で去った1年間ではありましたが、日に日に拓け行く我が郷土富士市の歴史の上に、輝ける1ページを記録した貴重な1年間でもありました。即ち国内の経済は政府の施策のよろしきを得て有史以来の成長発展を見、工業規模の拡大産業の勃興、輸出の増大等々国力の強化に大きな寄与をもたらしたのであります。
 このような国内経済の好況を反映して市財政も頗る順調な経過をたどえい、県で行われた県下市町村の財政力調査における結果報告について見ましても、我が富士市は、県下自治体での最上位を占め、市の自主的財源が豊かであることによって国や県との関連事業は勿論のこと、市としての単独事業もどんどん押し進められますし、併せて市政運営の円滑も期することが出来まして、市民生活の改善向上も一般市町村に比し三歩・四歩の先進が期待されるという恵まれた条件、環境の下にあるといえるのであります。
 これを2、3の例について述べてみますと、田子浦港は、昨年8月4日に開港の運びとなり、入り船の白いマストの上を飛び交う鴎は、昔から夢物語とされて来た港風景を現実の姿として私共の網膜に鮮明に投影してくれたのであります。
 更に、全戸給水を目指しつつ、6ヵ年もの歳月と約2億7,000万円の巨費を投じた上水道事業の完成、或は富士市南北を結ぶ都市計画街路立体橋富士大橋や富士北部地区との連絡上の動脈とも言える富鷹橋の竣工開通を見るなど、将来の大富士市建設に欠くことのできない都市構成上の要素とも称すべきこれ等の諸事業が遂行される他面に於いては、市立南中学校の新設、消防署の独立、いち早く行われた国民年金事務取扱いの開始、市役所窓口事務の改善等、いずれも、市民福祉の増進と当市発展とに基盤を置いた諸種の大、中、小の事業が明日の大富士の姿  この間、市民の皆様の格別な御支援と、市議会議員各位の積極的な御激励御協力とにより、我々為政者は、此の上なき感激を覚え且つ勇気百倍の気概を以って数多くの大事業を擁するが故に、たとえ財源、財政力に恵まれたりとはいえ決して楽ではない状況下にもこれを超克し、常に円滑な市政の運営を念じつつ誠心、事に当って参ったのであります。
 さりながら、当市にとっては、是非とも早期に仕上げたい重要な事業が、まだまだ山積しているのであります。試みに具体例を挙げてみますと、富士駅周辺の都市改造、身延線西廻り、富士駅の移改築、富士川用排水の導入、農業構造改良事業、田子浦小学校の移転、下水道の整備、駅南保育園の開設、都市計画事業の推進、し尿処理場の建設などがそれであります。そして今年もまた、市政施行以来8年に亘って歩み続けて来た健全財政の鉄則を紊すことなく、市民の皆様の台所をしっかりと守りつつ、寅年にふさわしく市政執行にあたっては、勇往まい進而も暴  ここに新たなる年を迎えるに際し、市民各位から寄せられました客年中の御懇情と御支援ん心から感謝申しあげますとともに、今年もまた倍旧の御協力をお願いいたしたく、併せて皆様方の御健勝と御発展とを衷心からお祈り申し上げ、謹んで年頭の御挨拶といたします。

ことしは寅年です

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「虎穴入らずんば虎子を得ず」これは危険をおかさないと成功しない…という時に使う言葉である。「虎はアジア大陸の特産でネコ族に属し、寒い地方の虎は色が黒っぽく地味で毛質がよく、熱帯のものは色が黄色で派手だが毛質はよくない。住んでいる草地のジャングルの中にいるときは、体の斑がちょうど草にあたった光線の影のように見え保護色になる。島国の日本には、動物園かサーカス以外にはいない。「虎の声、問われて儒者困るなり」で漢文には虎がしょっちゅう出てくる。日本語の「とら」は古代朝鮮語の変わったものであるという。…「トラ」の異

謹賀新年

市長 遠藤脩治
助役 遠藤 栄
収入 武内秀道
総務課長 内山正巳
文書課長 塩川辰義
厚生課長 広瀬国助
保険課長 鈴木敏三
都市計画課長 美濃仁一郎
水道課長 北村良作
土木課長 佐野清一
市民課長 落合広治
衛生課長 望月雅己
税務課長 長洲幹彦
農産課長 後藤竜雄
商工課長 栗原 勝
職員一同

教育委員会事務局
教育長 涌田隆一
庶務課長 稲垣正義
学校教育課長 木下清作
社会教育課長 石井高和
職員一同

市立富士中央病院
院長 多々良満寿雄
副院長 滝本房一
副院長 川村雅俊
総務部長 滝川隣竜
職員一同

人口の動き

人口総数 4万8,096人
男 2万4,212人
女 2万3,884人
世帯数 9,658世帯
転入 219人
転出 155人
出生 70人
死亡 27人
婚姻24件 離婚0件 死産3件
(昭和36年12月1日現在、住民登録による)